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「あら、ダリル様。お久しぶりね」
王妃達の前に来ると、ダリルが挨拶をする前に王妃ミレーヌが話しかけて来た。ダリルは、笑顔を浮かべながらミレーヌに挨拶をする。
「お久しぶりです、ミレーヌ様。あいも変わらず、お元気そうで何よりです」
「ふふっ。ダリル様は、相変わらずお美しいですね。今日は、ミランダは来ていないのですか?」
「えぇ。妻は、息子と共に王都の邸宅で帰りを待っています」
「ミランダも、変わりありませんか?手紙のやり取りで元気だとは書いてありましたが、手紙ではそれが本当の事か分からない事もありますから」
そう言って、ミレーヌは意味ありげにダリルを見る。その視線に、ダリルは苦笑いを浮かべる。
「まだ、あの事を根に持っているんですか…?」
「当然です。私は、あの時の事を決して忘れないわ。勿論、それに関わった貴方やミランダ、それに陛下とジルロ様の事も」
「ですが、そのお陰で陛下は美しい王妃を娶る事が出来たのです。それに、ミレーヌ様も大変優秀で可愛らしい王子達をその腕に抱く事が出来たのです。それで許してはくれませんか?」
「その事に関しては感謝しています。…ですが、それとこれとは話が別です」
そう言って扇子をパシッと閉じたミレーヌは、ダリルの足元に視線を向ける。足元で二人の親しげな会話を聞いていたサーシャは、バッチリと視線が合う。
「まぁ!この子が、サーシャね!初めまして、私はミレーヌ。貴女の母であるミランダのお友達よ」
「初めまして王妃様。アベルシュタイン家が娘、サーシャ・アベルシュタインと申します」
そう言って、ドレスの裾をちょこんと摘んで淑女の礼をする。その子供ながらに洗礼された動きに、ミレーヌは感心した様に口を開く。
「手紙に書いてあった通り、本当に聡明そうな子供ね。それに、流石は貴方とミランダ達の子供ね。アランくんもそうだったけれど、本当に顔が整っているわ」
その言葉に、ダリルは当然だと言わんばかりに大きく頷く。
「それは当然でしょう。なんたってうちのサーシャは、この地に舞い降りた天使ーー」
「王妃様!次の挨拶の方が居ますので、私達はこれで失礼致します」
また、此方が恥ずかしくなる程の長い娘自慢が始まりそうになり、サーシャは慌ててダリルの服を引っ張りミレーヌに挨拶をする。ミレーヌは楽しそうに笑いながら、サーシャの言葉に頷く。
「そうね。ダリル様の娘自慢はまた今度聞きましょう。他の方の挨拶が終わったら、息子の紹介をするわ。それまで楽しんでね」
「はい。それでは失礼します」
王妃の言葉に頷き、サーシャはダリルを引っ張ってその場を後にした。
王妃達の前に来ると、ダリルが挨拶をする前に王妃ミレーヌが話しかけて来た。ダリルは、笑顔を浮かべながらミレーヌに挨拶をする。
「お久しぶりです、ミレーヌ様。あいも変わらず、お元気そうで何よりです」
「ふふっ。ダリル様は、相変わらずお美しいですね。今日は、ミランダは来ていないのですか?」
「えぇ。妻は、息子と共に王都の邸宅で帰りを待っています」
「ミランダも、変わりありませんか?手紙のやり取りで元気だとは書いてありましたが、手紙ではそれが本当の事か分からない事もありますから」
そう言って、ミレーヌは意味ありげにダリルを見る。その視線に、ダリルは苦笑いを浮かべる。
「まだ、あの事を根に持っているんですか…?」
「当然です。私は、あの時の事を決して忘れないわ。勿論、それに関わった貴方やミランダ、それに陛下とジルロ様の事も」
「ですが、そのお陰で陛下は美しい王妃を娶る事が出来たのです。それに、ミレーヌ様も大変優秀で可愛らしい王子達をその腕に抱く事が出来たのです。それで許してはくれませんか?」
「その事に関しては感謝しています。…ですが、それとこれとは話が別です」
そう言って扇子をパシッと閉じたミレーヌは、ダリルの足元に視線を向ける。足元で二人の親しげな会話を聞いていたサーシャは、バッチリと視線が合う。
「まぁ!この子が、サーシャね!初めまして、私はミレーヌ。貴女の母であるミランダのお友達よ」
「初めまして王妃様。アベルシュタイン家が娘、サーシャ・アベルシュタインと申します」
そう言って、ドレスの裾をちょこんと摘んで淑女の礼をする。その子供ながらに洗礼された動きに、ミレーヌは感心した様に口を開く。
「手紙に書いてあった通り、本当に聡明そうな子供ね。それに、流石は貴方とミランダ達の子供ね。アランくんもそうだったけれど、本当に顔が整っているわ」
その言葉に、ダリルは当然だと言わんばかりに大きく頷く。
「それは当然でしょう。なんたってうちのサーシャは、この地に舞い降りた天使ーー」
「王妃様!次の挨拶の方が居ますので、私達はこれで失礼致します」
また、此方が恥ずかしくなる程の長い娘自慢が始まりそうになり、サーシャは慌ててダリルの服を引っ張りミレーヌに挨拶をする。ミレーヌは楽しそうに笑いながら、サーシャの言葉に頷く。
「そうね。ダリル様の娘自慢はまた今度聞きましょう。他の方の挨拶が終わったら、息子の紹介をするわ。それまで楽しんでね」
「はい。それでは失礼します」
王妃の言葉に頷き、サーシャはダリルを引っ張ってその場を後にした。
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