28 / 29
外伝 閑話3
しおりを挟む
閑話3 昔、昔の話をしよう
エルフ族には、エルフ族しか扱わないエルフ語という言語がある。
トラル王国の最東端にある東方地区は、エルフ達の楽園であり、唯一エルフ独自の地方自治が認められている地区であった。
勿論、その中に炭鉱村は含まれていて、炭鉱村の公用語はエルフ語である。
エルフ達の生涯は長い。
人の数倍は生きる。
彼等彼女等はその長い生の中で、人の言葉を勉強し話せるようになる者も多いが、まだ5歳のジライヤは人の言葉を理解する事は出来なかった。
トオル・カザミヤ。
長髪の黒髪を後ろ頭で結って、彼は今日も『カンッ!カンッ!』と魔鉱石を叩く。
彼はジライヤに人の言葉を教えた。
と、同時にここでは無い何処か。
そう、何処か遠くの国の話を彼女に聞かせた。
その国では、鉄の塊が走り、箱の中に人が住んでいるという。
そんな魔法みたいな世界って本当にあるの?
小さな小さなジライヤは、トオルの話に目を輝かせ真剣に彼の話を聞いていた。
昔、昔の話しだ。
中でもジライヤが一番興味を持った話は、お菓子という食べ物の話。
チョコレート。
生クリーム。
ケーキに、モンブラン。
蜜のように甘い飴。
サクサク食感のカリントウ。ポテトチップスなどのスナック菓子。
その他にも、駄菓子、綿菓子、和菓子に、洋菓子。
トオルの話す絵空事のような世界に、ジライヤの幼心はくすぐられたのだ。
「ねぇ!トオル今日も日本の話をして!」
今日もジライヤは、トオルの工房へと足を運ぶ。
今日も、明日も、明後日も。
平和な日々が続くと思っていた。
一方、トオルは貧しかった炭鉱村に富をもたらした。
『カンッ!』『カンッ!』と今日も彼の工房には魔鉱石を叩く音が響いている。
トオルが扱うのは純度の高い魔鉱石だ。
魔鉱石には純度があり、純度の高い物程加工が難しく高く売れる。
特に魔素濃度90%を超える物を"純魔石"と呼び一流の鍛治職人達でも、その加工は難しく手を焼く程。
そんな中トオルは簡単にそれをやってのけた。
トオルは語る
「石達の声が聞こえるから、それに応えてるだけだよ」
レジェンドスキル【錬金術】
純魔石を扱った一級の装備品は、白磁のような輝きを放ち、高値で取り引きされた。そんな一級の装備品達の噂は瞬く間に広がって行った。
「おい!聞いたか?純魔石で出来た剣の話」
「純魔石で出来た?そんな大層なもん可能なのか?」
「あぁなんでも東の最果てのエルフの村に、どんなモノでも作っちまう凄腕の鍛冶屋がいるらしくてな。その刀身は白磁に輝き、鋼鉄だって紙でも切るみたいにスパスパ切れるらしいぞ!」
「本当か?」
「おい!聞いたか?純魔石で出来た盾の
話」
「純魔石で?」
「ああ、純魔石だ。なんでもどんな攻撃だって通さねぇ。白磁の大楯の前じゃ全てが無力だって話さ」
「 。。。。。」
「それじゃあその剣で、その大楯を切ったらどうなるんだ?」
そんな噂は遠く遠く、時の国王トラル三世の耳まで届く事となる。
トラル三世は、純魔石で出来た装備品達を危険と判断した。
(そんなモノが下々で出回ったら、争いの火種となるだろう……
出所を聞けば、東の最果てのエルフの自治区というでは無いか……
場所が場所なだけにどうしたものか……)
トラル三世が下した結論は、侵略!
人族によるエルフ族に対しての侵略戦争の始まりである。
ーー今を遡る事100年前の話だーー
エルフ族には、エルフ族しか扱わないエルフ語という言語がある。
トラル王国の最東端にある東方地区は、エルフ達の楽園であり、唯一エルフ独自の地方自治が認められている地区であった。
勿論、その中に炭鉱村は含まれていて、炭鉱村の公用語はエルフ語である。
エルフ達の生涯は長い。
人の数倍は生きる。
彼等彼女等はその長い生の中で、人の言葉を勉強し話せるようになる者も多いが、まだ5歳のジライヤは人の言葉を理解する事は出来なかった。
トオル・カザミヤ。
長髪の黒髪を後ろ頭で結って、彼は今日も『カンッ!カンッ!』と魔鉱石を叩く。
彼はジライヤに人の言葉を教えた。
と、同時にここでは無い何処か。
そう、何処か遠くの国の話を彼女に聞かせた。
その国では、鉄の塊が走り、箱の中に人が住んでいるという。
そんな魔法みたいな世界って本当にあるの?
小さな小さなジライヤは、トオルの話に目を輝かせ真剣に彼の話を聞いていた。
昔、昔の話しだ。
中でもジライヤが一番興味を持った話は、お菓子という食べ物の話。
チョコレート。
生クリーム。
ケーキに、モンブラン。
蜜のように甘い飴。
サクサク食感のカリントウ。ポテトチップスなどのスナック菓子。
その他にも、駄菓子、綿菓子、和菓子に、洋菓子。
トオルの話す絵空事のような世界に、ジライヤの幼心はくすぐられたのだ。
「ねぇ!トオル今日も日本の話をして!」
今日もジライヤは、トオルの工房へと足を運ぶ。
今日も、明日も、明後日も。
平和な日々が続くと思っていた。
一方、トオルは貧しかった炭鉱村に富をもたらした。
『カンッ!』『カンッ!』と今日も彼の工房には魔鉱石を叩く音が響いている。
トオルが扱うのは純度の高い魔鉱石だ。
魔鉱石には純度があり、純度の高い物程加工が難しく高く売れる。
特に魔素濃度90%を超える物を"純魔石"と呼び一流の鍛治職人達でも、その加工は難しく手を焼く程。
そんな中トオルは簡単にそれをやってのけた。
トオルは語る
「石達の声が聞こえるから、それに応えてるだけだよ」
レジェンドスキル【錬金術】
純魔石を扱った一級の装備品は、白磁のような輝きを放ち、高値で取り引きされた。そんな一級の装備品達の噂は瞬く間に広がって行った。
「おい!聞いたか?純魔石で出来た剣の話」
「純魔石で出来た?そんな大層なもん可能なのか?」
「あぁなんでも東の最果てのエルフの村に、どんなモノでも作っちまう凄腕の鍛冶屋がいるらしくてな。その刀身は白磁に輝き、鋼鉄だって紙でも切るみたいにスパスパ切れるらしいぞ!」
「本当か?」
「おい!聞いたか?純魔石で出来た盾の
話」
「純魔石で?」
「ああ、純魔石だ。なんでもどんな攻撃だって通さねぇ。白磁の大楯の前じゃ全てが無力だって話さ」
「 。。。。。」
「それじゃあその剣で、その大楯を切ったらどうなるんだ?」
そんな噂は遠く遠く、時の国王トラル三世の耳まで届く事となる。
トラル三世は、純魔石で出来た装備品達を危険と判断した。
(そんなモノが下々で出回ったら、争いの火種となるだろう……
出所を聞けば、東の最果てのエルフの自治区というでは無いか……
場所が場所なだけにどうしたものか……)
トラル三世が下した結論は、侵略!
人族によるエルフ族に対しての侵略戦争の始まりである。
ーー今を遡る事100年前の話だーー
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる