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再びやらかしました
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「大丈夫か?」
震える俺をセシルが心配してくれる。
「大丈夫です。思い出したんです。俺が、セシル様を刺したところまで。ですが、それから先が、また分からなくって」
頭を抱える俺に、セシルは優しい。抱きしめて、
「心配しなくていい。何があったとしても、昔のことだ」
と言ってくれた。
俺が、セシルを刺して、刺したくせに綺麗さっぱり忘れていたのに。
「申し訳ありません。腕に傷が残ってしまって」
俺の謝罪に、セシルが首を横に振る。
「構わない。私が手を出したから悪い」
違う。セシルはそう言ってくれるけれども、俺がメイド長を刺そうとしたから、セシルが止めてくれたんだ。
「あの時、セシル様を刺した後、その後、どうなったかは教えてくれますか?」
思い出せないなら、聞いた方が早い。
だけれども、セシルは首を横に振る。
「自分で思い出さなければならないと医者が言っていたんだ」
覚えていないことで、医者にかかったことがあるんだ。
セシルが知っているということは、あの日、俺が抜けている記憶のどこかで医者の診察を受けたということ?
刺したのは俺で、刺されたのはセシルなのに?
本当、どういうことなんだ。
「ゆっくりでいいんだ。ゆっくり。焦らないでくれ」
セシルに言われて、俺は、コクリと首を縦に振った。
その後は、ほとんど話もせず、気持ちが落ち着いた俺は、そのままセシルの部屋を出た。
セシルのいる部屋から出て、俺は、リンネと寮室に戻る。
寮室で、俺の話をリンネは静かに聞いてくれていた。
「なるほど。刺した相手は、セシル様でしたか。良かったですね。その場で死刑とかにならなくって」
リンネの言葉に思い出す。
そう言えば、王族に危害を加えたら、死罪だった。
良かった。セシルがいい奴で。
メイド長も元気みたいだし、俺が殺人犯コースは、これで可能性は無くなったんじゃない?まあ、セシルの気が変われば、俺が死罪コースの可能性は残っているが。
「しかし、リオスさん。絶好の機会に、どうしてアスナが企んでいる内容をセシル様に話して、シロノさんを正妃にして欲しいとお願いしなかったんですか?」
「あ……」
そうだった。絶好の機会なのに。
あの場の雰囲気なら、きっとセシルは俺の言葉を信じてくれただろうに。
思い出したことで頭がいっぱいだった。
本当、俺、何やっているんだろう。
頭を抱えて膝から崩れ落ちる俺に、
「まあ、リオスさんですから。仕方ありませんね」
と、リンネが申しました。
震える俺をセシルが心配してくれる。
「大丈夫です。思い出したんです。俺が、セシル様を刺したところまで。ですが、それから先が、また分からなくって」
頭を抱える俺に、セシルは優しい。抱きしめて、
「心配しなくていい。何があったとしても、昔のことだ」
と言ってくれた。
俺が、セシルを刺して、刺したくせに綺麗さっぱり忘れていたのに。
「申し訳ありません。腕に傷が残ってしまって」
俺の謝罪に、セシルが首を横に振る。
「構わない。私が手を出したから悪い」
違う。セシルはそう言ってくれるけれども、俺がメイド長を刺そうとしたから、セシルが止めてくれたんだ。
「あの時、セシル様を刺した後、その後、どうなったかは教えてくれますか?」
思い出せないなら、聞いた方が早い。
だけれども、セシルは首を横に振る。
「自分で思い出さなければならないと医者が言っていたんだ」
覚えていないことで、医者にかかったことがあるんだ。
セシルが知っているということは、あの日、俺が抜けている記憶のどこかで医者の診察を受けたということ?
刺したのは俺で、刺されたのはセシルなのに?
本当、どういうことなんだ。
「ゆっくりでいいんだ。ゆっくり。焦らないでくれ」
セシルに言われて、俺は、コクリと首を縦に振った。
その後は、ほとんど話もせず、気持ちが落ち着いた俺は、そのままセシルの部屋を出た。
セシルのいる部屋から出て、俺は、リンネと寮室に戻る。
寮室で、俺の話をリンネは静かに聞いてくれていた。
「なるほど。刺した相手は、セシル様でしたか。良かったですね。その場で死刑とかにならなくって」
リンネの言葉に思い出す。
そう言えば、王族に危害を加えたら、死罪だった。
良かった。セシルがいい奴で。
メイド長も元気みたいだし、俺が殺人犯コースは、これで可能性は無くなったんじゃない?まあ、セシルの気が変われば、俺が死罪コースの可能性は残っているが。
「しかし、リオスさん。絶好の機会に、どうしてアスナが企んでいる内容をセシル様に話して、シロノさんを正妃にして欲しいとお願いしなかったんですか?」
「あ……」
そうだった。絶好の機会なのに。
あの場の雰囲気なら、きっとセシルは俺の言葉を信じてくれただろうに。
思い出したことで頭がいっぱいだった。
本当、俺、何やっているんだろう。
頭を抱えて膝から崩れ落ちる俺に、
「まあ、リオスさんですから。仕方ありませんね」
と、リンネが申しました。
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