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ジュリアが言う事はもっともな意見だ。もし仮に、巨熊と遭遇したあの時に、ザザが現れなかったら、ティムは確実に巨熊の胃袋に収まっていただろう。
ティムとケンには、現代日本で生活していた記憶がある。野崎研だった頃の記憶だ。
野崎は異世界に転生し、オレTUeeeeだの。チート能力を授与されてマジ無双ぉぉだの。そういうアニメや、漫画にハマっていた。それは一種の願望であり、現実逃避であり、何をやっても上手くいかない男の安らぎ。心の救済でもある。そう思わないと、やっていけなかった。生きて行けなかった。
だが、野崎の人生は、現代社会という脱出不可能な牢獄に囚われて、哀れな末路で終わった。バカバカしい話だが、もしかしたら俺も死んだら……そんな事を思っていた事もあった。
そして、それは現実に起こり、美少年ティムとして目覚めたのだが……それをジュリアにどう説明したらいいものか?ティムは、迷っていた。
「情報が無さすぎる」
そう言ったのはケンだ。
「うん」
「特別危険区域だとか、ウンバサの森だとか、そもそもだ。俺達はこの世界の事を知らない。こっちの常識を学んで行く必要がある」
「そうだね」
「いい機会だ。この女から色々聞き出そう。ステータス的に見ても、この女の戦闘能力は1。ヒョロヒョロの身体かもしれないが、こっちは男だ。向こうは女。力勝負になってもワンチャン勝てるかもしれない」
「力勝負って……」
「人間なんて、いや。生きとし生けるものなんてそんなもんだろ?結局は力が全て。俺達が知っている社会ってのは、文明が末期まで進んだ法権国家だ。法に守られ、法に縛られ、ルールやモラルの中でしか生きられないモルモット達だ。途轍もなく不安定で、すぐ割れてしまいそうな薄い氷の上で、それを何とか維持しようとしているだけの傀儡人形だ。な。知ってるよな?俺達人間が、どうやってそこまで辿り着いたのか?」
「人間の歴史は争いだけだよ」
「そうだ。争い。争って、戦争。奴隷制度。勝てば官軍。何でも許されるし、例え間違った事でも勝者が白と言えば白なんだよ。
男は殺せ!老人も殺せ!女と子供は捕えろ!そして、女は犯す!子供は売り飛ばせ!そうやって人間の歴史は、長い長い長い時間を繰り返して、やっと争う事を辞めようと努力している。たった半世紀だ」
「それがこの世界とどんな関係が?」
「大アリだね。人間なんてもんは、例え世界が変わったとしても、性根なんてものは変わらない。まだ見ぬ冒険があり、世界が無限に広がっているのなら、そこに夢を見て争う種族なんだ。俺はそう思うね。
いいか?俺達が知っている現代社会において、戦争がいけないものだ。争う事は正義じゃないとされたのは何故だ?」
「考えた事無いけど……間違いだと気付いたからかな?」
「ティム。お前は本当に、いい意味でアホだな」
「あ、アホって……ひどいよ」
「そんなんじゃねぇよ!人間が争う事をやめた理由はな」
「じゃあ、何?」
「限界がわかったからだ」
「限界?限界って?」
「人類が進出できる限界だよ。例えば大航海時代。まだ見ぬ海の向こう。その先にある大陸を目指して、人間達は競うように海に出た。新しい大陸を発見し、そこに住んでいる原住民達を殺し、殺して、土地を奪い。文化を奪い。それが正義だとして、ドヤ顔で写真を撮り、人を殺して笑顔でな。
何故か?そこには夢があったからだ。大きな大きな野望と希望があったからだ。地球の隅から隅まで、南極大陸まで、到達した人類は次に何処を目指したか?
