悪魔を召喚したら魔界へ連れていかれました

えりー

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実姫の決意

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「実姫、お前を守るために仕方がないことなんだ・・・」
「嫌よ、私は貴方の事が好きなの」
そう言って彼の襟首に手をかけ思い切り引っ張り自分からキスをした。
(危険なめにあってもいいの。そばに居させてよ)
更に実姫は自分の気持ちを伝えるために彼の口腔内に自分の舌をいれた。
そして彼の舌に自ら絡めた。
そうして唇をはなした。
(口で言っても理解してもらえない。こうすれば私が本気だとわかってくれるでしょう?)
彼は一言実姫に言った。
「せっかく元の世界に戻れるチャンスだぞ?本当に良いのか?」
実姫は頷いた。
「分かった。そこまでの覚悟があるのなら、もう言わない」
そう言い彼は実姫を連れて自室へ入った。
実姫は元の世界に帰る事より彼と一緒に暮らす方を選んだ。
例え危険な選択でも自分で後悔のない選択をした。
「実姫・・・また外に悪魔達が来ている。決してこの部屋から出ずに隠れておけ」
「分かった、気を付けて」
「はっ、誰に言ってる」
そう言うとヒューイは外へと出て行った。
実姫は、ヒューイの戦っているところをみたくなった。
そこでシーツに包まり窓から外を眺めた。
今、出て行ったのにそこはもう血の海が広がっていた。
ヒューイは他の悪魔の頭を持ち握りつぶした。
辺りにはまた血が飛び散り、ヒューイはその血を浴び笑っていた。
確かにヒューイは強い。
怖いくらいに悪魔らしい戦い方をしている。
(あの力は私を抱いているから維持できているのね・・・)
他の悪魔達とは全然違う。
ヒューイは特別な存在のように見えた。
(もし、私が捕まって3日抱かなければ彼はどうなってしまうのだろう)
力が弱まるとは聞いていたが具体的に聞いたことはなかった。
(もしかして、私がここに留まるのはヒューイにとっても不利になるんじゃ・・・)
でも実姫はヒューイから離れたくはなかった。
考えてもやっぱりそこに辿り着いてしまう。
ヒューイは戦いを終え血まみれで帰ってきた。
先ほどの悪魔らしい悪魔は今はもういない。
目の前にいるのはにだけ優しい悪魔だ。
ヒューイは血を落とすために浴室へ向かった。
外を見ると元悪魔だった者の残骸が無残に落ちているだけだった。
それを見た実姫はぞっとした。
ヒューイだけは敵に回したくないなと心底思った。
ヒューイにもっと力をあげたい。
せめて守られているだけなら・・・何か彼にしたいと思った。
実姫は覚悟を決めた。
これから毎日彼に抱かれようと。
そうしておけば、万が一自分が攫われたとき3日という期間が少しでも長引けるから。
時間稼ぎにはなるだろうと実姫は思った。
屋敷に結界が張られている間は誰も近づくことが出来ない。
でも、いつ何があるかわからない魔界だ。
毎日抱かれておいた方が彼の役に立てるだろう。
実姫はそう思った。
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