13 / 38
新たな人生
愛情が全身から迸る
しおりを挟む
レムリアに抱きつきながら、身体全体で大好きと訴えるリュシル。
(何だか犬に見えて来た)
今世では、私も彼等も人間だ。
多分、前世の私が獣人の本能でもある番への執着に疲れていたからだと思う。
「ねぇレムリア」
「ん?」
「大人になったら僕と結婚してくれる?」
頬をほんのり赤く染め、上目遣いでこちらを伺うリュシル。
(うわー。マジで可愛い。マジ天使)
すると、すかさずローズが自身の弟を小馬鹿にした様に見ながら言った。
「何言ってんのよ。レムリアがアンタなんか相手にするわけないでしょう?鼻水垂らした歳下はお断りよ。歳上になって出直して来なさい」
(ローズさん、垂らしたのは私です)
「別に、姉さんの趣味なんて聞いてないよ。レムリアは、歳上のおじさんになんて興味ないよね?」
その言い方だと、貴方より二歳年上の私はおばさんになる。
「ねぇ、好きだよレムリア。僕とずっと一緒にいて?」
お腹の辺りにぐりぐりと頭を押し付けるリュシル。記憶を思い出すまでは、なんで可愛いのだろうと思っていた。今もその気持ちはあるが、それとは別に困惑も大きかった。
(何でこうなったんだろう?)
現在六歳のリュシルと出会ったのは今から三年前。初めてローズの家に遊びに行った時だ。
当時三歳だったリュシルは、赤いフワッフワの髪にエメラルドの瞳が印象的なとっても可愛い子だった。
「この子が弟のリュシル。先月三歳になったんだ」
「へ~。すっごく可愛いね」
部屋に入った瞬間からレムリアをジッと見つめていたリュシルは、徐に立ち上がりテトテトとレムリアに近付いて来た。そして、レムリアの足にしがみ付きこちらを見上げ。
「ちゅき」
正直、鼻血が出るかと思った。
「ちゅき」
もう一度そう言うと、ギューと小さい手でレムリアの足に必死にしがみ付くリュシルは、とっても愛らしかった。
あれから、彼は私の後をついて回るようになった。帰ろうとすると泣きながら、必死に私を引き止めようとした事は一度や二度ではない。それから三年経った今でも、彼の好意は無くなる事はなく現在まで続いている。
「大好きだよ、レムリア。俺と結婚して?」
さて…一体どうしたものか。
(何だか犬に見えて来た)
今世では、私も彼等も人間だ。
多分、前世の私が獣人の本能でもある番への執着に疲れていたからだと思う。
「ねぇレムリア」
「ん?」
「大人になったら僕と結婚してくれる?」
頬をほんのり赤く染め、上目遣いでこちらを伺うリュシル。
(うわー。マジで可愛い。マジ天使)
すると、すかさずローズが自身の弟を小馬鹿にした様に見ながら言った。
「何言ってんのよ。レムリアがアンタなんか相手にするわけないでしょう?鼻水垂らした歳下はお断りよ。歳上になって出直して来なさい」
(ローズさん、垂らしたのは私です)
「別に、姉さんの趣味なんて聞いてないよ。レムリアは、歳上のおじさんになんて興味ないよね?」
その言い方だと、貴方より二歳年上の私はおばさんになる。
「ねぇ、好きだよレムリア。僕とずっと一緒にいて?」
お腹の辺りにぐりぐりと頭を押し付けるリュシル。記憶を思い出すまでは、なんで可愛いのだろうと思っていた。今もその気持ちはあるが、それとは別に困惑も大きかった。
(何でこうなったんだろう?)
現在六歳のリュシルと出会ったのは今から三年前。初めてローズの家に遊びに行った時だ。
当時三歳だったリュシルは、赤いフワッフワの髪にエメラルドの瞳が印象的なとっても可愛い子だった。
「この子が弟のリュシル。先月三歳になったんだ」
「へ~。すっごく可愛いね」
部屋に入った瞬間からレムリアをジッと見つめていたリュシルは、徐に立ち上がりテトテトとレムリアに近付いて来た。そして、レムリアの足にしがみ付きこちらを見上げ。
「ちゅき」
正直、鼻血が出るかと思った。
「ちゅき」
もう一度そう言うと、ギューと小さい手でレムリアの足に必死にしがみ付くリュシルは、とっても愛らしかった。
あれから、彼は私の後をついて回るようになった。帰ろうとすると泣きながら、必死に私を引き止めようとした事は一度や二度ではない。それから三年経った今でも、彼の好意は無くなる事はなく現在まで続いている。
「大好きだよ、レムリア。俺と結婚して?」
さて…一体どうしたものか。
1
あなたにおすすめの小説
初恋の人と再会したら、妹の取り巻きになっていました
山科ひさき
恋愛
物心ついた頃から美しい双子の妹の陰に隠れ、実の両親にすら愛されることのなかったエミリー。彼女は妹のみの誕生日会を開いている最中の家から抜け出し、その先で出会った少年に恋をする。
だが再会した彼は美しい妹の言葉を信じ、エミリーを「妹を執拗にいじめる最低な姉」だと思い込んでいた。
なろうにも投稿しています。
何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。
自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。
彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。
そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。
大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…
【完結】婚約者と養い親に不要といわれたので、幼馴染の側近と国を出ます
衿乃 光希
恋愛
卒業パーティーの最中、婚約者から突然婚約破棄を告げられたシェリーヌ。
婚約者の心を留めておけないような娘はいらないと、養父からも不要と言われる。
シェリーヌは16年過ごした国を出る。
生まれた時からの側近アランと一緒に・・・。
第18回恋愛小説大賞エントリーしましたので、第2部を執筆中です。
第2部祖国から手紙が届き、養父の体調がすぐれないことを知らされる。迷いながらも一時戻ってきたシェリーヌ。見舞った翌日、養父は天に召された。葬儀後、貴族の死去が相次いでいるという不穏な噂を耳にする。恋愛小説大賞は51位で終了しました。皆さま、投票ありがとうございました。
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?
きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。
しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……
【書籍化決定】憂鬱なお茶会〜殿下、お茶会を止めて番探しをされては?え?義務?彼女は自分が殿下の番であることを知らない。溺愛まであと半年〜
降魔 鬼灯
恋愛
コミカライズ化決定しました。
ユリアンナは王太子ルードヴィッヒの婚約者。
幼い頃は仲良しの2人だったのに、最近では全く会話がない。
月一度の砂時計で時間を計られた義務の様なお茶会もルードヴィッヒはこちらを睨みつけるだけで、なんの会話もない。
お茶会が終わったあとに義務的に届く手紙や花束。義務的に届くドレスやアクセサリー。
しまいには「ずっと番と一緒にいたい」なんて言葉も聞いてしまって。
よし分かった、もう無理、婚約破棄しよう!
誤解から婚約破棄を申し出て自制していた番を怒らせ、執着溺愛のブーメランを食らうユリアンナの運命は?
全十話。一日2回更新
7月31日完結予定
幼馴染を溺愛する婚約者を懇切丁寧に説得してみた。
ましろ
恋愛
この度、婚約が決まりました。
100%政略。一度もお会いしたことはございませんが、社交界ではチラホラと噂有りの難物でございます。
曰く、幼馴染を溺愛しているとか。
それならばそのお二人で結婚したらいいのに、とは思いますが、決まったものは仕方がありません。
さて、どうしましょうか?
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる