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第ニ幕
第八章 弔いと決断
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東刃の槍郡にある奏任官の屋敷。部屋の窓ががたがたと風で揺れる。
屋敷の主は夜も更けたと言うのに、客間の机で書面に目を通していた。元来真面目なのだろう。彼は名を恵淑と言った。見た目はまだ若く、三十代手前と言った様子。見目は悪くないが、我の強そうな顔立ちをしている。そんな男は、無情にも道を踏み外していた。
今、恵淑が目を通しているのは、槍郡での金の動きと東刃の官吏の動きが書かれた手簡だ。表に出ることのないそれを読んでは暖炉で燃やしていく。全てを読み終えたところで、眉間に寄っていた皺を伸ばすように指で解して天井を仰ぐ。
彼は機嫌悪そうに、深いため息をついていた。本来ならば、そろそろ槍郡の勅任官への推挙の話が出る頃なのに、全く音沙汰がない。羅芯に送って見張らせていた隠密をわざわざ呼び戻して、使い捨てにしてまで計画を練って勅任官の暗殺を企てたのだ。失敗したとは考えにくいと恵淑は思っていた。彼には一目を置いていたのだ。だからそう簡単に失敗するとは考えられなかった。
それに、ちょうど良く流行った疫病を利用したのだ。勅任官は疫病で死んだと思われているばす。まさか疫病で死んだかも知れない家の中に入るような、酔狂はいないだろう。そんなことをして、病にかかって死んだら馬鹿みたいじゃないか。と、恵淑は思う。
実際、死んだ勅任官が殺されたと言う噂も上がってないし、羅芯や東刃の兵士が聴取に来たとも聞かない。暗殺が明るみに出た訳ではなさそうだった。では、何故、自分の推挙の話が来ないのか。恵淑はそれが不思議でならなかった。
そこに壁を叩く音が四度、等間隔でニ回叩かれる。
「何があった?」
恵淑の声に長身の男が姿を表す。
「…。」
恵淑の声にも答えず、男は手簡を差し出した。恵淑はそれに少しだけ気に食わない顔をするが、礼をしたまま手簡を差し出す男は微動だにしない。恵淑はフンと鼻を鳴らして手簡を受け取る。
机に広げて読み始めた恵淑は、そこに書かれていた内容に目を見張った。
「ふむ。」
恵淑はニヤリと笑みを溢すと、それを隠すように顎に手を当てる。
そこに書かれていたのは、羅芯での状況と使える駒の数。そして、隆盛の暗殺計画だった。どうやら東刃で勅任官を暗殺した隠密が、隆盛に保護されたようだった。隆盛はそれが隠密だとは気付いていないようなのだ。こんな好都合な話があるだろうかと、恵淑は笑わずにはいられない。
一番欲しい自分の推挙の話ではなかったが、隆盛が死に遠文が王になれば羅芯の親任官も夢ではない。こんな四国のひとつではなく、それを束ねる羅芯の親任官になれる可能性を見つけたのだ。
さらに嬉しいことに、隆盛がこの槍郡にやって来るという知らせも書かれていた。何と都合の良いことだと、恵淑はニヤケ顔が止まらない。彼は隆盛に取り入る事も考えていた。これは担保だ。万が一、遠文が失敗しても、自分の疑いを晴らせるようにと、うまく取り入って、出世の道を作れるようにしておく必要があったのだ。
これは、遠文にも気付かれないように行わなくては行けなかったので、こんな絶好の機会が訪れる自分の強運に身体が震える程だった。
「遠文様に東刃の菓子を用意させよう。…お前はもう下がって良い。」
恵淑の言葉を聞いて、控えていた男は一度礼を取ると姿を消す。
すると、恵淑の押し殺した笑い声が薄気味悪く部屋に響き渡るのだった。
―隆盛が突然、東刃の槍郡に行くと言い出した。
今度は連れていってくれると言うので雪は飛んで喜んで、今は嬉しい気持ちに心を踊らせながら、翠と一緒に馬車に乗って見える景色の説明をしていた。
「綾さん、カンカンだったね。」
「うん?あ、ああ。いつものことだろう。」
御者台で馬を操っていた隆盛に、景色の説明を終えた雪が声をかける。何か考え事をしていた様子の隆盛だったが、雪の声に後ろを振り向いた。よそ見していいのだろうか?と、雪は疑問に思うが、隆盛は気にした様子もない。
「…それより、久しぶりの外だろ。何かやりたい事は無いか?」
「え?」
隆盛の言葉に雪と翠は顔を見合わせる。すると、隆盛はつまらなさそうな声でつづけた。
「なんだ、お前たち…せっかく外出られるのに、やりたいこともないのか?」
