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6話 女子寮
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春風のせいか、体には砂埃が少し残っている。また、歩いたから、足は少し汚れていて、汗もかいたようだ。まずは、温かいお湯に浸かって、くつろいで考えることにしよう。
いくら考えても、前に進めないし、答えは出ないんだからって、自分を元気づけた。そして、大きな湯船にゆっくり浸かっている自分を思い浮かべ、なんか、早くお風呂に行きたくなった。
でも、昨日は時間も早かったし、まだ始業式まで時間があるからか、誰とも会わなかったけど、今日はもう17時だし、誰かと会っちゃうかもしれない。なんか、女性がいるお風呂に入るなんて、すごく悪いことじゃないかと心配になる気持ちもあった。
共同浴場に行くと、更衣所に1人の着替えがあって、1人は入っている。悲鳴を上げられるとか、大丈夫だろうか。いや、俺も女性の体だから、そんなことはないはず。むしろ、この体で、男風呂に入る方が大騒動になる。俺は、おそるおそるお風呂に入っていった。
最初は、湯気でよく見えなかったが、先に入っている人が湯船に浸かっているのが見えた。俺は、おじゃましますと小さな声をかけて、浴場に入って、背中を向けて、まず体を洗うことにした。
なんか、バストを洗うって違和感がある。普通は、どこから洗うのだろうか。髪かな。また、下半身も、何もなくて、洗ってて変。
しばらくは、髪の毛とか洗っていたが、湯船に浸かっている女性は暑くなったのか、湯船から上がってきて、気づいたら俺の横に座っていた。こんな広いお風呂なのに、どうして、ここだけ人口密度を高くするんだ? 俺を疑ってる?
俺は、ドギマギしてチラッと横をみると、胸も大きくて、スタイルも良く、あまりの姿に正面から見ることができない。
女性を裸で見るなんて初めてだ。昨日、自分の体を見たが、それとは全く違う。でも、横にいる女性は、全く動じることなく、私を笑顔で見ている。いや、覗き込んでるという感じだ。
そりゃ、女性どうしなんだから、当たり前とは思うが、覗き込むのはおかしいだろうって、そう簡単には納得できない自分がいる。
ただ、昔なら下半身が抑えられない状態だとは思うが、そういうことはなかった。そうは言っても、心臓の鼓動がすごい状態で困った。そして、その女性は、なんにもないように、自然に俺に話しかけてきた。
「私、今年入る1年生ですけど、先輩ですか? 同じ1年生ですか?」
「1年生です。」
「やっぱり、そうなんだ。初々しいものね。よろしく。いつこの寮に入ったの?」
「2日前。」
「私も~。広尾って、おしゃれなお店とかいっぱいあるから楽しみだよね~。でも、緊張しているの? それとも人見知り?」
「それほどでもないですけど。なんか、初めてで。」
「あ~そうなんだ。温泉とか銭湯とか来たことないのね。だから恥ずかしいんだ。でも、そんなにジロジロ見てると、変わってるって思われちゃうよ。あ、ところで、ここって、ムダ毛剃っていいんだよね? 昨日は人がいなかったから剃っちゃったけど、どうなのかな? 知っている?」
「よくわかりません。」
「敬語じゃなくていいよ。そうだよね。共同風呂初めてじゃ、わからないっか。まあ、他で剃れないし、剃っちゃうしかないね。」
俺が見てるなんて全く気にせず、剃り始めたけど、足とか、脇だけじゃなくて、あそこも剃りはじめた。びっくりして見てると、あそこ、つるつるで毛がないじゃないか。
「そんなに見ないでって、言ったじゃない。あ、そうか、あなたパイパンじゃなくて毛がもじゃもじゃだもんね。ごめん、悪気はなくて、言い方間違えた。毛がない方が清潔だし、結構、そういう人って多いんじゃないかな。それが気になったのね。私は、剃ることを薦めるわ。」
