21 / 243
第1章
No.20
(緊張する…)
私は今、リディアさんに案内された応接室でアルフォンスさんを待っていた。
庭の散歩から戻った後、朝食にハムとチーズ、それにレタスの様な野菜を挟んだパン。そしてリーゴンという林檎にそっくりの果物を食べた。
朝食を食べ終わり一息つく。
窓の外を見ると、少し遠くに見える街の人々が道を歩いたり動き出している。そんな街の様子を見ていると、リディアさんに応接室に案内された。
「それでは、これからアルフォンス様を呼んできますので此方でお待ち下さい」
「はい」
紅茶を用意して部屋を出たリディアさんを見送る。
(まず、何を聞こう…?元の世界に変える方法?それより、助けてくれた竜にお礼を言って…)
そんな事を考えていると、ガチャっと扉が開いて最初に、とてもカッコいい20代前半くらいの男性が入って来た。その後に、リディアさんとアモウお爺ちゃんが入って来る。
(うわ…っ。カッコいい…)
燃える様な長い赤い髪を青い紐で1つに結んだ、背の高い男性。190はあるだろうか?160程の身長の私は首が痛くなる程見上げなければいけない。
キリッとした翠の瞳が私を映すと、途端に緩まり甘い雰囲気を醸し出す。
(…っ!!)
まるで愛しいものを見る様な目で見られて顔が赤くなるのが分かった。
生まれて18年間、一度も彼氏が出来た事がないのだ。それなのに、こんなカッコいい人にあんな目で見られたら誰だって赤くなると思う。
(落ち着け!落ち着け私!!)
ドキドキしている心臓の音がこの人に聞こえないか不安になる。
「………初めまして。私は、この屋敷の主人のアルフォンス・サザーランドだ。アルと呼んでくれ」
低く落ち着いた、でも何処か色気がある声にハッと我に返る。
(見惚れてる場合じゃないでしょ!)
「あっ、私はーー」
「待ってくれ」
慌てて自己紹介をしようとしたら、アルフォンスさんは片手を上げて言葉を止める。
「?」
「君の名前は、私が全て話終わって…それでも教えても良いと思ったら教えてくれ」
「…はぁ」
よく分からなかったが、余りにも真剣な表情のアルフォンスさんを見て頷く。
「ありがとう。…聞きたい事は、色々あると思う。だが、まず初めに言っておく。君は元々こちらの世界の人間なんだ」
そう言って、アルフォンスさんは話し出した。
18年前、人間の国で出会った「運命の番」である赤ん坊の私を見てプライドの高かったアルフォンスさんが『いらない』と言った途端、不思議な声と共に私が消えた事。
18年もの間、私から実の家族を奪ってしまった事。そして、数日前に突然私が戻って来た事。
「……私のくだらないプライドの所為で18年という長い時間、君から家族を奪ってしまい本当に申し訳ない」
そうして全てを話したアルフォンスさんは、私に深く頭を下げた。
私は今、リディアさんに案内された応接室でアルフォンスさんを待っていた。
庭の散歩から戻った後、朝食にハムとチーズ、それにレタスの様な野菜を挟んだパン。そしてリーゴンという林檎にそっくりの果物を食べた。
朝食を食べ終わり一息つく。
窓の外を見ると、少し遠くに見える街の人々が道を歩いたり動き出している。そんな街の様子を見ていると、リディアさんに応接室に案内された。
「それでは、これからアルフォンス様を呼んできますので此方でお待ち下さい」
「はい」
紅茶を用意して部屋を出たリディアさんを見送る。
(まず、何を聞こう…?元の世界に変える方法?それより、助けてくれた竜にお礼を言って…)
そんな事を考えていると、ガチャっと扉が開いて最初に、とてもカッコいい20代前半くらいの男性が入って来た。その後に、リディアさんとアモウお爺ちゃんが入って来る。
(うわ…っ。カッコいい…)
燃える様な長い赤い髪を青い紐で1つに結んだ、背の高い男性。190はあるだろうか?160程の身長の私は首が痛くなる程見上げなければいけない。
キリッとした翠の瞳が私を映すと、途端に緩まり甘い雰囲気を醸し出す。
(…っ!!)
まるで愛しいものを見る様な目で見られて顔が赤くなるのが分かった。
生まれて18年間、一度も彼氏が出来た事がないのだ。それなのに、こんなカッコいい人にあんな目で見られたら誰だって赤くなると思う。
(落ち着け!落ち着け私!!)
