TS転生〜社会不適合者の俺が金髪猫耳美女に転生〜ラブラブでエチエチな異世界ライフを手に入れる迄

狼少年

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第23話

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 23      鳥肌=脇汗

 繁緑の木々達が揺れている。
 小麦畑が広がっている。
 綿花畑が白い花を付けて、風に吹かれて飛んでった。

 季節は夏から秋へと移り変わりつつある。
 
 散歩をするのには丁度いい季節。
 それに今日は快晴で、雲一つ無い。
 空は綺麗なまでに果てし無く青で、自由を勝ち取ったアホ鳥達は、高層ビル群に遮られる事無く、勝手気ままに呑気なもんで「カァーカァー」「カァーカァー」泣きながら飛んでった。


 私達は徒歩で北の森を目指す。

   今日の今日とて、昨日の今日とて、すったもんだも相まって、ギルドの乗り合い馬車は出なかった。
 命の危険を承知の上で、『馬車を運転してやってもいい』なんて乗り手はいない。
 皆、命は欲しいに決まっているのだから。

 道中はそれなりに会話も弾んだ。
 一方的にだが。

 「ねぇねぇ。ケミロウちゃんってさ、歳はいくつなの?」
    「へぇ~20歳!若いねぇ~~で、で、何処出身?何処生まれ?」
    「日本?」
    「何処それ?聞いた事無いよ?」
 「何があるの?」
     「大仏?何それ?」
    「へぇーー勇者の銅像みたいなもんだね」
    「ほんじゃあ、ケミロウちゃんは旅の資金を貯める為に冒険者になったって事?」
 「大仏お↑れ↓も見てみたいなぁ~
 ケミロウちゃんと一緒に旅する事にするかなぁ~お↑れ↓。な~んつってぇ!
 けど、案外まぢ。どうかな?」

 猫背の弓使いリトルジュリーが、マシンガンのように質問をぶつけてきて、
   
 「アハハ……」私は愛想笑い。
 
 「おい!リトジュリ!質問ばっかしてケミロウさんが困ってるだろ!それに、無理なお願いをするもんじゃ無い!」

 「これは手厳しいすっねぇ。ガストンの旦那。でも、お↑れ↓はマジっすよ!」

 「ハハハハハッ」←(ミューレの笑い声)
     
     「何笑ってんだよ?ミューレ」

 「いえいえ、ちょっと滑稽に見えてね」

    「滑稽?!何が?」

 「何がと聞かれてもねぇ…ハハッ」
    「そんな事よりケミロウ氏。チャラ男の戯言より、その美しい金髪について僕と話さないかい?」

 「ちょっと待て、待て」とリトルジュリー。

    「お↑れ↓がケミロウちゃんと話してたんだぞ!割って入って来るのはルール違反だぞ。順番守れキザ男」
 

 言い合うは、リトルジュリーと、槍使いのミューレ。

 そんな2人の醜い言い争いを、横目で見るは、『男爵』事"ルーメン"だ。

 「やれやれ」と、横目で見るも、私の胸をチラチラ、チラチラ見て来て視線が痛い。
 ムッツリイケメン爆誕の瞬間だ。

 
 やれやれ……逆に、ニコリと微笑んで、口パクで「エッチ」

 ルーメンはポリポリと鼻を掻いて、視線を地面へと落とした。

 ちなみに、ミランダとジライヤは私達(私と私に群がる男4人)の前方10m程前を歩いていて、コチラの様子は伺いつつも、ほぼ無視の状態である。

 そんなミランダとジライヤが、ふと足を止めた。
 北の森までは、残り一刻ほどの距離はある。
 

 前方に不審な奴……なんだあれは?

 2人はそう思った。
 

 『ピコン』

 『転生者の接近を感知しました』

 『ピコン』

    『敵意を感知しました』

 私の頭に響いたのは、『ピコン』という警告音だ。

 『ピコン』

   『転生者が接近しています』

 鳴り止まない警告音と、管理者セナの警告にも似た声。

    な!!転生者だって!?

 
 歩みを止めたミランダとジライヤの前方約50m。

 そしてそれは、ゆっくりとだが、確実に私の視界に入って来た。

 
 銀髪の長い髪。
 輪っかのピアスを散りばめた黒いジャケット。
 右腕は無く、包帯をグルグル巻きにしたギブスのような物を肩からぶら下げ、左腕には右腕の骨を模った杖を持っている。

 そして、極め付けが……

 口角が異常な迄に上がった、不気味な真っ白な仮面を着けていた。

 そんな異様な風貌の得体の知れない男が、こっちこっちと私に向かって手招きをしながら近付いて来る。

 転生者?
 転生者だって?
 おい。おい。まじか……

 管理者セナ!
 聞こえるか?
 おーーーい!?

 心中で管理者を呼び出してみるも反応は無い。

 「チッ」一方的に話しかけてくるだけかよ!?などと思考を巡らせている内に、喉の奥は一瞬で渇き、プツプツの鳥肌が立ち、脇汗が身体をつたって、服の中に仕舞い込んだ尻尾の毛は、綺麗に逆立っているだろう。


 私はゴクリと生唾を飲んだ。

 
 
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