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第3章
No.120 友だちの話なんだけど
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その夜は、クリスからの告白の事で頭が一杯でティアは一睡も出来なかった。
翌日。
「ふぁ~」
「ティアちゃん?寝不足ですか?」
二時限目が終わり次の授業の準備をしている途中で大きな欠伸をしたティアに、サーシャは心配そうに尋ねる。
「うん。昨日は、考え事してて眠れなくて…」
「眠れない程の考え事ですか?よかったら、私に話してくれませんか?微力ながら、力になれるかもしれません」
真剣な表情でこちらを見るサーシャ。
しかし、ティアは物凄く悩んだ。
(えっ、言うの?サーシャに、「友達だと思ってたクリスに告白されて眠れない程悩んでます」って?えっ?言っちゃうの?)
恥ずかし過ぎる。
だが、一人で悩んでいても解決しない事は昨日の夜で分かっている。
(それに、政略結婚だけどサーシャはアンドレイ殿下と両想い…つまり、恋人同士!サーシャは、私よりこの手の話の先輩。何か、良いアドバイスくれるかも!)
だが、素直に自分が告白されたとは言い難い。だから、定番のアレを使う事にした。
「あのね?私の友達の話なんだけど…。その友達がね?その…今まで友達だと思ってた男子に告白されたの。そ、それでね?いきなり好きって言われて、凄く戸惑ってるの。も、勿論、友だちの話だよ!」
顔を赤く染めながら、早口で言い切るティア。
サーシャは、それが友だちの話では無くティア自身の話だと気付いていた。
おっとりしている様に見えても、サーシャは高位貴族の娘で数年後には王妃となる娘。貴族社会は、常に相手の腹の読み合いだ。どんなに自身を褒め称えて慕ってくる者がいても本心でそう思っている者は、極少数だ。全ての者が、どの人物に付けば自分や家の利益になるか天秤に掛けて接してくる。
別に、サーシャはそれが悪い事だとは思わない。
自分や家の為の利益になる相手や物に近付き利用するのは当たり前だ。サーシャとて、利益を求めて近寄る大勢の貴族達を自分の利益の為に利用する事もあるのだから。
国の為、何より未来の王アンドレイの為。
サーシャは、常日頃から周りを観察しちょっとした変化も逃さない様にしていた。だから、サーシャは気付いたのだ。何時もよりチラチラとティアを見るクリス。そして、頑なにクリスの方を見ない様にしているティアに。
(まぁ!やっと、クリスさんったらティアちゃんに告白したのね!これは、是非とも応援しなくては!)
サーシャの夢は、人生で初めて出来た何の損得も考えずに一緒にいる事が出来る、大切な友達であるティアとWデートをする事なのだ。その夢を叶える為に、サーシャは全力でクリスを応援する事を決意したのだった。
翌日。
「ふぁ~」
「ティアちゃん?寝不足ですか?」
二時限目が終わり次の授業の準備をしている途中で大きな欠伸をしたティアに、サーシャは心配そうに尋ねる。
「うん。昨日は、考え事してて眠れなくて…」
「眠れない程の考え事ですか?よかったら、私に話してくれませんか?微力ながら、力になれるかもしれません」
真剣な表情でこちらを見るサーシャ。
しかし、ティアは物凄く悩んだ。
(えっ、言うの?サーシャに、「友達だと思ってたクリスに告白されて眠れない程悩んでます」って?えっ?言っちゃうの?)
恥ずかし過ぎる。
だが、一人で悩んでいても解決しない事は昨日の夜で分かっている。
(それに、政略結婚だけどサーシャはアンドレイ殿下と両想い…つまり、恋人同士!サーシャは、私よりこの手の話の先輩。何か、良いアドバイスくれるかも!)
だが、素直に自分が告白されたとは言い難い。だから、定番のアレを使う事にした。
「あのね?私の友達の話なんだけど…。その友達がね?その…今まで友達だと思ってた男子に告白されたの。そ、それでね?いきなり好きって言われて、凄く戸惑ってるの。も、勿論、友だちの話だよ!」
顔を赤く染めながら、早口で言い切るティア。
サーシャは、それが友だちの話では無くティア自身の話だと気付いていた。
おっとりしている様に見えても、サーシャは高位貴族の娘で数年後には王妃となる娘。貴族社会は、常に相手の腹の読み合いだ。どんなに自身を褒め称えて慕ってくる者がいても本心でそう思っている者は、極少数だ。全ての者が、どの人物に付けば自分や家の利益になるか天秤に掛けて接してくる。
別に、サーシャはそれが悪い事だとは思わない。
自分や家の為の利益になる相手や物に近付き利用するのは当たり前だ。サーシャとて、利益を求めて近寄る大勢の貴族達を自分の利益の為に利用する事もあるのだから。
国の為、何より未来の王アンドレイの為。
サーシャは、常日頃から周りを観察しちょっとした変化も逃さない様にしていた。だから、サーシャは気付いたのだ。何時もよりチラチラとティアを見るクリス。そして、頑なにクリスの方を見ない様にしているティアに。
(まぁ!やっと、クリスさんったらティアちゃんに告白したのね!これは、是非とも応援しなくては!)
サーシャの夢は、人生で初めて出来た何の損得も考えずに一緒にいる事が出来る、大切な友達であるティアとWデートをする事なのだ。その夢を叶える為に、サーシャは全力でクリスを応援する事を決意したのだった。
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