[完結]回復魔法しか使えない私が勇者パーティを追放されたが他の魔法を覚えたら最強魔法使いになりました

mikadozero

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一章

二十四話 領主

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私たちは、ベンチに座っている青年の隣に座った。青年は俯いたまま何も言わない。私は、青年の背中を摩りながら言った。

「青年…君の名前はなんだ?」

「…」

「答えたくないなら、いいがこの後の質問の答えによっては君を警察に連れて行く」

青年は、警察という言葉を聞いて少し肩がビクッとしていた。青年は、周りを見渡していた。そんなに、周りには言えないことなのか…と思いながら青年を見つめる。

「すみません…」

青年は、小さく呟いたのだった。私は、この青年もやるたくはなかったのだろう。誰かに指示されてやらされた可能性が高いと青年の声を聞いて感じた。

「君は、なぜこんなことをしたんだ?」

黙っていたアズサも言う。青年は、アズサの方を一度見て俯いて言う。

「すみません…」

「すみませんって言って許されるならみんなしてるわよ」

アズサは、腕を組みながら言った。アズサをチラッと見て青年は俯いたが遠くの家を眺めているのかボーッと遠くを見つめていた。急に青年はどうしたのだろうか。と私は思った。

「これは…りょ…」

「りょ?」

私は思わず聞き返してしまった。青年は周りの目を見ながら言う。

「これは、領主様の命令でやったことです」

「…」

私は、青年が打ち明けてくれたと思ったが内容があまりにも酷い。私は黙り込んでしまった。アズサの方を見ると、アズサも俯いて黙っていた。それを、見た青年がポツリとポツリと語り始める。

「これは…僕が…と言うかこの街が活気がありみんなで切磋琢磨して生きていたんです…けれども…領主…様が変わってからこの街は変わったのです」

青年は、一息置いて続けて言う。

「領主様が変わってから、この街は規制に規制をかけられて自由がほとんどなくなりました。昔は、そこら中に屋台などがありましたが、領主様が認める屋台しか今は出ていません。昔の屋台を思い出すとすごく思い出深いです」

青年は語ってベンチを立つ。私たちは、青年を見ていた。

「僕は…こんな体だから…周りからは大人扱いされない…」

青年の言う通り、私たちは青年だと思ったが普通の人が見たいら少年と勘違いされてもおかしくはない。そんなことを考えていると、青年は少しずつ歩きながら言った。

「僕は…こんな見た目だから…お金は手に入らない…他にも同じ人がたくさんいる。だから、この街では窃盗が多いんです」

青年は突然この窃盗の理由を話し始めた。私たちは、ベンチを立って少年を追いながら聞く。

「窃盗まではいいんです…物を盗んで…誰かに見られたら殺す…それが最近の窃盗たちでの流行りです…」

「流行って何よ!」

私は思わず言ってしまった。青年の前に立って怒りをぶつける。

「聞いてて思ってたけど…あんたはその体だからって理由にしてるけど…実際はあんたの行動力が足りないだけでしょ!」

「それは…」

「それで…考えて生きる術を考えるのはいいのよ…だけど、見られたら殺すとかお前は人の心があるの!?」

私は青年の胸に指を突きつけながら言った。アズサは私の突きつけた指を優しく取り青年に一発ビンタを入れた。

アズサの無言の行為は怖かった。

「あなたは…周りにしがみついて生きていくしかないんですね…そんな人は警察に行ってください…」

アズサは俯きながら言った。私は、アズサのこんな表情は初めて見た。
青年は、頰を抑えながら言った。

「そんなことしなくても…」

「さぁお金は返してもらうわよ!」

アズサは手を出しながら言った。すると、青年はそっぽ向いていた。私は、なんだか怪しいなと思い青年を問い詰める。

「あんた…持ってないの?」

青年は何も言わずにどこかを見ていた。私は、青年の肩を揺らしながら言った。

「持ってないなら持ってないと言いなさい!持ってるなら出す!」

私が強く言うと、青年はしょんぼりとした顔で言う。

「持ってないです…」

「はぁ…?」

私は、思わず声に出てしまうのだった。

「私たちの金は?」

聞くと、少年は空を見ながら言った。

「領主様の懐かな」

私は、青年に対してイラついた。私は、青年から急足で離れた。もう、あんな青年の顔など見たくない。

すると、それを追ってきたアズサが息切れをしながら言った。

「あんた…どこに行くの?」

「領主のところだけど…?」

「バカじゃないの?そんな急に行っても入れてくれるわけないじゃん」

私は、冷静に考えてアズサの言う通りだと思った。だが、私は領主の家まで行った。すると、豪華な家だった。

家の門番に止められる。

「あなたたちは誰ですか?」

「私たちは、冒険者です」

「冒険者が何の用だ?」

門番は槍を向けながら言った。私は、その理由を考えていなかった。すると、アズサが横から言う。

「領主様に是非提案をしたいものがありまして…」

アズサが言うと門番はすんなり通してくれた。こんな警備で大丈夫なのかと思った。
中に入ると中央の大きな階段があった。階段を見ていると上に誰かがいる。

「何か用かな?」

体型がよく…太っていた。なんだか、想像していた領主と一致した。降りてきて大きさがわかる。太っていて…無理やりスーツを着ている感じ…そして足取りが重そう。階段を降りてくる時も階段の幅が小さいんじゃないかと思うほど太ももに肉がついていた。そんな体でよく動けるなと思いながら見る。

「私たちは、あなたの取られたお金を取り戻そうときたんです!」

そう言うと、領主は髭を触りながら言う。

「なんのことかな…知らないなぁお金?金がないの?」

領主は、近づきながら言ってきた。私は一歩下がって言う。

「お金は…今はありません…あなたが返してくれれば…いいのです…」

そう言うと、領主は悪い顔つきをして言う。

「返してもらいたければ…」

そう言いながら、私のお腹を触ってきた。私は思わず手を払ってしまう。

「返してもらいたければ…その豊満なボディーで奉仕してもらえれば…返すよ…」

私は聞いてなんと条件が不利なことを言ってきたなと思った。私は聞く。

「あなたの名前は?」

「おっと…自己紹介が遅れました…私…ダディと言います。以後お見知りおきを」

そう言いながらダディは一礼した。そして…

「触らないで!」

流れるように、私の胸をむにゅと触ってきた。私はまたしても手を振り払ってしまう。そして…

「セクハラジジィ死ねぇー!」

そう言いながら、アズサはあのダディの巨体を蹴り飛ばした。

「何してるの!?」

「逃げるよ」

私は、アズサに引かれるがまま逃げた。これは、ダディにマークされただろうなと思った。そして、あの最低最悪な領主ダディは…欲望深いなと思った。

「ここまでくれば…」

私たちが、逃げた先では見てはいけない場所であったのだった。
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