107 / 131
第3章
No.107 反乱軍
しおりを挟む
その後、私達はお店の予約をキャンセルして3人でカフェに入った。
「よかったの?ティア、楽しみにしてたんじゃ…」
「いいの。お店はいつでも行けるけど、ノアとの時間は今しか無いんだから」
「そうだよ。だからノアは、気にしなくていいよ」
申し訳無さそうなノアに、私とクリスがそう言う。それから、しばらく3人で近状報告をし合う。
学園で友達が出来た事。
どんな授業をしているか。
お父さんの困った事。
ーーそして、精神系の魔法による事件の事。
「そんな事が…。犯人はまだ?」
「うん。アニーさん達が調べてるけど、まだ何も掴めてないんだって」
「…そう」
そう言ったきり、ノアは黙って何かを考え始めた。
その様子を見たクリスがノアに問いかける。
「ノア、何か知ってんの?」
「そ、うだね。関係無いかも知れないけど、一応2人には話しておくよ」
そう言ってノアは話し出す。
「実は現在、魔国の国では反乱軍がいるんだ」
「反乱軍?」
(反乱軍って、何の?)
「そう。『弱者である人間を支配下に置け』…つまり、人間との共存を許さない魔族達の反乱軍」
「まぁ、人間でさえ未だ『魔族は悪』って言う輩が居るんだ。魔族にいても不思議じゃ無いね」
「まぁ、そうなんだけど。問題は、現在この反乱軍が鳴りを潜めてるって事なんだ」
その言葉に疑問を持つ。
「それっていい事じゃ無いの?」
「ティアって、本当に馬鹿だよね?もう少し頭を動かしなよ」
諦めた様な目でこちらを見るクリス。しかも、態とらしく溜息をついてくる。
(何よ!少し……。いや、かなり頭がいいからって!!)
そう思うが、敢えて口には出さない。
口に出したら倍返しになって戻って来ると分かっているからだ。
「いい事だと、嬉しかったんだけどね…。今まで僕達の邪魔をして来た反乱軍が、いきなり鳴りを潜めたんだ。まるで、元からそんな存在が無かったかの様に。それで、考えられるのは2つ。1つ、何らかの理由で活動が出来なくなった。2つ、拠点を移して現在何らかの計画が進行中」
そこで一旦、紅茶を飲む。
「中々、美味しいね。…で、話の続きなんだけど。1つ目なら、こちらも嬉しいんだけど問題は2つ目だ。拠点を移されて…魔国を出て活動されるとこちらは手が出せない」
「だろうね。昔より魔族が受け入れられてるとはいっても、魔国が国内で起きた事件に関与出来るとは言い難いね」
「…それって、その反乱軍が今回の件に関わってるって言う事?」
「否定は出来ない」
もしそれが本当だったら。
どうやら、自体は思ったより深刻かも知れない。
「よかったの?ティア、楽しみにしてたんじゃ…」
「いいの。お店はいつでも行けるけど、ノアとの時間は今しか無いんだから」
「そうだよ。だからノアは、気にしなくていいよ」
申し訳無さそうなノアに、私とクリスがそう言う。それから、しばらく3人で近状報告をし合う。
学園で友達が出来た事。
どんな授業をしているか。
お父さんの困った事。
ーーそして、精神系の魔法による事件の事。
「そんな事が…。犯人はまだ?」
「うん。アニーさん達が調べてるけど、まだ何も掴めてないんだって」
「…そう」
そう言ったきり、ノアは黙って何かを考え始めた。
その様子を見たクリスがノアに問いかける。
「ノア、何か知ってんの?」
「そ、うだね。関係無いかも知れないけど、一応2人には話しておくよ」
そう言ってノアは話し出す。
「実は現在、魔国の国では反乱軍がいるんだ」
「反乱軍?」
(反乱軍って、何の?)
「そう。『弱者である人間を支配下に置け』…つまり、人間との共存を許さない魔族達の反乱軍」
「まぁ、人間でさえ未だ『魔族は悪』って言う輩が居るんだ。魔族にいても不思議じゃ無いね」
「まぁ、そうなんだけど。問題は、現在この反乱軍が鳴りを潜めてるって事なんだ」
その言葉に疑問を持つ。
「それっていい事じゃ無いの?」
「ティアって、本当に馬鹿だよね?もう少し頭を動かしなよ」
諦めた様な目でこちらを見るクリス。しかも、態とらしく溜息をついてくる。
(何よ!少し……。いや、かなり頭がいいからって!!)
そう思うが、敢えて口には出さない。
口に出したら倍返しになって戻って来ると分かっているからだ。
「いい事だと、嬉しかったんだけどね…。今まで僕達の邪魔をして来た反乱軍が、いきなり鳴りを潜めたんだ。まるで、元からそんな存在が無かったかの様に。それで、考えられるのは2つ。1つ、何らかの理由で活動が出来なくなった。2つ、拠点を移して現在何らかの計画が進行中」
そこで一旦、紅茶を飲む。
「中々、美味しいね。…で、話の続きなんだけど。1つ目なら、こちらも嬉しいんだけど問題は2つ目だ。拠点を移されて…魔国を出て活動されるとこちらは手が出せない」
「だろうね。昔より魔族が受け入れられてるとはいっても、魔国が国内で起きた事件に関与出来るとは言い難いね」
「…それって、その反乱軍が今回の件に関わってるって言う事?」
「否定は出来ない」
もしそれが本当だったら。
どうやら、自体は思ったより深刻かも知れない。
1
あなたにおすすめの小説
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる