どうやら私は竜騎士様の運命の番みたいです!!

ハルン

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第2章

No.169

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ーーあぁ、これは夢だ。

真琴は、目の前の光景を見てそう思った。

真琴は一人、暗い空間に立っていた。一寸先も闇に覆われているのに、何故か真琴自身は見える。以前、蛇獣人に精神魔法をかけられた時は恐怖を感じた暗闇。だが、今回は不安も今日も感じなかった。

そんな暗闇の中を、どれくらい彷徨っていただろう。

『………』

何処からか、誰かの泣き声が聞こえて来る。
何故だかその声がとても気になり、声のする方へ進む。暫く進むと、目の前に一人の人物が地面に座り込んでいるのが視界に映った。

『………っ』

しくしくと声を上げずに泣くその後ろ姿に、何故だか胸が張り裂けそうなほど痛む。

ーーお願い、泣かないで。

「……あの、どうしたんですか?」

気が付けば、真琴はその人物に声をかけていた。

『っ!』

真琴の声に反応して、その人物は勢いよくこちらを振り返る。

(綺麗……)

腰まである銀色の美しく輝く髪。同じ色の睫毛が縁取る中の瞳は、うっすらと輝く金色。現実離れした中性的な美貌のその人は、涙に濡れた瞳で真琴を見る。

『………何故』

その人の声は、とても美しかった。

『何故、君が此処に……?』
「えっと…」

何故と言われても、気が付いたら此処にいたのだ。

(それより、これって夢……だよね?)

最初に、自分はそう思った。
なのにこの人を見つけた途端、夢か現実か分からなくなってしまった。

『あぁ、そうか。あの子達が言付け通りに「加護」を与えたからか。………まさか、此処に来られるほど私達と相性がいいなんて』

その美しい人物は、一人で何か納得した様だ。

(一体、何を言ってるんだろう?)

意味はわからないが、目の前の人物が泣き止んだ事に真琴は安堵した。

『真琴』
「えっ?」

目の前の人物に、いきなり名前を呼ばれて驚く。真琴の名前を知っている事もそうだが、何より「真琴」とちゃんとした発音で呼ばれた事に驚いた。真琴の名前は、この世界の人々には発音しに行くらしく、ちゃんと呼べるのはアルフォンスだけだったからだ。

『真琴、お願いがあるんだ』

その人は、立ち上がり真琴の目の前に立つ。
座っていたから分からなかったが、立つとアルフォンス程の身長があった。

『此処から現実に戻ったら、ファウアームの地下にある水晶を壊してくれ』
「水晶……?」
『そうだ。そこに、私の大切な人が閉じ込められているんだ。私では、その水晶を壊せない。………だから、お願いだ。その水晶を君が壊してくれ』

その人は、涙を流しながら真琴に何度もお願いする。

「………わかりました。私、その水晶を壊します。だから、泣き止んで下さい」

この人が誰だとか、水晶に閉じ込められた大切な人とは誰なのかとか、何故、真琴に頼むのかとか。

一瞬、それらの考えが過ぎったが真琴は深く考えずに直ぐに了承した。ただ、この人の涙を止めたかった。

『ありがとう』

安堵した様に笑うその姿が、ゆっくりと滲んでいく。

『真琴、その水晶はーー』

意識が途切れるその瞬間、その人が言った言葉に真琴は驚きで目見開いた。

それが本当か聞こうとしたが、そこで真琴の意識は途切れてしまった。


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