すごいよ!! リヴァイアサン ~神獣様♀に甘やかされた転移召喚師の成り上がり探索記~

Hyronet

文字の大きさ
13 / 15
第一部『異世界転移と冒険者』

実技試験①

しおりを挟む
   ◆

 定刻の七時を15分ほどすぎた頃、俺は冒険者ギルドに駆け込んだ。

「あ、来た来た! もう、試験官がお待ちですよ!」

 アイーシャが待ち構えていたように急かす。
 アイーシャはそのまま、俺を地下の修練場というところまで案内した。
 ランタンを片手に、長い階段を降りていく。

「試験の内容は、いたってシンプルです。先輩の冒険者さんを相手に、戦ってみてください。あ、もちろん剣は模擬刀を使いますし、魔術は〈高度魔流体抑制陣〉によってダメージが抑えられるので死ぬことはありません。安心してくださいね」
「召喚獣は使っていいんだよな?」
「もちろんです。自分のスキルであれば、何を使用しても構いませんよ」

 そこまで話したところで、修練場に到着した。
 そこは大きなドーム状の殺風景な空間で、四方に出入り口が設けられている他は壁の上部にガラス張りの観覧席のようなものが見えるだけだ。
 修練場の真ん中に誰かが立っていた。

「おっそいわよ、もう! 試験官を待たせる新人なんて聞いたことないわ……って、あれ? 昨日の貧乏くん!」

 誰が貧乏くんだ。

「まさか、彼女が試験官……?」

 俺が尋ねると、アイーシャはほっこりと微笑んだ。

「ええ。推薦者の彼女のスケジュールがたまたま空いていたので、うってつけだと思いまして。〈紫電のミア〉にテストしてもらえるなんて、幸運ですよ」

 ミアの強さはすでに目の辺りにしている。
 うーん。あの電撃をもう一度喰らうのか……。
 出来れば無傷で終わりたい。

「では、鐘の音と同時に試験開始です。私は上から上司と一緒に見ていますから、頑張ってくださいね!」

 俺の背中を押すと、アイーシャは通路を戻っていった。
 俺は恐る恐る修練場の中央に足を進める。

「よろしくね。貧乏くん」

 そう言って不敵な笑みを浮かべるミアは、やはり歴戦の雰囲気が漂っている。

「お手柔らかに。マジで」

 そうこうしている内に、鐘の音が響き渡った。

「さぁ、行くわよ! 〈サンダーアロー〉!」

 ミアが高速で詠唱を完了すると、その両手に雷光が纏わりついた。
 それを弓のように引き絞る。

「げっ!」

 俺が慌てて飛び退くと、その場所を雷弾が抉った。

「ちょ……待って――」
「戦場に待ったは無いわよ! さあ、力を見せなさい!」

 飛んでくる雷弾を転がってかわす。
 リヴィアを出すしかないが、上では何やらギルドのお偉いさんが見ているとのことだ。

「リヴィア! 〈擬装〉は大丈夫なんだろうな!?」
『大丈夫だよー!』
「よし! いでよ、【リヴァイアサン】……!」

 カードを放り、リヴィアが現れる。
 APが【115/400】に減少。
 リヴィアを見て、ミアが動きを止めた。

「それが、あなたの手持ちの召喚獣? 人型の〈魔獣〉は初めてだわ。やっぱり、面白いわね、あなた」

 俺はその隙にリヴィアの擬装されたステータスを確認する。
 もし上の観覧席から〈観察〉をされていたら、このステータスを把握されるということだ。


【リヴィア Lv:?
 HP:?
 マナ:?
 攻:? 防:?
 ジョブ:女の子
 スキル:たくさん】


「だぁぁぁ! 雑なんだよ、お前!」
「あ、ばれた? めんどくさくなっちゃって。えへ」

 こちらを振り返って『ぺろっ』と舌をだすリヴィア。

「……? 何のこと? そちらから来ないなら、こちらから行くわよ!」

 ミアが〈観察〉を持っていないらしいことは、不幸中の幸いだった。
 ミアの雷弾がリヴィアに迫る。

「ほいっ」

 リヴィアはそれを片手で弾き飛ばした。

「――!? なんですって!?」

 今度は二連射で放つ。
 一射目は再び弾かれ、二射目は掴みとった手の中で掻き消された。

「信じられない……。これならどう!?」

 ミアが今度は複雑な詠唱を唱え始めた。ミアの周囲に魔術の紋様が浮かび上がる。

「〈サンダーランス〉!」
「おー。すごいすごい」

 巨人の持つ槍のような巨大なエネルギーの塊を見上げて、リヴィアがぱちぱちと拍手をする。

「おい、リヴィア! さすがにヤバそうだぞ!?」
「あっはっは。大丈夫だって」

 脳天気に笑うリヴィア。

「舐められたものね! 喰らいなさい!」

 ミアが手を頭上にかざすと、雷槍がリヴィアへと切っ先を向け降り注いだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!

飼猫タマ
ファンタジー
貧乏準男爵家の三男トト・カスタネット(妾の子)は、13歳の誕生日に貴族では有り得ない『握手』スキルという、握手すると人の名前が解るだけの、全く使えないスキルを女神様から授かる。 貴族は、攻撃的なスキルを授かるものという頭が固い厳格な父親からは、それ以来、実の息子とは扱われず、自分の本当の母親ではない本妻からは、嫌がらせの井戸掘りばかりさせられる毎日。 だが、しかし、『握手』スキルには、有り得ない秘密があったのだ。 なんと、ただ、人と握手するだけで、付随スキルが無限にゲットできちゃう。 その付随スキルにより、今までトト・カスタネットの事を、無能と見下してた奴らを無意識下にザマーしまくる痛快物語。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます

黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

異世界で貧乏神を守護神に選ぶのは間違っているのだろうか?

石のやっさん
ファンタジー
異世界への転移、僕にはもう祝福を受けた女神様が居ます! 主人公の黒木翼はクラスでは浮いた存在だった。 黒木はある理由から人との関りを最小限に押さえ生活していた。 そんなある日の事、クラス全員が異世界召喚に巻き込まれる。 全員が女神からジョブやチートを貰うなか、黒木はあえて断り、何も貰わずに異世界に行く事にした。 その理由は、彼にはもう『貧乏神』の守護神が居たからだ。 この物語は、貧乏神に恋する少年と少年を愛する貧乏神が異世界で暮す物語。 貧乏神の解釈が独自解釈ですので、その辺りはお許し下さい。

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

処理中です...