「そうなんですね。今度、やってみます。」
「剃ると、最初の頃は毛が生えてきて、ちくちく痛いから、脱毛とかの方がいいかもよ。」
「アドバイス、ありがとう。」
「かわいい声なんだから、もっと話した方がいいよ。また、今度、レストランとか一緒にいこうね。」
なんか、初めて聞くことばかりだった。しかも、毛がないと、あんな風になっているなんて知らなかった。なんか、もっと素敵な感じかと思っていたけど、ただ、割れ目があるだけだとは思わなかったんだ。
でも、なんか、1人、友達ができたみたいだし、近いうちに誘ってみよう。女性って、なんか、みんな仲良さげだし、いつも、みんなで楽しそうに話してる。そんなフワっていう関係も、いいかもしれない。
女性って、みんな仲良しなんだろうな。笑顔で包み込んでくれるっていうか、みんな優しくて温かいんだと思う。俺も、そんな中に入りたい。
俺も、女性として、これからずっと過ごすんだったら、そんな楽しい輪に入って、充実した生活をしたい。いや、これからも女性として楽しく過ごせるんじゃないか。将来のことはわからないけど、別に男性に抱かれるとか、嫌なことはしなければいいだけだし。
でも、今日、会った、あの女性の裸にはドキドキした。こんな毎日が、これから待ってるんだ。それは楽しみだ。あの女性がお風呂を出ていくときに、ずっと、目で追ってしまった。素敵なスタイルだなって。
自分の体も女性だけど、なんか、自分の体にはドキドキしない。どうしてだろう。なんか、ずっと一緒だから普通だなんて思うのかもしれないな。このバストも、ずっとついているだけだし。
お風呂から上がったが、思いの外、髪を乾かすのは面倒だった。でも、前髪は長めだけど、後ろ髪はあまりないっていうのは面白い。女性の髪ってあまり見たことなかったけど、これなら、夏でもそんなに暑くなさそうだ。
でも、乾いたら、櫛でとぐぐらいでいいのかな。ウェーブとかかかってなかったようだったから、それでいいような気もする。でも、そういえば、なんか挟む棒みたいな電化製品がクローゼットにあった。あれで、髪を巻くのかもしれない。部屋に帰って調べてみよう。
なんか、気持ちがポジティブになってきた。今夜は、女言葉を勉強することにしよう。どんな人が見ているのか、よく分からないが、YouTubeを見ると、女らしい抑揚とかいっぱい出ている。今夜も深夜まで取り組んだ。
いくら考えても、前に進めないし、答えは出ないんだからって、自分を元気づけた。そして、大きな湯船にゆっくり浸かっている自分を思い浮かべ、なんか、早くお風呂に行きたくなった。
でも、昨日は時間も早かったし、まだ始業式まで時間があるからか、誰とも会わなかったけど、今日はもう17時だし、誰かと会っちゃうかもしれない。なんか、女性がいるお風呂に入るなんて、すごく悪いことじゃないかと心配になる気持ちもあった。
共同浴場に行くと、更衣所に1人の着替えがあって、1人は入っている。悲鳴を上げられるとか、大丈夫だろうか。いや、俺も女性の体だから、そんなことはないはず。むしろ、この体で、男風呂に入る方が大騒動になる。俺は、おそるおそるお風呂に入っていった。
最初は、湯気でよく見えなかったが、先に入っている人が湯船に浸かっているのが見えた。俺は、おじゃましますと小さな声をかけて、浴場に入って、背中を向けて、まず体を洗うことにした。
なんか、バストを洗うって違和感がある。普通は、どこから洗うのだろうか。髪かな。また、下半身も、何もなくて、洗ってて変。
しばらくは、髪の毛とか洗っていたが、湯船に浸かっている女性は暑くなったのか、湯船から上がってきて、気づいたら俺の横に座っていた。こんな広いお風呂なのに、どうして、ここだけ人口密度を高くするんだ? 俺を疑ってる?