「え…だってお忍びだよね?綾さんに怒られてまで清めの日にして、槍郡の調査なんじゃないの?」
「ああ、そうだ。」
「なら…」
お忍びで調査なのだから、余計にまずいんじゃないかと再び翠を見ると、彼も呆れた顔をしているように見える。
「少しくらいなら大丈夫だ。せっかくなんだから、息抜きも必要だぞ。」
そういうものなのだろうか…雪が疑問に思っていると、翠が小さく首を左右に振っていた。やはり、普通ではないようだ。
「翠は何かないのか?」
「…ない。雪に任せる。」
逃げた翠をジト目で見ると、フイっとそっぽを向かれてしまう。
「まぁ、槍郡までまだ時間はあるから、それまでに何か考えておけよ。」
そう言って隆盛は前に視線を戻した。
それに安堵したのは、雪の前に座っている李珀だった。隆盛がずっと目を離して馬を走らせるから、気が気じゃない様子だった。
今走っているのは一本道。だから、余程のことがなければ大丈夫だろうが、周りは森なので何が飛び出してきてもおかしくはない。
雪はもう慣れてしまったので気にもしていなかったが、李珀はそうもいかないのだろう。
「李珀、大丈夫?」
「え、ええ。」
困ったように笑って答える李珀。そんな彼は雪にとってお兄さんのような存在だった。本来は隆盛付きの隠密なのだが、隆盛に言われて色々なことをさせられていると、雪は綾から聞いていた。いつもニコニコと笑っているような表情をしていて、のんびりとして穏やかな性格に思えるのだが、隠密らしい一面もしっかりとある。
雪と出会ってすぐの頃は、警戒されていたようでずっとニコニコと笑っていてそれ以外の顔を見せることがなかったのだが、最近では隆盛に怒る姿も見せていた。
何故か翠には警戒心がないのか初めから普通の態度で接していて、雪が少し嫉妬するほどだった。
「御者…私が代わりたいところなのですが…」
そう言って彼は隆盛の方を見るが、隆盛は聞こえているのかいないのか無反応。
「外に出るといつもですね。」
「はい…。どうしても、馬を操りたいようです。全く、困ったお方です。」
「李珀、聞こえているぞ。」
「聞こえるように言っているので、問題ないです。」
しれっと返す李珀に隆盛は肩をすくめた。
それから馬車は走り続けて、槍郡に着いたのは四日後の陽が暮れ始めた頃。その日は適当な宿に入り食事をして、久しぶりの湯船につかって旅の疲れを取る。
部屋は大きな部屋を一つ借りて雑魚寝することにした。
「やりたいこと決まったか?」
「え?…うーん…剣舞が有名なんでしょ。どこかでそれを見たいかな。」
「剣舞か。色々あるんだが…そうだな…よしっ!じゃあ、明日見るか。」
「うん!」
雪が嬉しそうにするのと対照的に、部屋の隅に控えている李珀がため息をついたのが見えた。雪はそれを見てまずかったかなと不安に思うと、再び李珀はため息をついて苦笑する。
「雪様はお気になさらないでください。」
「何か含みのある言い方だな。」
「当たり前じゃないですか。あなたはもっと立場を考えてください。」
「やっぱりお前、綾に似て来たな。」
隆盛は部屋の端で酒を煽りながら、ジト目で見る李珀を見た。
「お前も飲むか?」
「結構です。任務中ですので。」
「固いなぁ。そんなんじゃ異性に好かれないぞ。」
「構いません。あなたの様になりたくありませんので。」
「何だお前、男に興味が…」
「なんでそうなるんですかッ!」
怒る李珀を余所に、隆盛は酒を片手に翠の方へ近寄る。
「翠、気を付けろよ。寝込みを襲われるかも…って、どこ行くんだよ。」
「…。」
何も言わず出ていく翠。それを追いかけたのは雪。
後から李珀が追って来るかと雪は思ったが、追ってくる者も止める者もいなかった。流石に羅芯ではない場所で王を一人にすることはできないのだろう。
雪は翠に追いつくと、少し後ろをついて歩く。翠は雪に気付いていたが、気にした様子もなく黙ったまま歩き続ける。
「…ついて来ても、面白くも何ともないぞ。」
翠がそう言ったのは、宿から離れてしばらく歩いた頃だった。
「い、今それ言うの?」
「道はまっすぐだから、戻れるだろ?」
そう言われて後ろを振り返ると、真っ暗で少し先しか見えない。道はまっすぐだと言うが、所々にある家の明かりが逆に怖さを増している。この時間は人も少なくて不気味な雰囲気がある道。
「こんな暗い道、一人じゃ無理だよ…。」
「お前、本当に怖がりだな。」
