美少年はエッチがしたい……『笑って死ね』神との約束は一度きり、最高の腹上死を目指す

狼少年

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 この壊れた世界で人と魔物。そして魔獣と呼ばれる者達が共存し始めて幾年幾代。いつの頃からは知らないが、魔物や魔獣を狩る者達を、人はハンターと呼んだ。
 やがて、ハンター達にも規則ができ、組織ができ、派閥ができ、そして協会ができた。
 現在、ハンター協会に身を置いている者は500名を超えるが、女性の割合は1割にも満たない。そんな男社会のハンター業界において、女性でありながら勲章名を拝命し、ハンター協会の最高戦力とも呼べる、特級ハンターになったザザは、例外中の例外だ。

 所謂、紅一点。

 容姿の方はそれ程良いとは言えないが、目を見張るのは、たわわに実った大きな胸と、ムッチリとしたヒップライン。更に、男に媚びず。誰とも組まず。討伐スタイルは基本ソロプレイと、その実力も去ることながら、ネームバリューも重なり、ハンター業界ではかなりの人気を博していた。

「ザザさん!」
「ん?なんだ。赤鼻か……どうした?」
「誰ですか?」
「あ、あぁ。森にいた」
「森に?!ウンバサの?」
「そうだ」
「まさか!?そ、そいつは、魔物の類いか!魑魅魍魎ですぜ!ザザさん。騙されちゃいけねぇ!俺がその正体、暴いてみせやす」

 赤鼻と呼ばれた小男は、確かに。鼻の頭が赤い。さっきまで、ザザの横に立っていたのに、次の瞬間には、ティムの後ろに立っていた。ナイフがキラリと光る。ティムの首元にナイフが迫る。

「おい!」
 殺気!?

 ザザから放たれた殺気に当てられて、小男の動きが止まった。

「私の連れに何しとんじゃ!ボケ!」
「いやっ俺は……そのっ」
「お呼びじゃ無いんだよ!シッシッ」

 ザザは、小男を片手であしらう。そうじゃなくて、と思う小男は、横にいる少年の様子を伺った。こりゃ。また、なんと!?小男は驚きの表情を見せた。
 ビックリするほどイイ男じゃねぇか?!
 ってか男か?美しい……これは、いったいどういうこった……お上の使いにしか見えねぇぞ。
 赤鼻と呼ばれた小男は、これほど美しい人間を見た事がない。拝む気持ちが生まれた。時間が止まり。もう少し側で見ていたいという気持ちになった。

「ザザさん……こりゃあ……」

 そう口にするのが精一杯で、言葉が続かない。

 ティムの心中では、

「なんなんだろう?この人」
「気持ちの悪い奴だ」
「う、うん……歯もないし、息も臭い。早くどっかに行ってくれないかなぁ……」
「手に持ったナイフが震えてやがる」
「いきなりナイフを持ってて、ビックリしたけど」
「危害を加えるつもりなら、最初から刺す」
「確かにね」
「ザザって言う女は、わりかし使えそうだ。この村のボス的存在とみて、まず間違い無い」
「お姉ちゃんが?」
「この村に来た時思わなかったか?この店に入った時もだ」
「別に……」
「モブキャラ達がこの女を見る眼。あれは、崇拝者の眼だ。この女は、間違い無く使える!」
「使えるって言い方はあまり好きになれないな」
「何を言ってんだ?お前は」
「………」
「使えるものは使って行く。俺たちの目的を忘れたのか?!」
「………覚えているけど、そんなに……」
「バカを言え!神との約束は絶対だ!いいか?俺たちは、超絶美人の女とSEXして、そして思い残す言葉無く笑って果てる!これが俺たちの目的で、俺とお前の存在意義だ。忘れんじゃねぇぞ!!」
「……うん」


「あの……危ないから……」

 ティムは、顔を近付けて動かなくなった小男に、その手に持つナイフをしまってくれと言う。「あ、あぁ。すまねぇ……」息が臭い。
 小男は、腰にぶら下げた鞘の中へとナイフを収めた。