俺は、ドギマギしてチラッと横をみると、胸も大きくて、スタイルも良く、あまりの姿に正面から見ることができない。
女性を裸で見るなんて初めてだ。昨日、自分の体を見たが、それとは全く違う。でも、横にいる女性は、全く動じることなく、私を笑顔で見ている。いや、覗き込んでるという感じだ。
そりゃ、女性どうしなんだから、当たり前とは思うが、覗き込むのはおかしいだろうって、そう簡単には納得できない自分がいる。
ただ、昔なら下半身が抑えられない状態だとは思うが、そういうことはなかった。そうは言っても、心臓の鼓動がすごい状態で困った。そして、その女性は、なんにもないように、自然に俺に話しかけてきた。
「私、今年入る1年生ですけど、先輩ですか? 同じ1年生ですか?」
「1年生です。」
「やっぱり、そうなんだ。初々しいものね。よろしく。いつこの寮に入ったの?」
「2日前。」
「私も~。広尾って、おしゃれなお店とかいっぱいあるから楽しみだよね~。でも、緊張しているの? それとも人見知り?」
「それほどでもないですけど。なんか、初めてで。」
「あ~そうなんだ。温泉とか銭湯とか来たことないのね。だから恥ずかしいんだ。でも、そんなにジロジロ見てると、変わってるって思われちゃうよ。あ、ところで、ここって、ムダ毛剃っていいんだよね? 昨日は人がいなかったから剃っちゃったけど、どうなのかな? 知っている?」
「よくわかりません。」
「敬語じゃなくていいよ。そうだよね。共同風呂初めてじゃ、わからないっか。まあ、他で剃れないし、剃っちゃうしかないね。」
俺が見てるなんて全く気にせず、剃り始めたけど、足とか、脇だけじゃなくて、あそこも剃りはじめた。びっくりして見てると、あそこ、つるつるで毛がないじゃないか。
「そんなに見ないでって、言ったじゃない。あ、そうか、あなたパイパンじゃなくて毛がもじゃもじゃだもんね。ごめん、悪気はなくて、言い方間違えた。毛がない方が清潔だし、結構、そういう人って多いんじゃないかな。それが気になったのね。私は、剃ることを薦めるわ。」
「そうなんですね。今度、やってみます。」
「剃ると、最初の頃は毛が生えてきて、ちくちく痛いから、脱毛とかの方がいいかもよ。」
「アドバイス、ありがとう。」
「かわいい声なんだから、もっと話した方がいいよ。また、今度、レストランとか一緒にいこうね。」
なんか、初めて聞くことばかりだった。しかも、毛がないと、あんな風になっているなんて知らなかった。なんか、もっと素敵な感じかと思っていたけど、ただ、割れ目があるだけだとは思わなかったんだ。
でも、なんか、1人、友達ができたみたいだし、近いうちに誘ってみよう。女性って、なんか、みんな仲良さげだし、いつも、みんなで楽しそうに話してる。そんなフワっていう関係も、いいかもしれない。
女性って、みんな仲良しなんだろうな。笑顔で包み込んでくれるっていうか、みんな優しくて温かいんだと思う。俺も、そんな中に入りたい。
俺も、女性として、これからずっと過ごすんだったら、そんな楽しい輪に入って、充実した生活をしたい。いや、これからも女性として楽しく過ごせるんじゃないか。将来のことはわからないけど、別に男性に抱かれるとか、嫌なことはしなければいいだけだし。
でも、今日、会った、あの女性の裸にはドキドキした。こんな毎日が、これから待ってるんだ。それは楽しみだ。あの女性がお風呂を出ていくときに、ずっと、目で追ってしまった。素敵なスタイルだなって。
自分の体も女性だけど、なんか、自分の体にはドキドキしない。どうしてだろう。なんか、ずっと一緒だから普通だなんて思うのかもしれないな。このバストも、ずっとついているだけだし。
お風呂から上がったが、思いの外、髪を乾かすのは面倒だった。でも、前髪は長めだけど、後ろ髪はあまりないっていうのは面白い。女性の髪ってあまり見たことなかったけど、これなら、夏でもそんなに暑くなさそうだ。
でも、乾いたら、櫛でとぐぐらいでいいのかな。ウェーブとかかかってなかったようだったから、それでいいような気もする。でも、そういえば、なんか挟む棒みたいな電化製品がクローゼットにあった。あれで、髪を巻くのかもしれない。部屋に帰って調べてみよう。
なんか、気持ちがポジティブになってきた。今夜は、女言葉を勉強することにしよう。どんな人が見ているのか、よく分からないが、YouTubeを見ると、女らしい抑揚とかいっぱい出ている。今夜も深夜まで取り組んだ。
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