知ってるよな。空だ。宇宙だよ」
「宇宙……」
「1970年の大阪万博に、月の石が展示されて、一眼見ようと長蛇の列ができた。あの当時は、人類、皆意気込んで火星人だの宇宙人だの。まだ見ぬ宇宙(ソラ)に夢を見ていたんだ。宇宙なんてところが、人間が生きられるところだと信じていたからな。
だけど現実は違った。宇宙は、人間が生きれる環境じゃなかった。もし仮に、月に酸素があって、水があって、草木があって、第2の地球になるような環境下だったとしたら……人類は月の支配権を求めて争いや、戦争は続いていた。俺はそう思うがな」
「じゃあこの世界は……」
「少なからず、文明が発達しているとは思えない。この世界は混濁してるんじゃないか?」
「………」
「だから、情報収集が必要なんだよ。いいか?上手く聞き出せよ」
「う、うん。やってみるよ」
◆◆◆
ジュリアは、怪訝な顔をしてティムの周りをグルリと半周し、「ふーーん」と声をかけ。そして、背後からティムの肩にそっと手を乗せた。
ビクッ!? ティムは身体を揺らす。
「そんなにビックリしなくても。見たところ尻尾も生えて無いし、耳も普通。私達と同じ人族だと思うけどさ。どうして?」
「え、えっと……」
「てっきり、わたしはさ。生き残った魔族か何かだと思ったけど、擬態をしてるって感じでもないからさ。だから、聞いてるの」
「ちょ、ちょっと待って下さい。魔族って?」
「魔族も知らないの?」
ジュリアは、背後からティムを覗き込む。
ティムは、ジュリアに対して「すいません」と、首を斜めに頷いた。
「勇者カインヒが、魔王ケッセルリンクを討ち取って100年。魔族はそれの生き残り達よ。魔族の中には人族に擬態して、人の生活の中に溶け込んでいる奴もいるから。わたし、見た事あるのそういった魔族をね。ね。ティムくん……」
ジュリアの手は、背後から……ゆっくりと……。ティムの身体を下がっていき……。
ティムの股間を触った。
「あっ」
ジュリアの大きな胸が、密着し、背中にグイグイと押し付けられて、柔らかい。
「だ、ダメですぅ」
ティムは、小さく声を出した。
ティムのおちんちんは、固く勃起している。でも、サイズは親指程度。
レズビアンのジュリアにとってみれば、お遊び程度のことで、本当にティムが男の子なのか確かめたかった。
小っちゃ(笑)
固くなったティムのおちんちんを握って、ジュリアは、残念。と、思った。本当に男の子なのね。でも、小っちゃ(笑)。勃起してるのに、親指くらい?どんなチンチンしてるのかしら?見てみたい。少し興味を持った。
「あらぁ?やだぁ……何がダメなの?何も知らないなんて言っちゃって、こっちは固くしてるじゃない」
「や、やめて」
「なんで?大きくなってるのに?」
「これは、違うんです」
「何が違うの?ほら。見せて」
ジュリアは、ティムの服を掴んで、捲りあげようとする。ティムは、全力で服を抑えて抵抗するも、「あっ」
ジュリアの力は想像以上に強く、あっさりと、そして、無惨にもティムの服は捲り上がり、可愛いおちんちんが顔を出した。
「う、ぅぅ……見ないで……」
「あら。やだぁ……」
ジュリアは、ティムの肩上から顔を覗かせて、ティムのおちんちんをマジマジと見る。
ティムは顔を赤らめて、必死に隠そうとするも、おちんちんは見られてしまった。包茎で、真っ白な、小さなおちんちんを……。毛が無い。真っ白で、小さく。ピンと立った皮被りのおちんちんを……。
「も、もう…いいんでしょ……」
「そ、そうね……」
恥じらいと、哀願の表情を浮かべたティムに、ジュリアの心臓は、『ドクンッ』と胸を打った。
結果。綺麗。そして、可愛い♡
ドSなジュリアの中で、内なる私。レズビアンじゃ無い私。美少女じゃ無くて、美少年に?でも、え?わたし興奮しちゃってるの?え?嘘?まさかぁ。これは、ただのお遊びで、戯れあってみただけ!と、自分で自分を諭すも、ティムの涙を浮かべた恥じらいの表情に、戸惑いの気持ちが生まれた。
わたし……興奮してる?
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