ドキドキしている心臓の音がこの人に聞こえないか不安になる。
「………初めまして。私は、この屋敷の主人のアルフォンス・サザーランドだ。アルと呼んでくれ」
低く落ち着いた、でも何処か色気がある声にハッと我に返る。
(見惚れてる場合じゃないでしょ!)
「あっ、私はーー」
「待ってくれ」
慌てて自己紹介をしようとしたら、アルフォンスさんは片手を上げて言葉を止める。
「?」
「君の名前は、私が全て話終わって…それでも教えても良いと思ったら教えてくれ」
「…はぁ」
よく分からなかったが、余りにも真剣な表情のアルフォンスさんを見て頷く。
「ありがとう。…聞きたい事は、色々あると思う。だが、まず初めに言っておく。君は元々こちらの世界の人間なんだ」
そう言って、アルフォンスさんは話し出した。
18年前、人間の国で出会った「運命の番」である赤ん坊の私を見てプライドの高かったアルフォンスさんが『いらない』と言った途端、不思議な声と共に私が消えた事。
18年もの間、私から実の家族を奪ってしまった事。そして、数日前に突然私が戻って来た事。
「……私のくだらないプライドの所為で18年という長い時間、君から家族を奪ってしまい本当に申し訳ない」
そうして全てを話したアルフォンスさんは、私に深く頭を下げた。
あなたにおすすめの小説
【完結】2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜
雨香
恋愛
美しく優しい狼獣人の彼に自分とは違うもう一人の番が現れる。
彼と同じ獣人である彼女は、自ら身を引くと言う。
自ら身を引くと言ってくれた2番目の番に心を砕く狼の彼。
「辛い選択をさせてしまった彼女の最後の願いを叶えてやりたい。彼女は、私との思い出が欲しいそうだ」
異世界に召喚されて狼獣人の番になった主人公の溺愛逆ハーレム風話です。
異世界激甘溺愛ばなしをお楽しみいただければ。
私、異世界で獣人になりました!
星宮歌
恋愛
昔から、人とは違うことを自覚していた。
人としておかしいと思えるほどの身体能力。
視力も聴力も嗅覚も、人間とは思えないほどのもの。
早く、早くといつだって体を動かしたくて仕方のない日々。
ただ、だからこそ、私は異端として、家族からも、他の人達からも嫌われていた。
『化け物』という言葉だけが、私を指す呼び名。本当の名前なんて、一度だって呼ばれた記憶はない。
妹が居て、弟が居て……しかし、彼らと私が、まともに話したことは一度もない。
父親や母親という存在は、衣食住さえ与えておけば、後は何もしないで無視すれば良いとでも思ったのか、昔、罵られた記憶以外で話した記憶はない。
どこに行っても、異端を見る目、目、目。孤独で、安らぎなどどこにもないその世界で、私は、ある日、原因不明の病に陥った。
『動きたい、走りたい』
それなのに、皆、安静にするようにとしか言わない。それが、私を拘束する口実でもあったから。
『外に、出たい……』
病院という名の牢獄。どんなにもがいても、そこから抜け出すことは許されない。
私が苦しんでいても、誰も手を差し伸べてはくれない。
『助、けて……』
救いを求めながら、病に侵された体は衰弱して、そのまま……………。
「ほぎゃあ、おぎゃあっ」
目が覚めると、私は、赤子になっていた。しかも……。
「まぁ、可愛らしい豹の獣人ですわねぇ」
聞いたことのないはずの言葉で告げられた内容。
どうやら私は、異世界に転生したらしかった。
以前、片翼シリーズとして書いていたその設定を、ある程度取り入れながら、ちょっと違う世界を書いております。
言うなれば、『新片翼シリーズ』です。
それでは、どうぞ!
呪われた黒猫と蔑まれた私ですが、竜王様の番だったようです
シロツメクサ
恋愛
ここは竜人の王を頂点として、沢山の獣人が暮らす国。
厄災を運ぶ、不吉な黒猫──そう言われ村で差別を受け続けていた黒猫の獣人である少女ノエルは、愛する両親を心の支えに日々を耐え抜いていた。けれど、ある日その両親も土砂崩れにより亡くなってしまう。
不吉な黒猫を産んだせいで両親が亡くなったのだと村の獣人に言われて絶望したノエルは、呼び寄せられた魔女によって力を封印され、本物の黒猫の姿にされてしまった。
けれど魔女とはぐれた先で出会ったのは、なんとこの国の頂点である竜王その人で──……
「やっと、やっと、見つけた──……俺の、……番……ッ!!」
えっ、今、ただの黒猫の姿ですよ!? というか、私不吉で危ないらしいからそんなに近寄らないでー!!
