自殺志願少女と獣の王

えりー

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ティの想い

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ティは愛しい唯奈を手元に置けたことを内心喜んでいた。
本当にあのままだったらリハに殺されかねない唯奈を助けたかったのも事実だ。
リハに念を押されたが多少下心もあった。
キスしかしないと決めている。
それくらいしてもいいだろう。
果物を乗せた皿を唯奈の前に置いた。
「どうした?何も入ってないぜ?」
そう言い一齧りしてみせた。
「警戒しているのか?」
「いいえ、頭がまだ話に付いていけなくて戸惑っているだけです」
そう言い一つ林檎を手に取った。
それを齧りながら、唯奈は思った。
(捨てられたわけじゃないよね・・・?)
もしそうならとても悲しいことだ。
(リハが落ち着くまでと言っていたし・・・)
それでも気分は沈んでいく。
リハは一体突然どうしてこんなことをしたのだろうか。
説明は受けたが納得できないことばかりだった。
「ティ様、私が何か気に障るような事をしたんでしょうか?」
「・・・これは兄貴の問題だから唯奈が気にする必要はない」
そう言われ少し気持ちが軽くなった。
「そんなに兄貴が恋しいか?」
「・・・」
唯奈は黙って頷いた。
ティは、はぁーっと溜息を付き唯奈を見つめた。
そして唇を奪った。
「んんぅ」
果物の味のするキスだった。
「は、やぁ、うぅん」
「慰めてやるよ」
唇を拭いながらティはそう言った。
シーツを剥がし、唯奈の寝間着を剥ぎ取った。
唇から首筋、胸元にキスをされる。
そうされているうちに下腹部が熱くなっていくのを感じた。
「やぁ、やめて・・・ください・・・」
ショーツも取り払われ、秘部にもキスをされた。
両足を大きく広げられてティはその間に顔を埋めた。
「きゃぁぁ、やめてください」
「安心しろキスをするだけだ」
ティは蜜口を見た。
真っ赤になり少し腫れていた。
昨夜の情事のせいだろう。
(後で薬を持ってきてやろう)
そう思いながらティはそこに舌を這わせた。
快楽の芽にも舌を這わせ上下に行き来させた。
「あぁん、やぁぁん」
「ひぅ、やぁあぁぁ」
唯奈は喘ぎ声を漏らした。
その声に誘われるようにティの舌遣いはエスカレートしていった。
「やぁぁぁぁぁあ!!」
唯奈は呆気なく達した。
「少しは気が楽になったか?」
唯奈はぐったりしている。
きっと唯奈が色々考えているのを見かねてこういう行為に及んだのだろう。
やっぱりティは悪い人ではないように思う。
急に恥ずかしくなり脱がされたショーツを身につけた。
そして寝間着を拾い、慌てて着た。
「な?キスしかしてないだろう?」
「そんなの屁理屈です!!」
真っ赤になりながらそう反論した。
ティはくっくっくっと笑いながら部屋から出て行こうとした。
「どこへ行くんですか?」
「昨夜の兄貴との交わりで蜜口に炎症がおきている。薬を持ってきてやる」
「薬?」
「軟膏だ。自分で塗れないなら俺が塗ってやろうか?」
「じ、自分で塗れます!!」
ティは部屋から出て行った。
「ティ様の考えてることもよくわからないわ・・・」
一体彼はどこからどこまでが本気なのだろう。
唯奈はそう思ったが、全て本気だと言われると厄介なのであえて聞かないことにした。

ティは少し怒っていた。
あの蜜口の腫れかたからすると相当唯奈に無理をさせたに違いない。
それなのに唯奈はリハを恋しがる。
それが悔しくて切なくて仕方なかった。
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