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実姫の気持ち

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実姫はどこにでもいる普通の女子高生だった。
ただ異常な読書好きで、いつも本を読んでは現実逃避をしていた。
図書館で興味のある本を借り、たまたま実践してみたところ本物の悪魔を呼び出してしまった。
そして処女を奪われ、魔界とやらに連れて来られた。
因みに片道切符らしく帰ることは出来ない。

自分の今の状況はこんな感じだ。
頭の中で整理してみても非現実的だなと思う。
しかも、ヒューイはことあるごとに深いキスをして、知られたくないことを暴いてくる。
彼はキスによって相手の考えや気持ちが読めるらしい。
そして、何故かいきなり襲ってくる。
もう何度抱かれたかわからない。
「嫌だ」というと腕を拘束されたり、変な薬を使われたりする。
正直彼のそういう所が怖いと思う。
とにかく手段を選ばない。
さすが悪魔。
人間の基準で考えてはいけない相手だった。
不幸中の幸いか彼は見目麗しい。
それがぎりぎりセーフだった。
もし不細工だったりしたら笑えない事態だ。
実姫はそう思った。
本人にはそんな自覚はないようだが彼はかっこいい。
でもたまに変質者みたいな行動をとる。
屋敷内をうろうろしているとストーカーのように後ろからついてくる。
何かもの言いたげにしているがあえて無視している。

契約の為に抱かれたことは百歩譲って許せるが、その後いまだに抱き続けることにはどんな意味があのだろうか。
ただそういう行為が好きなだけなのか、きちんとした理由があるのか知りたい。
抱かれる方の身にもなってほしい。
ヒューイに抱かれた後は暫く動けないほど体がきつくなる。
そしてしつこく抱いてくるからも痛くなる。
先日、いつ、どういう時に痛くなるのか聞かれた。
そんな事言えるはずない。
同性同士でも話しにくいことをあったばかりのしかも異性に話すのは抵抗があった。
それで逃げたら追われ、壁ドンされ、キスをされ結局バレてしまった。
やはり悪魔には分ってもらえないことが多いのだろうか。
私は別にヒューイを嫌っているわけではない。
実際呼び出してしまったのはこちらのミスであり彼に非はない・・・はずだ。
出来ればそう思いたい。
しかし、彼に抱かれるのは困る。
嫌悪感はないが、複雑な心境になる。
恥ずかしいやら、怖いやら、痛いやら。
色々悩まされている。
それでも三日に一度は求められる。
断わっても、抵抗しても無駄なことは分かっているが、「嫌」なものは嫌なのだ。
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