何か少し楽しそうに見えるのは、雪の気のせいだろうか。声も楽しそうな色が混ざっているように感じた。
「翠、人をからかって楽しんでない?」
「…気付いたか」
「あっ!気づいたって言った!」
「…お前地獄耳だな。」
翠は楽しそうに笑っている。いじめられたと頬を膨らまして雪が怒ると、翠は声を上げて笑った。
「もぉ、私、怒ってるんだよー!」
「ごめん、ごめんって。」
「むぅ…。」
雪がため息をつくと、翠が雪の手を取る。その手を引いて歩き出せば、薄気味悪い道もどうってことなかった。
気持ちが明るくなって、よく家を見ればおかしなことに気付く。家は続けて並んでおらず、何もない土地だけが広がる場所があるのだ。普通家はある程度の区画に分けられて建てられているのだが、その家は並んでいることの方が多い。なのに、ここはそのつくりとは違っていた。そんな土地だけが広がる場所の一つで翠が立ち止まる。
「こ、ここは…なに?」
雪はよく分からず翠に訪ねてみると、その土地を寂しそうな瞳で見つめながら翠は答える。
「俺が隆盛に拾われた場所だよ。」
「えっ?ここ?屋敷は…」
と、言いかけて翠の言葉の意味を理解して雪は口を閉ざす。
疫病だ。
確か屋敷の者は疫病で死んでいたと、聞いていたのだと雪は思い出した。
翠は屋敷があった場所に硬貨を一枚置いた。これは亡くなった人を弔う時に行う海羅島の習わしなのだ。
雪も慌てて、硬貨を一枚取り出して隣に置く。
「知ってる人だったの?」
「まぁな。…行くぞ。」
そう言うと翠は雪の手を再び取り、宿に戻るための暗い道をしばらく歩いた。これのために出掛けなのかなと雪が思っていると、その途中で道を曲がってしまう。舗装された道ではない背の高い草の中に入って行く翠に、雪は手を引かれるままにしばらく歩く。いつまで続くのだろうかと少し不安に感じ始めた頃、道が開けた。
雪は息を飲んでいた。
「…すごい。」
出てくるのは感嘆の言葉だけ。
二人の目の前に広がるのは水辺だった。湖か池なのか…かなりの広さがある。そこ真っ暗の空間に淡い光が数多の星のように輝いているのだ。それはまるで星空の中にいるような錯覚にさせる。
初めて見る景色に、雪はしばらく言葉を忘れていた。
「…ここはよく来る場所だったの?」
「いや、にん…たまたまこの辺りに用事があって、その時に見つけたんだ。」
「綺麗なところね。この光は?初めて見るわ。」
「光苔。」
「苔なの?浮いてるよね?」
「この時期だけ水面に花を咲かせて、種を飛ばすんだ。それが発光して、この景色をつくる。」
「へぇ…初めて聞いたわ。本にも載ってなかった。」
「だろうな。これは槍郡にしかない珍しい植物なんだよ。」
「詳しいのね。」
と、雪が顔を覗き込めば翠は少し照れ臭そうにして頬を掻いた。
雪が水辺を眺めれば、口を開くものはいなくなり静かな時間が流れる。虫の音色が美しく、さらに幻想的な雰囲気に包まれる。
「あのさ…」
珍しく翠から声をかけてくるのに雪は少しだけ驚いたが、真剣な彼の様子を見て言葉を待った。
「もし、自分にとって大事な人が、大切にしているものを、壊さなきゃいけなくなったら…雪ならどうする?」
「そうね…誰かに相談するわ。」
「誰にも相談できないことだったら?」
「誰にも相談できない?」
「あ、ああ。」
「うーん、それは違うんじゃない?」
「違う?」
翠は分からない、と言った表情を見せる。きっと翠は真面目すぎるのだろう。どうも、自分で抱え込み過ぎている気がするのだ。自分もそうだが、翠もまだ子供なのだ。分からないことは、誰かに頼れば良い。それが正しいかは分からないが、少なくとも雪はそう思って今は生きている。
だけど、翠は違う。人を信用していなさ過ぎるのだ。だから何でも自分だけで抱え込んでしまう。
「それは、誰にも相談できないんじゃなくて、しようとしないんでしょ?」
案の定そんな風に考えたことがないのだろう。翠は虚をつかれた顔をしていた。
「だ、誰かに見張られてて、相談できない状態なら?」
「隙を作れば良いじゃない。翠はそういうの得意そうだけど…」
「…。」
翠は何かを考えている様子だった。これ以上は、彼が決めることだと、雪は一度口を閉ざす。
「ねぇ、私も聞きたいことがあるのだけど…翠、遠文様を知っているわね。」
そう雪が口を開けば、翠は首を左右に振って否定する。
だが、雪は見逃さなかった。
彼が一瞬だけピクリと指が動いて反応をしていたのを。
