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外伝 閑話3
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閑話3 昔、昔の話をしよう
エルフ族には、エルフ族しか扱わないエルフ語という言語がある。
トラル王国の最東端にある東方地区は、エルフ達の楽園であり、唯一エルフ独自の地方自治が認められている地区であった。
勿論、その中に炭鉱村は含まれていて、炭鉱村の公用語はエルフ語である。
エルフ達の生涯は長い。
人の数倍は生きる。
彼等彼女等はその長い生の中で、人の言葉を勉強し話せるようになる者も多いが、まだ5歳のジライヤは人の言葉を理解する事は出来なかった。
トオル・カザミヤ。
長髪の黒髪を後ろ頭で結って、彼は今日も『カンッ!カンッ!』と魔鉱石を叩く。
彼はジライヤに人の言葉を教えた。
と、同時にここでは無い何処か。
そう、何処か遠くの国の話を彼女に聞かせた。
その国では、鉄の塊が走り、箱の中に人が住んでいるという。
そんな魔法みたいな世界って本当にあるの?
小さな小さなジライヤは、トオルの話に目を輝かせ真剣に彼の話を聞いていた。
昔、昔の話しだ。
中でもジライヤが一番興味を持った話は、お菓子という食べ物の話。
チョコレート。
生クリーム。
ケーキに、モンブラン。
蜜のように甘い飴。
サクサク食感のカリントウ。ポテトチップスなどのスナック菓子。
その他にも、駄菓子、綿菓子、和菓子に、洋菓子。
トオルの話す絵空事のような世界に、ジライヤの幼心はくすぐられたのだ。
「ねぇ!トオル今日も日本の話をして!」
今日もジライヤは、トオルの工房へと足を運ぶ。
今日も、明日も、明後日も。
平和な日々が続くと思っていた。
一方、トオルは貧しかった炭鉱村に富をもたらした。
『カンッ!』『カンッ!』と今日も彼の工房には魔鉱石を叩く音が響いている。
トオルが扱うのは純度の高い魔鉱石だ。
魔鉱石には純度があり、純度の高い物程加工が難しく高く売れる。
特に魔素濃度90%を超える物を"純魔石"と呼び一流の鍛治職人達でも、その加工は難しく手を焼く程。
そんな中トオルは簡単にそれをやってのけた。
トオルは語る
「石達の声が聞こえるから、それに応えてるだけだよ」
レジェンドスキル【錬金術】
純魔石を扱った一級の装備品は、白磁のような輝きを放ち、高値で取り引きされた。そんな一級の装備品達の噂は瞬く間に広がって行った。
「おい!聞いたか?純魔石で出来た剣の話」
「純魔石で出来た?そんな大層なもん可能なのか?」
「あぁなんでも東の最果てのエルフの村に、どんなモノでも作っちまう凄腕の鍛冶屋がいるらしくてな。その刀身は白磁に輝き、鋼鉄だって紙でも切るみたいにスパスパ切れるらしいぞ!」
「本当か?」
「おい!聞いたか?純魔石で出来た盾の
話」
「純魔石で?」
「ああ、純魔石だ。なんでもどんな攻撃だって通さねぇ。白磁の大楯の前じゃ全てが無力だって話さ」
「 。。。。。」
「それじゃあその剣で、その大楯を切ったらどうなるんだ?」
そんな噂は遠く遠く、時の国王トラル三世の耳まで届く事となる。
トラル三世は、純魔石で出来た装備品達を危険と判断した。
(そんなモノが下々で出回ったら、争いの火種となるだろう……
出所を聞けば、東の最果てのエルフの自治区というでは無いか……
場所が場所なだけにどうしたものか……)
トラル三世が下した結論は、侵略!
人族によるエルフ族に対しての侵略戦争の始まりである。
ーー今を遡る事100年前の話だーー
エルフ族には、エルフ族しか扱わないエルフ語という言語がある。
トラル王国の最東端にある東方地区は、エルフ達の楽園であり、唯一エルフ独自の地方自治が認められている地区であった。
勿論、その中に炭鉱村は含まれていて、炭鉱村の公用語はエルフ語である。
エルフ達の生涯は長い。
人の数倍は生きる。
彼等彼女等はその長い生の中で、人の言葉を勉強し話せるようになる者も多いが、まだ5歳のジライヤは人の言葉を理解する事は出来なかった。
トオル・カザミヤ。
長髪の黒髪を後ろ頭で結って、彼は今日も『カンッ!カンッ!』と魔鉱石を叩く。
彼はジライヤに人の言葉を教えた。
と、同時にここでは無い何処か。
そう、何処か遠くの国の話を彼女に聞かせた。
その国では、鉄の塊が走り、箱の中に人が住んでいるという。
そんな魔法みたいな世界って本当にあるの?
小さな小さなジライヤは、トオルの話に目を輝かせ真剣に彼の話を聞いていた。
昔、昔の話しだ。
中でもジライヤが一番興味を持った話は、お菓子という食べ物の話。
チョコレート。
生クリーム。
ケーキに、モンブラン。
蜜のように甘い飴。
サクサク食感のカリントウ。ポテトチップスなどのスナック菓子。
その他にも、駄菓子、綿菓子、和菓子に、洋菓子。
トオルの話す絵空事のような世界に、ジライヤの幼心はくすぐられたのだ。
「ねぇ!トオル今日も日本の話をして!」
今日もジライヤは、トオルの工房へと足を運ぶ。
今日も、明日も、明後日も。
平和な日々が続くと思っていた。
一方、トオルは貧しかった炭鉱村に富をもたらした。
『カンッ!』『カンッ!』と今日も彼の工房には魔鉱石を叩く音が響いている。
トオルが扱うのは純度の高い魔鉱石だ。
魔鉱石には純度があり、純度の高い物程加工が難しく高く売れる。
特に魔素濃度90%を超える物を"純魔石"と呼び一流の鍛治職人達でも、その加工は難しく手を焼く程。
そんな中トオルは簡単にそれをやってのけた。
トオルは語る
「石達の声が聞こえるから、それに応えてるだけだよ」
レジェンドスキル【錬金術】
純魔石を扱った一級の装備品は、白磁のような輝きを放ち、高値で取り引きされた。そんな一級の装備品達の噂は瞬く間に広がって行った。
「おい!聞いたか?純魔石で出来た剣の話」
「純魔石で出来た?そんな大層なもん可能なのか?」
「あぁなんでも東の最果てのエルフの村に、どんなモノでも作っちまう凄腕の鍛冶屋がいるらしくてな。その刀身は白磁に輝き、鋼鉄だって紙でも切るみたいにスパスパ切れるらしいぞ!」
「本当か?」
「おい!聞いたか?純魔石で出来た盾の
話」
「純魔石で?」
「ああ、純魔石だ。なんでもどんな攻撃だって通さねぇ。白磁の大楯の前じゃ全てが無力だって話さ」
「 。。。。。」
「それじゃあその剣で、その大楯を切ったらどうなるんだ?」
そんな噂は遠く遠く、時の国王トラル三世の耳まで届く事となる。
トラル三世は、純魔石で出来た装備品達を危険と判断した。
(そんなモノが下々で出回ったら、争いの火種となるだろう……
出所を聞けば、東の最果てのエルフの自治区というでは無いか……
場所が場所なだけにどうしたものか……)
トラル三世が下した結論は、侵略!
人族によるエルフ族に対しての侵略戦争の始まりである。
ーー今を遡る事100年前の話だーー
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