自殺志願少女と獣の王

えりー

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唯奈とティ3

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唯奈は思いついた。
直接会うことが禁止されているのなら手紙を渡したらどうかと。
さっそくティの部屋へ行ってみた。
すると自分の名を呼ぶ声が聞こえた。
「唯奈・・・」
荒い息遣いで唯奈の名を呼んでいる。
そっと戸を開き中の様子を見るとティは自慰行為をしていた。
人型のまま自身のものをしごきあげていた。
唯奈は見てはいけないものを見た気持ちになり慌てて自室へ戻った。
きっと今、部屋の前にいたことは狼である彼にバレている。
それでもティは自慰行為を止めなかった。
まるで見られても構わないようにも思えた。
それほどまでに自分はティを追い詰めていたのだろうか。
あんなに苦しそうな声を聞いたのは初めてだった。
ティは私を抱かない。
(勝手にそう思っていたが本当はティは私の事を抱きたいのではないのだろうか)
ようやくその考えに至った。
ティは我慢してくれているだけなのだと思い知った。
しかし、唯奈にはもう愛しい人がいる。
ティの気持ちを受け取ることは出来ない。
唯奈はここにいるのも、もう限界なのだと感じた。
だが、他に行く場所がない。
唯奈は途方に暮れた。
すると戸をノックする音が聞こえた。
「唯奈さま、ダンスのレッスンのお時間です」
「は、はい」
とりあえずさっき見たことを忘れてダンスに集中することにした。
書いた手紙を引き出しに入れ、ダンスの教師を出迎えた。
「そうです、そこでターンしてください。そして次は右足を出して・・・」
結構一曲踊るのもハードだ。
しかし今日はまだ先生の足を踏んづけていない。
昨日より上手くなってきたのだろうか。
「今日は上出来です」
「あ、ありがとうございます」
「この踊りはよく舞踏会でも踊るので覚えておいてください」
「ぶ・・・舞踏会があるんですか?」
唯奈は眩暈を覚えた。本当に異世界なんだなと今更ながら実感した。
「ありますよ。唯奈さまにも招待状が届くと思います」
「もう届いてるぞ」
「あ・・・ティ様・・・」
唯奈はさっきの事を思い出し顔が赤くなった。
「招待状は王族、貴族達全員に送られてくるからな」
「じゃあ、そこでリハ様に会えるんですね!!」
唯奈は嬉しくなった。
「本当に兄貴の事が好きなんだな」
どこか淡々とした声音だった。
「今日の授業はもう終わりか?」
「はい、今日はだいぶ上達しました」
「そうか」
やはり声が冷たい。
「それでは私はこれで失礼します」
そう言いダンスの教師は部屋から出て行った。
正確には不機嫌なティに怯え、部屋を出たと言った方が良いだろう。
「あの、ティ様、私何か気に障る事しましたか?」
「さっき部屋を覗いただろう?」
「あ・・・すみません」
「俺がナニしてたか分かっているのか」
そう言い唯奈を軽々と担ぎ上げベッドへ連れて行った。
「・・・」
唯奈はなんて言っていいかわからず戸惑った。
それより今、唯奈はティに覆いかぶされている。
逃げようと体を捻りうつ伏せになった。
だが、すぐ前に向きなおされた。
「俺は今までお前を抱きたいのを我慢していた。それも、もう限界だ」
「ひっ」
ドレスを脱がされ始め唯奈は声を上げた。
「助けを呼んでも誰も来ない。人払いしてある」
「わ、私はリハ様を愛して・・・」
「聞きたくない」
そう言い、荒々しくキスをしてきた。
口腔内に舌が入ってきて口腔内を犯していく。
「んぅ!やめっ、どうして急に・・・」
「もう隠すのはやめる。安心しろキスしかしないと約束しているからな」
唯奈のショーツも剥ぎ取り濡れそぼった蜜口に口をつけ蜜を啜り始めた。
じゅるじゅると音を立てながら啜っていく。
「あ、ん。っやぁ」
時折蜜壺に舌を深く差し込んでくる。
出し入れされていると妙な気分になってくる。
「はぁん、あぁん、やぁぁん」
「何故、抵抗しない」
「私は・・・ティ様に何も・・・お返しできません。だからせめて・・・」
「同情か?」
「分かり・・・ません・・・」
蜜壺に指を入れられた。
「んん!!」
「本当はもっと深く欲しいだろう?」
その通りだった。
浅い所でも十分快楽は得られるがもっと深い所に欲しいと体が疼く。
「でも・・・リハ様を裏切れない」
「やっぱり兄貴を選ぶんだな」
「え?」
蜜壺に入れた指をかき回し始めた。
「あ、あぁぁん!!」
唯奈は達した。
指を引き抜こうとするが唯奈の蜜壁が絡みついてそれを許さない。
「唯奈、力を抜け。中に俺のものを入れたりしないから」
そう言われ唯奈は力を抜いた。
すると指はするりと取り出せた。
「もっとこうして触れてもいいか」
「・・・はい」
唯奈は迷ったがそう答えた。
それからの記憶は曖昧でとにかく物凄い快楽を与えられ続けた。
唯奈の足と足の間に自身のものをはさんで腰を動かし始めた。
唯奈は初めての経験で戸惑ったが、ティのものを離さないように両足に力を入れた。
そうしているうちに腹部に白濁したものが出てきた。
それをタオルで拭い取られた。
2人は荒い呼吸を繰り返しベッドに横になった。
ティのものを間近で見たのは初めてだった。
大きかった。
あれが以前自分の中に入っていたなんて信じられなかった。
「これでお礼に・・・なりましたか・・・?」
「ああ。充分だ」
そう言い唯奈の唇にキスをした。
唯奈は疲れ果て、眠気に襲われた。
「唯奈は体力がないな」
「ティ様たちが体力ありすぎなんです」
ティは狼の姿になった。
「もう何もしない。安心して眠ってくれ」
唯奈はティの耳を触りながら眠った。
ティは唯奈に触れられて少しは満足できた。
本当は抱きたいがそれはしてはいけないことだからもうしないと決めている。
しかし、傍にいれば愛しい存在に触れたくなるものだ。
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