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第4話
しおりを挟む4 俺の置かれた状況とは?
心読!!
身体にググっと負荷がかかった。
例えるなら、50メートルを小走りで走り切った後の疲労感。息の上がり。
確かに、これを連続で何回も使用するとなるとかなりの負担になりそうだ。
さて、スキルの効果は??
対象相手に選んだのは、目の前に座る無精髭を生やした小太りな男。
(たまんねーーな!!)
俺の頭の中にダイレクトで聞こえて来たのは、目の前の男の思考。
俺に対して思っている事?
たまらない?何がだ?
とりあえずは、先程この男にされた質問に答えておく事にする。
「ニホンという国はご存じですか?俺はそこから来たんです」
「ニホン?聞いた事ねぇーな」
「お前らあるか?」
他の男達も聞いた事が無いと首を傾げる。
と同時に、目の前の男、仮にA男と名付けよう。A男の心の声が、俺の頭の中には響いていた。
(しかし、たまらねーな。可愛い声出しやがって。ニホン?ニホンなんて国聞いた事ねぇーよ)
(そんな事より今回の依頼は大当たりだぜ)
(へへへ…)
(でけーー乳だなぁ)
(へへへ…)
乳??
俺は気付いた。
ユサユサと揺れる自分の胸に……
あっ!!そうか……
俺は、俺の性別は女性じゃないか。
(へへへ…)
(もうすぐ北の森に着く、そしたら馬車も御者も街に戻るだろう)
(そしたら後は俺等3人で取り囲めば…)
(へへへ…)
(回してやる!!)
!!!!ッ
まじかッ
冗談じゃ無い。俺は男だぞ!!
とは思ったものの、
確かに白いチュリックの上着には、女性のシンボルとも言える胸の膨らみがあった。
更に言えば、下着を付けている感覚が無い。
ああ……やっぱりとチュニックの上着には、乳首の突起がポチポチと確認出来た。
これじゃあ襲ってくれと言わんばかりの格好だ。
男達がジロジロとコチラに視線を注ぐのも無理は無い。
だが、ここで我に返って胸を隠して恥じらうのもおかしい。
元々俺は男なのだから、ここは悠然と見せつけてやってもいいか。
それより女性である事を活かしてコイツらから何か聞き出せないだろうか?
「1つ教えてくれませんか?」
「おお?!なんだい姉ちゃん」
「俺達あっいや、私達は北の森に何をしに?」
「ああ?なんだい?」
「姉ちゃんは、ギルドの討伐依頼を受けたんじゃねぇーのかい?」
A男の心の声は聞こえない。
聞こえて来たのはドスの効いたA男の地声。
どうやら心読の効果時間が切れたようだ。
心読を今一度使おうか?と
迷ったが、止める事にした。
魔力には限りがある、ここでコイツらの心を読んでも、どうせ卑猥な事しか考えていないだろう。
使うだけ無駄だ。
それに、
向こうがコチラに好意?と言うべきかはわからないが、敵意を持っている感じには思えない。
それを逆手に取れば色々と情報を聞き出せるかもしれない。
なら、
「そうなんですよぉ~、私ちょっと抜けてて、依頼とか受けてなくて…」
「じゃあ何で…?
この馬車はギルドが出した乗り合い馬車だ。何で乗ってんだ?」
そう言って会話に入り込んで来たのは、右斜前に座っている痩せ型の男。
頬骨がえらく飛び出ていて気持ちが悪い。
コイツをB男と呼ぶ事にするか。
「乗り合い馬車?」
「ギルドの……」
「なんだ?なんだ?そんな事も知らずに」
B男はもたれかかっていた荷台からコチラに向かって前屈みになると、今、自分達が置かれている状況を、詳しくは無いがざっくりと教えてくれた。
B男の話をまとめるとこんな感じだ。
1、自分達はアガルタの街の冒険者だと言う事。
2、最近、アガルタの街から北側に伸びる街道で、行商人がゴブリン達に襲われる事件が多発しているという事。
3、事態を重く見たアガルタのギルドは、ゴブリン達の討伐依頼を冒険者達に通達したという事。
4、自分達はその依頼を受けて、アガルタの街からギルドが手配した乗り合い馬車で北の街道を進んでいるという事。
5、そしてもうすぐ、行商人が良く襲われるという北の森の街道に到着するという事だった。
なるほど……と俺が思っていると、
御者が声をあげた。
「見えて来たぞ北の森だ」
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