「……ノエルは、俺が竜だから、嫌なのかな。猫には恐ろしく感じるのかも。ノエルが望むなら、体中の鱗を剥いでもいいのに。それで一生人の姿でいたら、ノエルは俺にも自分から近付いてくれるかな。懐いて、あの可愛い声でご飯をねだってくれる?」
「……この周辺に、動物一匹でも、近づけるな。特に、絶対に、雄猫は駄目だ。もしもノエルが……番として他の雄を求めるようなことがあれば、俺は……俺は、今度こそ……ッ」
王様の傍に厄災を運ぶ不吉な黒猫がいたせいで、万が一にも何かあってはいけない! となんとか離れようとするヒロインと、そんなヒロインを死ぬほど探していた、何があっても逃さない金髪碧眼ヤンデレ竜王の、実は持っていた不思議な能力に気がついちゃったりするテンプレ恋愛ものです。
世界観はゆるふわのガバガバでつっこみどころいっぱいなので何も考えずに読んでください。
※ヒロインは大半は黒猫の姿で、その正体を知らないままヒーローはガチ恋しています(別に猫だから好きというわけではありません)。ヒーローは金髪碧眼で、竜人ですが本編のほとんどでは人の姿を取っています。ご注意ください。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
番は君なんだと言われ王宮で溺愛されています
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私ミーシャ・ラクリマ男爵令嬢は、家の借金の為コッソリと王宮でメイドとして働いています。基本は王宮内のお掃除ですが、人手が必要な時には色々な所へ行きお手伝いします。そんな中私を番だと言う人が現れた。えっ、あなたって!?
貧乏令嬢が番と幸せになるまでのすれ違いを書いていきます。
愛の花第2弾です。前の話を読んでいなくても、単体のお話として読んで頂けます。
前世で孵した竜の卵~幼竜が竜王になって迎えに来ました~
高遠すばる
恋愛
エリナには前世の記憶がある。
先代竜王の「仮の伴侶」であり、人間貴族であった「エリスティナ」の記憶。
先代竜王に真の番が現れてからは虐げられる日々、その末に追放され、非業の死を遂げたエリスティナ。
普通の平民に生まれ変わったエリスティナ、改めエリナは強く心に決めている。
「もう二度と、竜種とかかわらないで生きていこう!」
たったひとつ、心残りは前世で捨てられていた卵から孵ったはちみつ色の髪をした竜種の雛のこと。クリスと名付け、かわいがっていたその少年のことだけが忘れられない。
そんなある日、エリナのもとへ、今代竜王の遣いがやってくる。
はちみつ色の髪をした竜王曰く。
「あなたが、僕の運命の番だからです。エリナ。愛しいひと」
番なんてもうこりごり、そんなエリナとエリナを一身に愛する竜王のラブロマンス・ファンタジー!
私のことが大好きな守護竜様は、どうやら私をあきらめたらしい
鷹凪きら
恋愛
不本意だけど、竜族の男を拾った。
家の前に倒れていたので、本当に仕方なく。
そしたらなんと、わたしは前世からその人のつがいとやらで、生まれ変わる度に探されていたらしい。
いきなり連れて帰りたいなんて言われても、無理ですから。
そんなふうに優しくしたってダメですよ?
ほんの少しだけ、心が揺らいだりなんて――
……あれ? 本当に私をおいて、ひとりで帰ったんですか?
※タイトル変更しました。
旧題「家の前で倒れていた竜を拾ったら、わたしのつがいだと言いだしたので、全力で拒否してみた」
番探しにやって来た王子様に見初められました。逃げたらだめですか?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私はスミレ・デラウェア。伯爵令嬢だけど秘密がある。長閑なぶどう畑が広がる我がデラウェア領地で自警団に入っているのだ。騎士団に入れないのでコッソリと盗賊から領地を守ってます。
そんな領地に王都から番探しに王子がやって来るらしい。人が集まって来ると盗賊も来るから勘弁して欲しい。
お転婆令嬢が番から逃げ回るお話しです。
愛の花シリーズ第3弾です。