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七話 エルフ

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今日は、テオの付き添いである街…『キャンバル』という街へ行くことになった。
キャンバルには、食料やその他諸々買うらしい。それを私は朝食を食べている時に聞いた。

私は外で草の上に座っていると、テオがドアを開ける音が聞こえた。私は、空を見るのをやめてテオの方を見る。

「もう行くの?」

私がテオに尋ねると、テオは靴を履きながら行った。

「もう行くぞ。今から出ないと夕方に帰って来れないからな」

テオはそう言いながらどんどん突き進んでいく。私はテオの後を急いで着いて行こうと慌てて立って追いかける。

「待って~」

そんな声もテオには聞こえていなかった。



数時間歩いただろう。私は、少し足に疲労を感じ始めた。私はテオに聞く。

「転移魔法使わないの?」

そう言うと、テオは少し歩く速度を落としながら言った。

「残念ながら、遠い距離を行くには体力と魔力を使うんじゃが…魔力はあるんじゃが…体力がなぁ」

テオは空を見ながら言った。テオも体力があったら転移魔法で移動したのだろう。私もいつかテオから転移魔法のやり方を教わりオリジナルを作ろうかと思った。

歩いていると、テオが急に止まり私はテオにぶつかりそうになる。

「少し休憩するか」

そう言いながら、倒木の方へ歩いていく。私は着いて行った。やがて、火を起こして何かを焼いていた。私はそれを見ているしかやることがなかった。すると、テオが言う。

「まきでも持ってきてくれんか?」

そう言われて、私は森へ行った。森は薄暗く少し気味が悪かった。そんな中私は地面に落ちている枝を拾う。すると、どこかから木々が揺れる音がする。私は、動物だろうと思いながらテオのいる方へ歩こうとすると…


「キャ!」


私は思わず声を出してしまった。そして、尻餅を着いてお尻が痛かった。誰かが、私を襲った。それは今目の前で起きている。私は、警戒しながら立ち上がる。

すると、目の前から大きな影が近づいてくる。私は身構えて来るものに対して攻撃をする。
私は杖を構えて魔法を打つ準備をする。

そして…目の前にきた。私はその瞬間に魔法を放つ。

火の粉ファイヤー

そう言い対象に当たったと思ったら避けられて当たる。その物体は股を私の顔にぶつけてきた。私は衝撃で倒れてしまう。

「イテテ…」

そう言いながら私は立つと、ぶつかってきた正体は耳が長い少女だった。私はその子に言う。

「君は…?」

そう言うと、彼女は威嚇をして来るのか警戒心が高かった。私は、その子に手を差し伸べるが…

「イタ!」

少女に手を噛まれてしまう。私は回復魔法で治療して再び接触を試みる。少女は変わらずこちらに威嚇をして来る。私はもうお手上げだと思いまきを持ってテオのところへ行こうとしたら…

「エマ、まだか?」

遠くの方から、テオの呼び声が聞こえてきた。私は、急いで帰らないとと思い駆け足でまきを持っていく。

「エマ、遅かったじゃないか」

テオに言われてしまい私は苦笑して誤魔化す。すると、テオが私の裏を見て言う。

「その子は誰じゃ?」

そう言われて、私はテオの視線の先を辿るとさっきの少女がいた。私は驚き少女から離れてしまう。私は言う。

「さっき、そこでまきを拾っていたら急に襲われたのよ」

そう言うと、テオはホッホッホッと笑っていた。テオは言う。

「忘れておったわい。この森は女性入れない神聖な場所だった」

それを聞いて今にでもテオを殴り飛ばしたかったが…師匠なので私は怒りを抑えた。テオに聞く。

「この子は誰かわかる?」

そう聞くと、テオは頭を掻きながら言う。

「そうじゃな、エルフってことはわかるな」

そう言いながら、テオは少女の耳を触ろうとしていたが少女は私のももの裏へ隠れてしまった。私は言う。

「テオ、そんな女性へ軽率に触ってはいけません」

そう言うと、テオは照れながら頭を掻いていた。テオは言う。

「お主、エルフに好かれておるな」

そう言われて私は、エルフの方へ見る。すると…

「もう、普通の姿に戻っていいですか?」

誰かに聞いて少女は立派な女性へと変わった。私はびっくりして身動きが取れない。私は言う。

「あなた、何歳よ?」

「あら、レディに年齢を聞くのはダメよ。今回は特別に…120歳よ」

そう言われたが、見た目が若すぎて120歳にはとても見えない。私は尋ねる。

「あなた、名前はなんて言うの?」

すると、エルフは髪をまとめながら言った。

「私の名前はアズサよ」

「私はエマ」

そう言い私たちは握手をした。すると、テオが言う。

「アズサさんよ、魔法を見せてほしいな」

そう言うと、アズサは少し考えて言う。

「いいけど…どうしてかしら」

そう言うと、テオは言う。

「なんだか、エルフって魔法が強いって聞いたことがありまして」

テオは照れながら言った。すると、アズサは手を広げて言う。

「地の神よ。この私に力を貸してくださいませ」

そう言うと、地面が浮き出てきてそれが硬化して岩となって私たちの周りを囲った。それを見たテオが言う。

「なんと素晴らしい…」

そう言いながらテオは拍手した。私はそれを見て言う。

「すごいわね…」

私は、それ以上の言葉が出なかった。私は、岩の壁の外へ出て…

アズサの真似してみた。手を広げて…

「はぁーーー!」

その掛け声ともに地面がえぐれて土が固まり壁ができるかと思ったらストーンができた。三角形状の岩が下向きになり地面に叩きつける。アズサとテオも出てきて見る。すると、アズサが言う。

「何よこれ…どうやってるの?」

そう言いながら私の肩をポンッと叩いた。私は言う。

「アズサの真似をしただけだけど…」

そう言うと、アズサは言葉を失っていた。すると、テオが言う。

「そろそろ、出発しますか…」

そう言いテオは歩き出す。私も歩き出そうとすると、アズサが言う。

「どこへいくの?」

「キャンバルへ」

そう言うと、彼女は寂しそうな感情を目に表して言う。

「行っちゃうのね…」

「あなたもいく?」

そう言うと、彼女は嬉しそうな表情をしたが…

「エルフって差別されるから…いけないわ…」

そう言い森へ帰ろうとする。私は着ていたフード付きのコートを渡す。アズサは言う。

「何よ?」

「これをきて一緒に行こう」

そう言うと、アズサは嬉しそうにコートをきて私の隣まで駆け寄って来るのだった。
私は、キャンバルという街がどんな街か楽しみだった。そして、私に仲間ができた気がしたのだった。
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