溺愛パパは勇者!〜悪役令嬢の私のパパが勇者だった件〜

ハルン

文字の大きさ
67 / 131
第3章

No.67 魔力の循環

しおりを挟む
「まず、自身の中の魔力を感じてみましょう。目を閉じ、自身の中の魔力の流れを感じ取ってみてください」

先生の教えの通りに目を瞑り魔力を感じ様とする。

(…ん~。何も感じないなぁ)

魔力の魔の字も感じない。
私の魔力が少な過ぎるのか、それとも才能が無いのか。

「眉間に皺を寄せても魔力は感じ取れません。いいですか?血の流れに沿って感じ取るのです。心臓から指先へ。指先から足先へ。そうして再び心臓へ。全身を巡る魔力を感じ取るのです」

(全身を巡る血の様に…)

心臓から押し出された血が全身を巡る…。すると、どうだろう。今まで何も感じられなかったのに何かを感じる。暖かくそれでいて力強い何か。

「皆さん、感じ取れた様ですね。魔力とは人によって感じ方が違います。後で、友達とどういった感じだった話し合ってみてください。とても面白いですよ。……では次に、その感じた魔力を自身の意思で動かしてみましょう。流れる魔力を一定の量で流れる感じをイメージして下さい。今、皆さんの中の魔力はバラバラな量で全身を流れています。それを一定の量で流せる様になって初めて魔力操作が出来たと言えます」

(一定の量で流す。一定の量で…)

確かに感じ取った魔力は、力を強く感じる時と弱く感じる時があり量がバラバラな感じがする。それを一定の量で流そうとするが、全く上手く出来ない。

「先生、上手く出来ないです」

先生の近くの女子が不満げに声を上げる。

「こればっかりは、自身の力で出来る様になるしかありません。ですが、毎日魔力を感じ取っていれば自ずと出来る様になります。魔力操作が出来る様になったら、常に一定の量で魔力を循環させて下さい。滞る事なく常に魔力を循環させる事は、魔力操作の精度を上げて身体の調子も良くなりますからね」

ーーカーン、カーン

先生が話し終わると同時に、鐘の音が辺りに響く。

「もう、こんな時間ですか。今日の授業は此処までにします。今回、魔力を感じ取れなかった人は次の授業までに感じ取れる様になるか私の所に来る事。魔力を感じ取った人は、次回までに魔力操作を覚える事。それでは、次の授業に向かって下さい」
しおりを挟む
感想 93

あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

転生した世界のイケメンが怖い

祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。 第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。 わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。 でもわたしは彼らが怖い。 わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。 彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。 2024/10/06 IF追加 小説を読もう!にも掲載しています。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

処理中です...