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由伸の家(前編)
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由伸の家はマンションだった。
両親は不在らしく由伸がただいまと言っても返事は無い。
他人の家にはあまり出入りしないので居心地悪くしていると由伸から声がかかった。
「どうした?入らないのか?」
「・・・いや、あまり友達の家とか行かないから気後れしただけだよ」
まさか警戒しているから上がれないとは言えない。
今更引き返せないところまで来ている。
「今日、ご両親はいないのか?」
「ああ、今2人で親戚の家に行ってる」
「そっか」
(2人きりか・・・)
まさかとは思うが何かするつもりなのかもしれない・・・。
疑いながらも靴を脱ぎ小さい声でお邪魔しますと言い家に入った。
(それより渡したい物って何だろう?)
「こっちが俺の部屋」
「あ、うん」
由伸が部屋に案内してくれた。
部屋は綺麗に整理整頓されていた。
本棚には大量の本が詰め込まれていた。
彼はどうやら読書家らしい。
「その辺に座ってて、何か飲み物取ってくる」
「わかった」
由伸は部屋から出て行った。
大輔は何かされるわけではないようだと少し安心した。
”可愛い、上手く家に連れ込めた。まさか本当について来るとは思わなかった”
(大輔は危機感がなさすぎる・・・)
あんなのでよく今まで無事だったな・・・。
由伸は大輔の能力に気が付いていない。
彼が今まで無事だったのはあの力のおかげなのだ。
大輔本人は気が付いていないが大輔は可愛い顔立ちをしている。
しかも身長も低く見下ろし、目を合わせると自然と上目遣いになる。
可愛さに拍車がかかる。
「はぁ・・・」
切なげに溜息をつきグラスにジュースを注ぎ、部屋へ戻った。
大輔は本棚を眺めていた。
カチャっとドアが開くとビクッと体を揺らした。
”やっぱり警戒はしているのか”
「・・・勝手に触ってゴメン」
「いや、いいよ気に入った本があったら貸すよ」
由伸は少しでも警戒を解くために微笑んだ。
「そういえばさっき言ってた渡したい物って何?」
「ああ、そのことかそれは・・・これだ」
そう言い包装された包みを渡された。
それは本のようだった。
「開けてみてもいいか?」
「もうお前のものだからな」
大輔はそういうことをサラッと言う由伸をかっこいいと思った。
かぁっと大輔は赤くなった。
由伸はそれを見逃さなかった。
「どうした?顔が赤いぞ?」
「な、何でもない」
包みを開けるとさっきの映画の限定版の初版の本が入っていた。
付録には霊のストラップがついている。
大輔の目は輝いていた。
「これ・・・高かったんじゃ・・・」
「無粋なことは聞くなよ」
大輔の喜ぶ姿を見てプレゼントしてよかったと思った。
それと同時に別の欲望がふつふつと湧き上がった。
”抱きたい”
その心の声を聞き大輔は言った。
「これ、ありがとう。僕、そろそろ帰るよ」
「もう帰るのか?もっと一緒に居たい」
そう言い由伸は大輔を自分の方へ引き寄せキスをし、ゆっくり床に押し倒した。
キスはただ触れるものから段々深いものへと変わっていった。
「ん、ふぅ、うぅ・・・」
服の上から体に触れられ始めた。
そして服の中に手が入ってきた。
「やめっ・・・んっ」
やめろと言いかけると唇で塞がれてしまった。
激しいキスが続いていくにつれて下腹部に熱が集まっていくのを感じた。
固いものが大輔の足に触れた。
それは勃起した由伸のモノだった。
こんなに激しく求められたことのない大輔は戸惑った。
逃げられない・・・。
両手を拘束されてしまい恐怖で大輔の顔が歪んだ。
(僕は・・・犯されるのか?)
両親は不在らしく由伸がただいまと言っても返事は無い。
他人の家にはあまり出入りしないので居心地悪くしていると由伸から声がかかった。
「どうした?入らないのか?」
「・・・いや、あまり友達の家とか行かないから気後れしただけだよ」
まさか警戒しているから上がれないとは言えない。
今更引き返せないところまで来ている。
「今日、ご両親はいないのか?」
「ああ、今2人で親戚の家に行ってる」
「そっか」
(2人きりか・・・)
まさかとは思うが何かするつもりなのかもしれない・・・。
疑いながらも靴を脱ぎ小さい声でお邪魔しますと言い家に入った。
(それより渡したい物って何だろう?)
「こっちが俺の部屋」
「あ、うん」
由伸が部屋に案内してくれた。
部屋は綺麗に整理整頓されていた。
本棚には大量の本が詰め込まれていた。
彼はどうやら読書家らしい。
「その辺に座ってて、何か飲み物取ってくる」
「わかった」
由伸は部屋から出て行った。
大輔は何かされるわけではないようだと少し安心した。
”可愛い、上手く家に連れ込めた。まさか本当について来るとは思わなかった”
(大輔は危機感がなさすぎる・・・)
あんなのでよく今まで無事だったな・・・。
由伸は大輔の能力に気が付いていない。
彼が今まで無事だったのはあの力のおかげなのだ。
大輔本人は気が付いていないが大輔は可愛い顔立ちをしている。
しかも身長も低く見下ろし、目を合わせると自然と上目遣いになる。
可愛さに拍車がかかる。
「はぁ・・・」
切なげに溜息をつきグラスにジュースを注ぎ、部屋へ戻った。
大輔は本棚を眺めていた。
カチャっとドアが開くとビクッと体を揺らした。
”やっぱり警戒はしているのか”
「・・・勝手に触ってゴメン」
「いや、いいよ気に入った本があったら貸すよ」
由伸は少しでも警戒を解くために微笑んだ。
「そういえばさっき言ってた渡したい物って何?」
「ああ、そのことかそれは・・・これだ」
そう言い包装された包みを渡された。
それは本のようだった。
「開けてみてもいいか?」
「もうお前のものだからな」
大輔はそういうことをサラッと言う由伸をかっこいいと思った。
かぁっと大輔は赤くなった。
由伸はそれを見逃さなかった。
「どうした?顔が赤いぞ?」
「な、何でもない」
包みを開けるとさっきの映画の限定版の初版の本が入っていた。
付録には霊のストラップがついている。
大輔の目は輝いていた。
「これ・・・高かったんじゃ・・・」
「無粋なことは聞くなよ」
大輔の喜ぶ姿を見てプレゼントしてよかったと思った。
それと同時に別の欲望がふつふつと湧き上がった。
”抱きたい”
その心の声を聞き大輔は言った。
「これ、ありがとう。僕、そろそろ帰るよ」
「もう帰るのか?もっと一緒に居たい」
そう言い由伸は大輔を自分の方へ引き寄せキスをし、ゆっくり床に押し倒した。
キスはただ触れるものから段々深いものへと変わっていった。
「ん、ふぅ、うぅ・・・」
服の上から体に触れられ始めた。
そして服の中に手が入ってきた。
「やめっ・・・んっ」
やめろと言いかけると唇で塞がれてしまった。
激しいキスが続いていくにつれて下腹部に熱が集まっていくのを感じた。
固いものが大輔の足に触れた。
それは勃起した由伸のモノだった。
こんなに激しく求められたことのない大輔は戸惑った。
逃げられない・・・。
両手を拘束されてしまい恐怖で大輔の顔が歪んだ。
(僕は・・・犯されるのか?)
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