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写真の真実
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アルスに着くと、慎也が奥の席から手を振る。
どうやら一人のようだ。
「理人に何も言っていないだろうな」
「しつこいな。そんなに信じられないなら、帰るよ」
私は、いらつく。
そうよ。
気にはなるけれども、慎也に協力しなければならない義理は私にはない。
「悪かったって。ほら、珈琲でも奢るから座って!」
慎也に言われて、私は席に着く。
まあ、せっかくここまで来たのだから、珈琲を奢ってくれるならば、仕方ない。
慎也が、私の分の珈琲を注文してくれる。
ウェイターが去った後に慎也が出してきたのは、封筒だ。
「俺に何かあったら、これを警察に……って、おい! そういうのは、今は開けないのが約束だろう?」
「だって、気になるし」
もう見ちゃったし。
中身は、数枚の写真だった。
「あ、これは……」
貴子の遺体の写真をプリントアウトしたものと、次の日の朝の中庭の写真と、紗栄の遺体の写真、そして、体育倉庫の写真だ。
「慎也……あんたね、こんな悪趣味な」
「ちがっ! 違う! これは、証拠だから!」
「それを、どうして私に渡すのよ」
慎也が沈黙してしまう。
「どうして私に? 奈美でも……それこそ、警察の西野さんにそのまま渡せばいいのに」
「それは、まだ早い。奈美は信用できないし、西野さんには、もっと後で渡したい」
「何よ。何の後よ」
「自首だよ。こんなことをしたのは、きっと天文部の仲間だろ? だったら、自首を進めたいじゃないか」
そっか。
慎也は、友達のことを心配しているんだ。
「きっと、何か理由があるんだと思うんだ。みんな、元々悪い奴じゃない」
「仲間を信じたいってことね……」
慎也の気持ちは、分からなくはない。
でも、二人も死んでいるのよ。
なのに、どんな理由があるというのか。
貴子の写真を見る。
中庭のタイルの上に横たわる貴子。
黒々とした液体の上にあおむけに横たわる。
確かに、奈美が言っていた通り、手の向きが変だ。
ランタンがなければ、そんな細部には、少しも気付かなかった。
「あら?」
「どうした? ミライ」
「ねえ、どうしてランタンは、ここにあったの?」
「え、そりゃ、貴子か他の誰かが、ここに持って来て置いたんだろ?」
「遺体の横に? 何のために」
「そりゃ……良く見えるよう……に?」
言いながら、慎也が奇妙なことに気付いたようだ。
「あれ、これ……天文部のランタンだよな」
「そう。だから、ガラス製」
「じゃあ、殺人がおこるほど争ったなら、ランタンは割れているよな」
「そう。普通はね。犯人が持っていたとしても、貴子が持っていたとしても」
「え、何でここに普通に灯っているんだ?」
「知らないわよ。でも、変なの。そして、普通、犯人がいるならば、遺体が見つからないように、ランタンは持ち去るわよね?」
慎也が頭を抱える。
「そんなの変だ。だって、それじゃあ、誰かに遺体を見せるために、ここに置いたみたいじゃないか」
そうなのよ。どう考えても、これは、誰かに貴子の遺体を見せるために、ランタンをここに置いたのよ。
「いや、なんだでだよ」
「知らないってば、私に聞かないでよ」
私達二人は、何も解決していない現状でさらに沸き上がった疑問に、頭を抱えた。
どうやら一人のようだ。
「理人に何も言っていないだろうな」
「しつこいな。そんなに信じられないなら、帰るよ」
私は、いらつく。
そうよ。
気にはなるけれども、慎也に協力しなければならない義理は私にはない。
「悪かったって。ほら、珈琲でも奢るから座って!」
慎也に言われて、私は席に着く。
まあ、せっかくここまで来たのだから、珈琲を奢ってくれるならば、仕方ない。
慎也が、私の分の珈琲を注文してくれる。
ウェイターが去った後に慎也が出してきたのは、封筒だ。
「俺に何かあったら、これを警察に……って、おい! そういうのは、今は開けないのが約束だろう?」
「だって、気になるし」
もう見ちゃったし。
中身は、数枚の写真だった。
「あ、これは……」
貴子の遺体の写真をプリントアウトしたものと、次の日の朝の中庭の写真と、紗栄の遺体の写真、そして、体育倉庫の写真だ。
「慎也……あんたね、こんな悪趣味な」
「ちがっ! 違う! これは、証拠だから!」
「それを、どうして私に渡すのよ」
慎也が沈黙してしまう。
「どうして私に? 奈美でも……それこそ、警察の西野さんにそのまま渡せばいいのに」
「それは、まだ早い。奈美は信用できないし、西野さんには、もっと後で渡したい」
「何よ。何の後よ」
「自首だよ。こんなことをしたのは、きっと天文部の仲間だろ? だったら、自首を進めたいじゃないか」
そっか。
慎也は、友達のことを心配しているんだ。
「きっと、何か理由があるんだと思うんだ。みんな、元々悪い奴じゃない」
「仲間を信じたいってことね……」
慎也の気持ちは、分からなくはない。
でも、二人も死んでいるのよ。
なのに、どんな理由があるというのか。
貴子の写真を見る。
中庭のタイルの上に横たわる貴子。
黒々とした液体の上にあおむけに横たわる。
確かに、奈美が言っていた通り、手の向きが変だ。
ランタンがなければ、そんな細部には、少しも気付かなかった。
「あら?」
「どうした? ミライ」
「ねえ、どうしてランタンは、ここにあったの?」
「え、そりゃ、貴子か他の誰かが、ここに持って来て置いたんだろ?」
「遺体の横に? 何のために」
「そりゃ……良く見えるよう……に?」
言いながら、慎也が奇妙なことに気付いたようだ。
「あれ、これ……天文部のランタンだよな」
「そう。だから、ガラス製」
「じゃあ、殺人がおこるほど争ったなら、ランタンは割れているよな」
「そう。普通はね。犯人が持っていたとしても、貴子が持っていたとしても」
「え、何でここに普通に灯っているんだ?」
「知らないわよ。でも、変なの。そして、普通、犯人がいるならば、遺体が見つからないように、ランタンは持ち去るわよね?」
慎也が頭を抱える。
「そんなの変だ。だって、それじゃあ、誰かに遺体を見せるために、ここに置いたみたいじゃないか」
そうなのよ。どう考えても、これは、誰かに貴子の遺体を見せるために、ランタンをここに置いたのよ。
「いや、なんだでだよ」
「知らないってば、私に聞かないでよ」
私達二人は、何も解決していない現状でさらに沸き上がった疑問に、頭を抱えた。
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