極妻、乙女ゲームの世界に悪役令嬢として転生しちゃいました!

ハルン

文字の大きさ
5 / 105

4

しおりを挟む
サーシャが考え込んでいると、アランが父ダリルに尋ねる。

「父様。そのお茶会、絶対に参加しなくちゃ駄目なの?こんなに可愛いサーシャがお茶会に行ったら、絶対に第二王子の目に留まってしまうよ」
「………確かに。私のサーシャは世界一可愛いからな」
「そうね。………どうしましょう。サーシャが王子の婚約者に選ばれたら…」

そんなミランダの言葉に、ダリルが椅子から勢い良く立ち上がる。

「娘は嫁にはやらない!サーシャは、何処にもやらないからな!」
「そうだよ。サーシャは、ずっとこの家に居たらいいんだよ」
「そうね。私も、それに賛成だわ」

(………いや、待ってください)

何故、家族揃ってサーシャを嫁に出さない事を決定しているのだ。

ーー私は嫌だ。

結婚適齢期を過ぎても、働きもせずに家から出ないなんて。何より、家督を継ぐ兄の未来の妻と同棲?

(何それ。一体、何の拷問ですか?)

いつの世でも、嫁姑・小姑問題は複雑で大変だと決まっている。

(何より、私が第二王子に選ばれるとは限らないし…)

家族や使用人達は、サーシャを可愛いと言う。確かに、今世のサーシャは可愛いと思う。….だが、それは当たり前だと思う。サーシャは、自身の家族を見る。

(………うん。驚く程、美形だ)

基本、貴族は美形だと思う。
権力のある者は、美しい女性を娶る。そうすると、生まれてくるのは美形が多い。美形が美形と結婚して、更に美形が生まれる。そうすれば、自ずと貴族は美形が多くなる。

その中でも、サーシャの両親はかなりの美形だと思う。凛々しい父と、妖艶な母。兄も、将来美形になる事が確実な顔立ちだ。そんな両親の元に生まれたサーシャも、とても可愛らしい顔立ちだ。

ーーしかし、だからと言って第二王子に選ばれるかと言われれば否だ。

確かに、サーシャは可愛い。だが、それは他の貴族の子もそうだと言える。サーシャは、未だ歳の近い女の子を見た事がないが、自身より可愛い子など幾らでも居ると思っている。



井の中の蛙、大海を知らず。



まさに、今のサーシャに相応しい言葉と思う。今のサーシャは、井の中の蛙だ。前世の記憶が無ければ、自身が一番可愛い女の子だと思う痛い子だったかもしれない。

(前世の記憶があって、本当に良かった)

これで日本の小説にある様な、ある日突然記憶が蘇る悪役令嬢みたいな感じだったら最悪だと思う。そう言う時に限って、記憶が蘇る前に色々やらかしていて、必死に破滅フラグを回避する羽目になるのだ。………そう、前世でファンタジー小説が好きだった極妻仲間の親友が言っていた。

(………とにかく、私が選ばれる可能性は限り無く低いって事)

そう心の中で判断して、未だ騒ぐ家族を横目に、本日のお菓子を楽しむのだった。


しおりを挟む
感想 117

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

前世で孵した竜の卵~幼竜が竜王になって迎えに来ました~

高遠すばる
恋愛
エリナには前世の記憶がある。 先代竜王の「仮の伴侶」であり、人間貴族であった「エリスティナ」の記憶。 先代竜王に真の番が現れてからは虐げられる日々、その末に追放され、非業の死を遂げたエリスティナ。 普通の平民に生まれ変わったエリスティナ、改めエリナは強く心に決めている。 「もう二度と、竜種とかかわらないで生きていこう!」 たったひとつ、心残りは前世で捨てられていた卵から孵ったはちみつ色の髪をした竜種の雛のこと。クリスと名付け、かわいがっていたその少年のことだけが忘れられない。 そんなある日、エリナのもとへ、今代竜王の遣いがやってくる。 はちみつ色の髪をした竜王曰く。 「あなたが、僕の運命の番だからです。エリナ。愛しいひと」 番なんてもうこりごり、そんなエリナとエリナを一身に愛する竜王のラブロマンス・ファンタジー!

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。 はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?

元お助けキャラ、死んだと思ったら何故か孫娘で悪役令嬢に憑依しました!?

冬野月子
恋愛
乙女ゲームの世界にお助けキャラとして転生したリリアン。 無事ヒロインを王太子とくっつけ、自身も幼馴染と結婚。子供や孫にも恵まれて幸せな生涯を閉じた……はずなのに。 目覚めると、何故か孫娘マリアンヌの中にいた。 マリアンヌは続編ゲームの悪役令嬢で第二王子の婚約者。 婚約者と仲の悪かったマリアンヌは、学園の階段から落ちたという。 その婚約者は中身がリリアンに変わった事に大喜びで……?!

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

処理中です...