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映画館
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僕たちが見る映画は今流行っているR15指定のホラー映画だ。
正直言うとホラー映画は好きだ。
ミステリーよりはホラー映画の方がわくわくする。
あのドキドキ感が堪らない。
学生なのであまりお金がない。
なのでふたりで一つのポップコーンを買い飲み物はそれぞれ買った。
開演のブザーがなりあたりが暗くなる。
僕は映画が始まり夢中で見ていた。
霊が出るシーンで汗ばんだ手で由伸が僕の手を握ってきた。
「!!?」
僕は二重の意味で驚いた。
思わず体をビクつかせてしまった。
「・・・悪い、俺ホラーはダメなんだ」
”・・・怖い!!”
彼は本気で怖がっていた。
じゃあ何故ホラー映画なんかに誘ったのだろうか。
謎が残る。
それ以前にこんなに大きな体で外見もかっこいいのにホラーがダメとか・・・可愛く見える。
小さく笑う僕に怒る余裕もなく、なるべくスクリーンから顔を背けている。
(ああ、本当に苦手なんだ。なんだか可愛いな・・・)
そう思って自分の思考に驚いた。
(僕は確か・・・由伸の事苦手だったはず、それなのにいつから変わってしまったのだろう)
どうして苦手だったのか今では不思議だった。
僕の事をあんまり好きだ好きだ言うから・・・
僕も由伸の事を少しずつ好きになったのだろうか。
隣を見ると真っ青な由伸がいる。
映画は観たいが半年もすればDVDが出るだろう。
このまま由伸を放っておくことが出来なかった。
僕は由伸の手を引き、席を立った。
「おい、映画の途中だぞ・・・」
”・・・観なくていいのかよ・・・”
「映画よりお前の方が優先だ」
そうきっぱり言って、上映室から出た。
そして、無言で歩き出した。
そうしてカフェに入り座り、僕たちはアイス珈琲を注文した。
「・・・大丈夫か?」
彼の顔はまだ青い。
「何とかな」
”あー、怖かった”
「そんなに怖いなら何であの映画に誘ったんだよ」
”教室でお前が観たいって言っていたじゃないか”
少しバツの悪い顔をしながら由伸は大輔から目を逸らした。
顔は赤くなっていた。
赤みがさして安心したが僕が観たいと言っていたから無理したのか。
”頑張ってチケットも取ったのに格好悪い”
どうやらチケットを貰ったというのは嘘だったらしい。
(全ては僕の為に起こした行動だったのか)
「本当に由伸は僕の事好きなんだな・・・」
半ば呆れ気味にそう言うと由伸から心の声が聞こえた。
”当り前だ!じゃなきゃあんな映画見ない”
「ずっと好きだと言っているじゃないか」
「そっか・・・」
今度はこっちが赤くなる番だった。
顔を赤らめた男二人が見つめ合い座っている。
周囲の声から色めきだった声も聞こえてくるが今は由伸の心の声をもっと聴きたいと思った。
「今からどうする?街に出て遊ぶか?」
「・・・いや、今日はもう帰ろうと思っている」
そう答えると由伸が提案してきた。
「今から俺のうちへ来ないか?渡したい物もあるし」
「・・・え?」
”警戒されている?”
純粋に誘ってくれているのなら行くべきだろう。
この時こう思ったことを後で大輔は後悔することになる。
「嫌か?」
「・・・行く」
こうして僕は由伸の家へ遊びに行くことになった。
正直言うとホラー映画は好きだ。
ミステリーよりはホラー映画の方がわくわくする。
あのドキドキ感が堪らない。
学生なのであまりお金がない。
なのでふたりで一つのポップコーンを買い飲み物はそれぞれ買った。
開演のブザーがなりあたりが暗くなる。
僕は映画が始まり夢中で見ていた。
霊が出るシーンで汗ばんだ手で由伸が僕の手を握ってきた。
「!!?」
僕は二重の意味で驚いた。
思わず体をビクつかせてしまった。
「・・・悪い、俺ホラーはダメなんだ」
”・・・怖い!!”
彼は本気で怖がっていた。
じゃあ何故ホラー映画なんかに誘ったのだろうか。
謎が残る。
それ以前にこんなに大きな体で外見もかっこいいのにホラーがダメとか・・・可愛く見える。
小さく笑う僕に怒る余裕もなく、なるべくスクリーンから顔を背けている。
(ああ、本当に苦手なんだ。なんだか可愛いな・・・)
そう思って自分の思考に驚いた。
(僕は確か・・・由伸の事苦手だったはず、それなのにいつから変わってしまったのだろう)
どうして苦手だったのか今では不思議だった。
僕の事をあんまり好きだ好きだ言うから・・・
僕も由伸の事を少しずつ好きになったのだろうか。
隣を見ると真っ青な由伸がいる。
映画は観たいが半年もすればDVDが出るだろう。
このまま由伸を放っておくことが出来なかった。
僕は由伸の手を引き、席を立った。
「おい、映画の途中だぞ・・・」
”・・・観なくていいのかよ・・・”
「映画よりお前の方が優先だ」
そうきっぱり言って、上映室から出た。
そして、無言で歩き出した。
そうしてカフェに入り座り、僕たちはアイス珈琲を注文した。
「・・・大丈夫か?」
彼の顔はまだ青い。
「何とかな」
”あー、怖かった”
「そんなに怖いなら何であの映画に誘ったんだよ」
”教室でお前が観たいって言っていたじゃないか”
少しバツの悪い顔をしながら由伸は大輔から目を逸らした。
顔は赤くなっていた。
赤みがさして安心したが僕が観たいと言っていたから無理したのか。
”頑張ってチケットも取ったのに格好悪い”
どうやらチケットを貰ったというのは嘘だったらしい。
(全ては僕の為に起こした行動だったのか)
「本当に由伸は僕の事好きなんだな・・・」
半ば呆れ気味にそう言うと由伸から心の声が聞こえた。
”当り前だ!じゃなきゃあんな映画見ない”
「ずっと好きだと言っているじゃないか」
「そっか・・・」
今度はこっちが赤くなる番だった。
顔を赤らめた男二人が見つめ合い座っている。
周囲の声から色めきだった声も聞こえてくるが今は由伸の心の声をもっと聴きたいと思った。
「今からどうする?街に出て遊ぶか?」
「・・・いや、今日はもう帰ろうと思っている」
そう答えると由伸が提案してきた。
「今から俺のうちへ来ないか?渡したい物もあるし」
「・・・え?」
”警戒されている?”
純粋に誘ってくれているのなら行くべきだろう。
この時こう思ったことを後で大輔は後悔することになる。
「嫌か?」
「・・・行く」
こうして僕は由伸の家へ遊びに行くことになった。
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