「シッシッ!赤鼻。お前の席はあっちだ。来るんじゃ無いよ!」
「は、はぁ……」

 赤鼻と呼ばれた小男は、首を垂れて自分の席へと戻って行く。小さな背中が、さらに小さく見えた。続いてエッダが、黒豚の香草焼きを運んで来た。料理をティムの前に置きながら、パッカリ開いた胸元をティムに見せつける。エッダの胸は、ザザに比べると小ぶりだが、形は良さそうだ。それに、ブラジャーという物をしていない。そういう文化が無いのだろう。乳首が見えそうだ……
ティムの顔は照れて紅潮した。

「あら……可愛い♡」

 ティムにだけ聞こえるような声で、エッダは言った。

「エッダ!!」
「あら?」
「それ以上ティムに近づくな!!」
「なんのこと?別に。私は料理を運んだだけ」
「はぁ?!なんでそんな格好で?!さっきの服はどうした?」
「暑いから脱いだのよ」
「ぼさけ!!死にたいか?!」
「待って!ザザさん。なんでそうなるの?私は、ちょっとね。この子に興味があるだけ」
「どの口が!!それ以上言ってみろ!」

 ザザの目付きが、明らかに違う。殺気立っている。まるで、発情期のオス猫のように、毛が逆立って、今すぐにでもギャーギャー鳴き出しそうだ。

「醜いな」

 ケンが心中で呟く。

「何が?お姉ちゃんが?」
「確かにザザって女は、お世辞でも綺麗とは言えない顔だ」
「そういう事は、ハッキリ言わない方がいいと思う」
「お前も思ってるくせに、イイ子ぶってんじゃねぇよ。俺とお前は一心同体。お前が思ってる事は、俺も思ってるって事を忘れんな!」
「う、うん……」
「どうすんだよ?」
「止めるよ」
「どうやって?」
「わからないけど……僕のことで争わないで欲しい」
「いい子ぶりやがって、まぁ。いい。で?どっちに付くんだ?」
「それは……」


 ◆◆◆


「け、喧嘩は良くないと思う」
「うっ……ティ、ティムは黙ってて!」
「お姉ちゃん!」
「やだよぉ。ザザさん。ちょっと本気にしないでよ。ちょっと。この子を揶揄ってみたかっただけよ。それともなぁに?ザザさんがまさかねぇ……お熱なの?」

 ティムは席を立つ。エッダは、やだよぉ~と、手をこまねく。「チッ!!ふざけるな!!」ザザは怒って。店を出て行ってしまった。無銭飲食だ。食い逃げだ。と、言っても、ザザが多額の寄付をこの店にしたのも事実。エッダがこの店をオープンする時の事だ。ザザは500万ベイルもの大金を、ポンっとエッダに手渡した。
「美味いもんが食えるなら、それでいい」
 ザザ・ミュースカイ・セビラハートとは、そういう女だ。
 ティムは、どうしていいのかわからない。
 ザザを追うべきか?
 それとも、女主人の元に身を寄せるか?
 訪れたのは選択だ。
 人生とは、選択の連続上に築かれて行く。

 1  ザザを追いかける

 2  店に残る
 

「どうしたらいいと思う?」
「お前が止めに入ったからだろ?」
「だって、あのまま放っておけないよ」
「世の中にゃ、放っておいた方のが、いいことだってあんだぜ」
「お姉ちゃん。怒っちゃったけど……」
「お前が怒らせた」
「そうなの?」
「8割型はそうだろうな」
「僕、何もしてないけど」
「女主人の胸。覗いてたろ?」
「うっ、うん……」
「どう思った?」
「乳首が見えそうって……」
「ジロジロ見てたろ?」
「そりゃ。見るよ。男の子だもん」
「女主人が美人だからか?それとも、元娼婦だからか?卑猥な想像を膨らましたのは事実だろ?じゃあ逆に。女主人じゃなくて、あの女。ザザの胸だったらどうなんだ?ジロジロみたか?覗いたか?どうなんだ?」
「そ、それは……」
「違うだろ。答えはNOなんだよ。わかっただろ。お前は、知らず知らずのうちにそういう目で見ていた。ところで。早くにあの女。ザザを追いかけた方がいい。傷は浅いうちに埋めておけ!」
「う、だけどさ。僕が、エッダさんのおっぱいに気を取られて、なんでお姉ちゃんが怒るの?意味わかんないんだけど……」
「そんなもん本人に聞け」
「なんて?聞きづらいし、聞けないよそんなこと」

 
 ティムは、ザザを追いかけなかった。
 店に残る選択をした。


 

 

 
 

 

 
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