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No.41 ???side①
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舗装された道を、殆ど揺れる事なく一台の豪華な馬車が進む。流石は、貴族街とでも言うべきか。馬車に乗って移動する貴族達への負担や不快感をなくし移動効率を上げる為にと、近年国王は道の舗装などに力を入れている。
移動効率が上がると、有事の際に色々な事がスムーズに進む。国内外で、これといった問題が起こっていない今だからこそ、国王は国内の道の舗装を急ピッチで始めたのだ。これにより、馬車での移動の際に「腰が痛くなる」やら「気持ち悪くなる」などの今までの悩みの種が解消され、国王の人気はうなぎ登りだ。
そんな恩恵にあやかっている馬車の中にいる青年は、眉間にシワを寄せて座席に座っていた。そうして、心底面倒そうな声で目の前に座る馬車の持ち主に向かって口を開く。
「………何で、俺まで一緒に行かなくちゃいけないんですか?」
「だって、私一人じゃ緊張しちゃうじゃないか」
「だから、歳上の君について来てもらったんだ」と微笑むのは、この国の第一王子クリスである。
(何が、『一人だと緊張する』だ。相変わらず、面の皮が厚い奴だな)
青年は即座にそう思ってが、仮にも自身より5歳も年下の少年は王族だ。どんなに相手の性格を知り尽くし、親しくても決して声には出さなかった。
「そうそう、聞いたよ?また、お見合いが失敗したんだってね」
クリスは、いかにも面白そうに聞いてくる。
(チッ…!一体、何処でその情報を掴んでくるんだか …)
この情報は、外部に漏れない様にした筈なのだが….。
「………そうですが」
「一体、相手の何が気に入らなかったんだい?相手は、由緒ある伯爵家のご令嬢だと聞いたよ?私は会った事ないけど、社交界では中々の美少女だと噂されてるんだよね」
美少女と言う言葉に、青年は鼻で笑った。
「まぁ、確かに顔は中々でしたよ。あの分厚い厚化粧と、甘ったるい香水の匂いを振り撒いていなかったら縁談は纏まっていたかも知れませんね」
「嘘ばっか。君は、それらが無くても婚約する気は無かっただろう?相手が物凄い美女でもブサイクでも、貴族だろうが平民だろうが。………だって君は、強い女性が好きだもんね」
「………。」
青年は、クリスの言葉を否定しない。
それが事実だからである。
「何ならいっその事、女性騎士とお見合いすれば良いんじゃない?」
「……別に、俺は剣が強い女性が好きな訳じゃない。確かに剣の腕が良いのは好意が持てるが、俺は心の強い女性が好きなんだ」
青年は、流れ行く窓の景色を見ながらそう言った。
移動効率が上がると、有事の際に色々な事がスムーズに進む。国内外で、これといった問題が起こっていない今だからこそ、国王は国内の道の舗装を急ピッチで始めたのだ。これにより、馬車での移動の際に「腰が痛くなる」やら「気持ち悪くなる」などの今までの悩みの種が解消され、国王の人気はうなぎ登りだ。
そんな恩恵にあやかっている馬車の中にいる青年は、眉間にシワを寄せて座席に座っていた。そうして、心底面倒そうな声で目の前に座る馬車の持ち主に向かって口を開く。
「………何で、俺まで一緒に行かなくちゃいけないんですか?」
「だって、私一人じゃ緊張しちゃうじゃないか」
「だから、歳上の君について来てもらったんだ」と微笑むのは、この国の第一王子クリスである。
(何が、『一人だと緊張する』だ。相変わらず、面の皮が厚い奴だな)
青年は即座にそう思ってが、仮にも自身より5歳も年下の少年は王族だ。どんなに相手の性格を知り尽くし、親しくても決して声には出さなかった。
「そうそう、聞いたよ?また、お見合いが失敗したんだってね」
クリスは、いかにも面白そうに聞いてくる。
(チッ…!一体、何処でその情報を掴んでくるんだか …)
この情報は、外部に漏れない様にした筈なのだが….。
「………そうですが」
「一体、相手の何が気に入らなかったんだい?相手は、由緒ある伯爵家のご令嬢だと聞いたよ?私は会った事ないけど、社交界では中々の美少女だと噂されてるんだよね」
美少女と言う言葉に、青年は鼻で笑った。
「まぁ、確かに顔は中々でしたよ。あの分厚い厚化粧と、甘ったるい香水の匂いを振り撒いていなかったら縁談は纏まっていたかも知れませんね」
「嘘ばっか。君は、それらが無くても婚約する気は無かっただろう?相手が物凄い美女でもブサイクでも、貴族だろうが平民だろうが。………だって君は、強い女性が好きだもんね」
「………。」
青年は、クリスの言葉を否定しない。
それが事実だからである。
「何ならいっその事、女性騎士とお見合いすれば良いんじゃない?」
「……別に、俺は剣が強い女性が好きな訳じゃない。確かに剣の腕が良いのは好意が持てるが、俺は心の強い女性が好きなんだ」
青年は、流れ行く窓の景色を見ながらそう言った。
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