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王家編

12 レミのお母さん

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私は、疲れてベットで寝ていた。
自分の最後の記憶は、師匠とレミが楽しそうにお話をしているところで私の記憶は止まっていた。
その後、私が何をしたかはわからなかった。

天井をボーッと見つめていると、ドアが開いてレミが入ってきた。
レミは紅茶を持ってきて私のベットのそばにある小さな机に置いた。

私は体を起こしてレミの持ってきた紅茶を一口飲む。
紅茶は、頻繁に飲むとなんだかおいしくないが間隔を開けて飲むと美味しく感じる。
私は、紅茶のティーカップを机に置いてレミの方を見て言った。

「レミ、今何時?」

「ただいまの時間は、午後5時でございます」

「午後5時か…私いつから寝ていた?」

「そうですね…大体午後1時くらいからでしょうか。あなたの師匠と私が話すている間にシズク様はいつのまにか私に寄りかかり眠っていたましたので…ベットまでお連れしました」

「それは、すまなかった。」

「いえ、私の勤めですので…」

レミは言いながら、減った紅茶をティーカップに注いでいた。
私は注いでいるレミを見ながら言った。

「あなたのお母さんはどんな人だったの?」

レミに聞くとレミは黙り込んだ。紅茶を注ぐのをやめて静かに地面を見ていた。
私はもしかして聞いてはいけないことを聞いてしまったのか…と思いながらレミの方を見ると、レミは顔を上げて言った。

「私のお母さんは、気が強くて正義を大事にした人でした。周りの人にすぐ好かれて、仲良くなる。そんな母親を見て私は育ちました。ある日までは…」

「ある日?」

私は思わず聞き返してしまった。

「ある日というのは…お母さんが私を街に置いて出て行ったことです」

「はぁ!?それはどうゆうことなの!?」

「シズク様、そんなに怒らないで聞いてください。人の話は最後まで聞くのがルールですよ?」

レミがあざとくいうので私は静かにしてレミの方を見た。レミはしばらくして話し始めた。

「私のお母さんは…勇者だったんです」

「……」

「勇者だと判明したのは教会に行った時です。教会で私の安全を祈っている時、お母さんの体が光ったんです。その光を見て私は何が起きたかわからなかったのですが…牧師の人が言ったのです。『あなたは神に選ばれし勇者だ‼︎』とそれを聞いてお母さんは現実が受け止められないみたいでボーッとした顔が今でも思い出せます」

レミは窓付近に移動して再び話始めた。

「お母さんは、色々な所を旅したんです。勇者としての勤めを果たすために。その時は、私はお母さんに『終わったら会いにくるからね』笑顔で頭を撫でられながら言われたんですが…私はことの重大さにまだ気づかなかったんです。私を居酒屋に任せて…」

窓の反射でレミの瞳から涙が出ていることが確認できた。
私はソッとレミの背後に行き背中を摩った。部屋には涙の水滴が落ちる音が響き渡る。

「それっきり、お母さんは帰って…きませんでした…」

レミは涙を拭って言った。

「お母さんが亡くなったと知ったのは私が大人になった時でした」

「誰から…知らされたの?」

私は興味本位で聞いてみたが、聞いてはいけなかったかもしれないと少し後悔した。

「あなたの師匠ですよ…」

「あっ…」

私は素っ頓狂な声で相槌を打ってしまった。少し気まずい空気が部屋に漂うとレミは私の方を向いて言った。

「前に聞かれた際に、本当のことを言えなくてすみません…」

レミは言いながら頭を下げた。私は彼女の顔を上げて涙を拭ってあげて言った

「そんなことを言うなって…これは私が聞いたのが悪い。聞かなかったらお前の可愛い顔がこんなことにはならなかったでしょ?」

私は、レミの顔を見ながら言った。すると、レミは少し顔を赤らめてから言った。

「そんなことを言っても…何も出ませんよ…」

これは…なんだろうと考えていると、ドアが開き誰だろうと思ってドアの方を見ると…

「師匠!?」

私は思わず声に出して言ってしまった。師匠は、私の方を笑顔で見ながらピースした。
私は師匠の方を見て言った。

「師匠…女子の部屋に入ってくるなんて…いい度胸してるんじゃないんですか?」

私は強く手のひらを握り、握り拳を作って師匠を威嚇した。

「それはすまんかったな、ちょっと用事があって入っただけだが?」

師匠は、微笑んだ顔をやめて真剣な顔をつきで言った。

「この城に…膨大な魔力を感じる」

私は言われて、呆れそうになったが探知魔法で周囲の魔力量を見た。すると、確かにどこかに魔力が多いものがいることが感じられる。

「それがどうかしたの?」

「いや、この魔力量は異常だ」

師匠とこんな会話をしていると、レミが割り込んでくるように言った。

「あの、私心当たりあるかもです」

その言葉を聞いて私と師匠はレミの方に詰め寄ったのだった。
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