私は異世界によく召喚される

ハルン

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目を開けると別の場所

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まぶたの裏の光がゆっくりと収まる。

(何?何が起こったの?)

混乱する私の鼻に少し湿った空気の匂いが届く。遠くで水滴が落ちる音と何人かの小さな息遣いが聞こえる。

(息遣い…?)

恐る恐る目を開けるとそこは、さっきまでいた玄関では無かった。

窓一つ無い暗い石で出来た部屋。私は部屋の中央にある魔法陣の上に立っていた。そんな私を取り囲むように、アニメで見た神官が着ているような白いローブを着た6人の男の人達が祈りのポーズをしていた。

「…何処ここ?」

そんな事を口にはしたが、頭の何処かでは確信があった。


ーー異世界


現代の日本には、異世界転生やら異世界召喚されるなどの小説やアニメが腐る程ある。現代に生きる者なら一度は見た事があるはずだ。そんな私も、小説やらアニメを見た事がある。

『いいな~!私も一度でいいから異世界に行ってみたいっ!』
『姉ちゃん、何馬鹿なこと言ってんの?』

そんな風に叫んだ私を、弟は呆れたように見ていた。だが、誰でも一度は思う事だろう。
現実にはあり得ない異世界に行きたいと誰もが一度は思うはずだ。

「う…そでしょ?」

だがそれは、あり得ないと分かっているから思うのだ。冷静に考えて、常識や言葉など何もかもが違うかも知れない世界に突然行きたいと誰が思うのだ。

ヒロインやヒーローの様に召喚され保護されるならまだ良い。言葉が通じるなら儲けもの。
しかし、そんな都合のいい展開になるのは殆どが小説やアニメの主人公だけだ。

「ようこそ、世界を超えし異世界のお方」

ぼんやりしていると、目の前の神官らしき白い髭の生えたお爺ちゃんが話しかけて来た。

(あ、言葉は通じるんだ)

その事に心底ホッとする。
言葉が通じると言う事は、相手と意思疎通ができると言う事だ。

「この度は、いきなり貴女様をこちらの世界に呼んだご無礼をお許し下さい。私は、ペチュア王国の神官長を務めるダンブルグと申します」
「あ、どうも。リョーコと言います」

丁寧な挨拶に咄嗟に自分も名乗る。だが、ちゃんとした発音では無く簡単にした名前だ。
名乗る瞬間、いつか見たアニメで本名を名乗って魂を縛られ隷属させられた主人公を思い出したのだ。

(異世界ものの小説やアニメとか見といて良かった!!)

もし帰ったら、家族や友達に異世界ものの小説やアニメをしっかり見るように教えようと強く思った。




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