極妻、乙女ゲームの世界に悪役令嬢として転生しちゃいました!

ハルン

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No.47

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ーートントン。

「はい」
「失礼します」

ノックの音と共に、この家の有能執事長セバスチャンが入って来る。

「セバス?どうしたんだ?まだ、父様達は話し合いの最中だろう?」
「はい。しかし、旦那様がアラン様を呼んでおります」
「俺だけ?」

アランは、不思議そうに首を傾げる。

「はい、アラン様だけをお呼びです。申し訳ありませんが、サーシャ様はもう暫く此方でお待ち下さい」
「わかったわ」
「サーシャ、いいのかい?何なら、俺と一緒に来るかい?」
「ううん。呼ばれてるのは、アラン兄様だけなのよ?それなのに、一緒になんて行けないわ」
「大丈夫。一緒に行っても、父様は勿論だけど母様も怒らないよ」

確かに、自分を溺愛する両親はサーシャを怒らないだろう。ーーだが、今は客人がいるのだ。

(呼ばれてもいない娘が一緒に行ったら、客人に失礼でしょ…)

「アラン兄様。今はお客様が居るのよ?それなのに、自分が寂しいからって呼ばれても居ないのに一緒についていく様な我儘な事出来ないわ」
「そうですよ、アラン様。それに、一緒に行きたいのはアラン様自身の我儘でしょう?サーシャ様と一緒に居たいからと言って、連れて行こうとしないで下さい」

サーシャの言葉に、全くその通りだとセバスチャンも頷く。自分の見方が居ないと悟ったアランは、不貞腐れる。

「わかったよ。行けばいいんだろ、行けば。一人寂しく、可愛い妹を置いて行きますよ。嗚呼、俺は寂して死んでしまいそうだよ…」

渋々立ち上がったアランは、そう不満げに言いながら控え室を出て行く。

「ーー全く、アラン様には困ったものです。サーシャ様が大好きなのは分かりますが、せめてお客様がいる時くらいは妹離れして欲しいですね」

(本当に…)

「それでは、私も旦那様の元へ戻ります。何かありましたら、扉の外にいるメイドに言付けて下さいませ」
「うん」

そうして、セバスチャンも部屋から出て行く。すると、部屋の中にはサーシャ1人となる。

(ふぅ~)

静かになった部屋の中、サーシャは置いてあるこの国の歴史書を読んで時間を潰す。


ーーそれから、どの位経っただろう。


ペラペラと、本のページを捲る音だけが部屋に響く。二度目のお代わりした紅茶に本を読みながら口を付けると、既に冷たくなっていた。そこで漸く、結構な時間が経っている事に気が付いた。

「暇だなぁ…」

ポツリと、そんな声が口らから漏れる。
そろそろ、話し合いは終わっただろうか。

サーシャがそう思った時。

ーートントン。

部屋の扉がノックされたのだった。

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