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熱
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風邪を引いた。
小さい頃には、こんな風に風邪を引くことはよくある事だったが、久しぶりの風邪……。きっと、環境が変わったから、思った以上に身体が疲れていたのだと思う。
残念だ。今日は、上級生と合同で授業があったから、セシルと近づくチャンスだったのに。
「大丈夫か? 大人しく寝てろよ」
マキノが、頭をポンポンと叩く。
「感染るから触るなよ。気にせず授業行け。辛かったら医務室いくから」
もう病欠届けはマキノに出してもらった。
後は、寝ているだけだ。
小さい頃、シロノがよく看病してくれたっけ。母親は、俺達を産んですぐに死んでしまったから、シロノは病弱な俺に母親代わりになって守ってくれた。
シロノのあの、つい強気に虚勢を張ってしまう性格も、世話焼きなところも、俺のせいなのだ。だから、それが周囲に誤解を生むならば、それは俺が悪い。だからこそ、シロノが幸せになるための恋を、実らせてあげたいのに……。
本当、入学してからこの方、何にも力になれていない……。
「医務室か……」
マキノが、何か考え込んでいる。
? わ? なんだ??
シーツでグルグル巻きにされて抱き上げられる。
「じゃあ、ついでだ。もう医務室に運んでおく」
マキノがそう言って笑う。
……抵抗する元気はない。まあ、医務室に運んでくれるならいいか。
マキノに抱き上げられ、シーツにくるまれて周りがよく見えないまま廊下を進めば、
「おい、それはリオスだろう?」
と声をかけられる。セシルの声だ。
「だったら何だって言うんですか?」
マキノが言い返す? は?
そこは、そうです、で良くない? なんで好戦的?
「これから医務室に運ぶんです。どいてください」
マキノの声。ん? 行く手を阻まれているんだ。
「医務室? じゃあ、私が運ぼう。マキノ、君は授業に行けばいい。リオスに話がある」
へ? 王太子直々に? 俺を運ぶ?? そんな重大な話? 俺、また何か失敗したのかな?
「渡せません。王太子様に病気が感染るといけませんしね」
ド正論。そりゃそうだ。兄の俺が、王族セシル様に病気を感染させたとなれば、シロノを正妃に推すどころの話ではない。
てか、はやく医務室……。そろそろ目が回ってきたんだけれども。
「マキノ……。もう駄目ぇ……」
熱でフラフラの俺は、そうつぶやくと、意識を失った。
あたふたするマキノが見える。
何だか、また、セシルの眉間に皺が寄っている気がする。なんだか、また機嫌を損ねたらしい。本当、どうしたらいいのか……。
小さい頃には、こんな風に風邪を引くことはよくある事だったが、久しぶりの風邪……。きっと、環境が変わったから、思った以上に身体が疲れていたのだと思う。
残念だ。今日は、上級生と合同で授業があったから、セシルと近づくチャンスだったのに。
「大丈夫か? 大人しく寝てろよ」
マキノが、頭をポンポンと叩く。
「感染るから触るなよ。気にせず授業行け。辛かったら医務室いくから」
もう病欠届けはマキノに出してもらった。
後は、寝ているだけだ。
小さい頃、シロノがよく看病してくれたっけ。母親は、俺達を産んですぐに死んでしまったから、シロノは病弱な俺に母親代わりになって守ってくれた。
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? わ? なんだ??
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マキノがそう言って笑う。
……抵抗する元気はない。まあ、医務室に運んでくれるならいいか。
マキノに抱き上げられ、シーツにくるまれて周りがよく見えないまま廊下を進めば、
「おい、それはリオスだろう?」
と声をかけられる。セシルの声だ。
「だったら何だって言うんですか?」
マキノが言い返す? は?
そこは、そうです、で良くない? なんで好戦的?
「これから医務室に運ぶんです。どいてください」
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へ? 王太子直々に? 俺を運ぶ?? そんな重大な話? 俺、また何か失敗したのかな?
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てか、はやく医務室……。そろそろ目が回ってきたんだけれども。
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