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朝ご飯
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『待っている。アルスにいる』
慎也から連絡が入っている。
アルスは、理人と昨日会った喫茶店の名前だ。
私が行きやすい場所として、アルスを指定したのだろう。
しかし……もっとこう、言い方ってあると思うんだけれども。
これでは、果し合いでもするみたいじゃない?
やれやれとは思うが、別に用事もない。
『分かった。三十分後に行くから』と、私は返した。
急いで朝食を食べ終わって、準備しなくては。
私は、味噌汁をすする。
わかめと豆腐のシンプルな味噌汁は、温かく美味しい。
顆粒の出汁を使ったものだけれども、食べ慣れた味は、心ごと温めてくれる。
「あら、お帰りなさい」
お母さんの声に顔を上げると、お父さんがリビングに入って来た。
「ミライ、起きたのか。大丈夫か?」
お父さんも、私を心配してくれる。
とても嬉しい。
私も、友達を亡くした悲しみに向き合いたい。
でも、それどころではない。
確実に巻き込まれている何か嫌なこと。
貴子の遺体がどこにいったのか、誰が何をしたのかをはっきりさせなければ、悲しむこともままならない。
「そういえば、お向かいの中本さんのお母さんが、家の方をじっと見ていたぞ」
お父さんが、「何か用があったのかな?」と、頭をかく。
「お父さん、声を掛けなかったの?」
「声掛ける前に、中本さんは、家に入っちゃったから」
「た、貴子は?」
「見なかったな。てか、貴子ちゃんは、仕事だろう? 日曜日の朝ならば、どこかの番組でレギュラーだったろう?」
そうだった。
この時間には、貴子は、テレビに生で出演しているばずだ。
MCが中心となって、グルメや話題のお店を紹介する日曜日の番組で、ひな壇に座っている。
私は、慌ててテレビのチャンネルを変える。
『さあ、今日は、渋谷で話題のグルメを……』
にこやかにMCの男性が、グルメの紹介をしている。
ひな壇が映る。
……貴子は……
「あら、貴子ちゃん、今日はテレビに出ていないのね」
「本当だ。だから、中本さんは家にいたのか」
風邪でもひいたのかななんて、私の両親は、のん気に話し合っている。
風邪どころではない。
学校の中庭で目を見開いて倒れていたのだ。
「ちょっと、出掛けてくる」
「は? あんた、受験勉強は? そろそろ本気で始めないと、困るのはあんたよ?」
お母さんが面倒なことを言うが、ここは、無視だ。
私は、「ほっといてよ!」と、言い捨てて、簡単に準備して家を出た。
貴子の家をチラリと見たが、貴子のお母さんはいなかった。
お父さんが、私の家の方を見ていたというのは、きっと、貴子のことで私に話があるからだ。
それ以外に、貴子のお母さんが私に用があるとは思えないもの。
「帰りにインターフォンを押してみるの良いかもね」
このままだと気持ち悪い。
だったら、自分から貴子のお母さんに確認してみるのもアリではないだろうか。
ともかく、今は慎也が待っている。
私は、貴子の家が気になりながらも、慎也の待つアルスへ向かった。
慎也から連絡が入っている。
アルスは、理人と昨日会った喫茶店の名前だ。
私が行きやすい場所として、アルスを指定したのだろう。
しかし……もっとこう、言い方ってあると思うんだけれども。
これでは、果し合いでもするみたいじゃない?
やれやれとは思うが、別に用事もない。
『分かった。三十分後に行くから』と、私は返した。
急いで朝食を食べ終わって、準備しなくては。
私は、味噌汁をすする。
わかめと豆腐のシンプルな味噌汁は、温かく美味しい。
顆粒の出汁を使ったものだけれども、食べ慣れた味は、心ごと温めてくれる。
「あら、お帰りなさい」
お母さんの声に顔を上げると、お父さんがリビングに入って来た。
「ミライ、起きたのか。大丈夫か?」
お父さんも、私を心配してくれる。
とても嬉しい。
私も、友達を亡くした悲しみに向き合いたい。
でも、それどころではない。
確実に巻き込まれている何か嫌なこと。
貴子の遺体がどこにいったのか、誰が何をしたのかをはっきりさせなければ、悲しむこともままならない。
「そういえば、お向かいの中本さんのお母さんが、家の方をじっと見ていたぞ」
お父さんが、「何か用があったのかな?」と、頭をかく。
「お父さん、声を掛けなかったの?」
「声掛ける前に、中本さんは、家に入っちゃったから」
「た、貴子は?」
「見なかったな。てか、貴子ちゃんは、仕事だろう? 日曜日の朝ならば、どこかの番組でレギュラーだったろう?」
そうだった。
この時間には、貴子は、テレビに生で出演しているばずだ。
MCが中心となって、グルメや話題のお店を紹介する日曜日の番組で、ひな壇に座っている。
私は、慌ててテレビのチャンネルを変える。
『さあ、今日は、渋谷で話題のグルメを……』
にこやかにMCの男性が、グルメの紹介をしている。
ひな壇が映る。
……貴子は……
「あら、貴子ちゃん、今日はテレビに出ていないのね」
「本当だ。だから、中本さんは家にいたのか」
風邪でもひいたのかななんて、私の両親は、のん気に話し合っている。
風邪どころではない。
学校の中庭で目を見開いて倒れていたのだ。
「ちょっと、出掛けてくる」
「は? あんた、受験勉強は? そろそろ本気で始めないと、困るのはあんたよ?」
お母さんが面倒なことを言うが、ここは、無視だ。
私は、「ほっといてよ!」と、言い捨てて、簡単に準備して家を出た。
貴子の家をチラリと見たが、貴子のお母さんはいなかった。
お父さんが、私の家の方を見ていたというのは、きっと、貴子のことで私に話があるからだ。
それ以外に、貴子のお母さんが私に用があるとは思えないもの。
「帰りにインターフォンを押してみるの良いかもね」
このままだと気持ち悪い。
だったら、自分から貴子のお母さんに確認してみるのもアリではないだろうか。
ともかく、今は慎也が待っている。
私は、貴子の家が気になりながらも、慎也の待つアルスへ向かった。
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