しばらくどちらも口を開くことなく、静かな湖を眺めていたが、あまり遅くなっても隆盛たちを心配させてしまうと、雪が翠の手を引いて帰路に着いたのだった。
宿に戻ると、何故か李珀が酔いつぶれており、隆盛が一人で酒を飲んでいた。
「戻ったか。」
「遅くなっちゃった。」
「楽しかったか?槍郡の湖を見て来たんだろう?」
「え?」
「違うのか?」
「合ってるけど…よく分かったね。」
「そりゃあ、有名な場所だからな。今はまだ疫病の残痕で、観光をしている者はほとんどいないだろうけどな。」
そうなのかと、翠を見れば彼も頷いたから、名所だということを知っていたのだろう。
「さぁ、もう遅いから子供は寝なさい。」
「はーい。」
雪は隆盛に言われるままに、敷かれた布団に横になった。いつもと違い固い布団だったが、皆同じ部屋なのが嬉しくて、良い気持ちで眠りにつけそうだ。
翠は座ると壁にもたれ掛かり、目を閉じている。雪はそれを見てから、翠に倣って目を閉じたのだった。
―月が天に昇る頃。翠は目を開いた。
夜に慣れた目は少しの月明かりでも十分によく見える。雪は布団の中で寝息を立てており、その隣では李珀が仰向けで大の字になって眠っていた。
部屋は広いので問題はないが、いびきは少々うるさく感じるなと翠が李珀を見る。だが、あれはしばらくの間絶対に起きないだろうなと思い、隆盛の方に視線を向けた。
手から盃が落ち、床に転がっている。寝息も聞こえた。翠は音もなく立ち上がると、彼の前に立ち暗器に手をかけて動きを止めた。
雪の言葉が思い起こされる。
だが、遠文は頭のきれる男だ。誰かに相談したところで、何かが変わるとは思えない。再び動き出す翠は小刀を抜くと、隆盛の首もとに狙いを定めた。
「俺を殺すか?」
声に驚き翠は飛び退く。小刀を構えて警戒すると、隆盛はクスリと笑った。
「…気付いていたのか。」
「おっ、本当にしゃべるんだな。安心したぞ。」
「茶化すな。」
「真面目だねぇ…。そうだと言ったら?殺すか?」
「…。」
動けないでいる翠に、やれやれと隆盛はため息をついてから続ける。
「お前がただ者じゃないことは、気づいてたさ。」
「いつから?」
「初めからだよ。」
表情が動かないが驚いているのだろうなと、隆盛は感じた。だから、彼の答えを待たずに続ける。
「怪しいと思ったから、お前がいた勅任官の屋敷を、確認したんだ。」
「疫病だったら…って、奴隷でも使って確認させたのか。」
「俺を他の官吏と、同じにしないで欲しいね。自分で確認したよ。全員、毒で殺されてたな。病死に見せかけるつもりだったんだろうけど、詰めが甘かったな。俺なら、素肌の出てる首や手などではなく、服の中に毒針を刺しただろうな。その方が万が一にも見つからないだろう。」
隠密として忠告まで受けて、少しだけ翠は不愉快に思う。
「…なら何故、俺を連れて帰った?」
「雪の友達になってくれると、思ったからだ。」
はぁ?と、今度は翠が呆れた顔を隆盛に向けた。
「俺の感は当たるんだよ。ただ、思っていたより仲良さそうで、ちと妬けるけどな。」
隆盛は苦笑して、寝息を立てている雪を見る。だが、その視線はすぐに翠に向けられる。
「で、どうするんだ?俺を殺すか?今なら、可能かもな。李珀は本気で潰れてるし、剣も手元にはない。」
さあどうぞ。と、言わんばかりに手を広げて、おどけて見せる隆盛に、翠は躊躇いを見せた。
何かを悩んでいる様子の翠に、隆盛は彼の答えが出るのを待っている。
「…じゃあ、殺される前に聞いてくれないか?」
翠の言葉に隆盛は苦笑してから、何でもどうぞと答えたのだった。
屋敷の主は夜も更けたと言うのに、客間の机で書面に目を通していた。元来真面目なのだろう。彼は名を恵淑と言った。見た目はまだ若く、三十代手前と言った様子。見目は悪くないが、我の強そうな顔立ちをしている。そんな男は、無情にも道を踏み外していた。
今、恵淑が目を通しているのは、槍郡での金の動きと東刃の官吏の動きが書かれた手簡だ。表に出ることのないそれを読んでは暖炉で燃やしていく。全てを読み終えたところで、眉間に寄っていた皺を伸ばすように指で解して天井を仰ぐ。
彼は機嫌悪そうに、深いため息をついていた。本来ならば、そろそろ槍郡の勅任官への推挙の話が出る頃なのに、全く音沙汰がない。羅芯に送って見張らせていた隠密をわざわざ呼び戻して、使い捨てにしてまで計画を練って勅任官の暗殺を企てたのだ。失敗したとは考えにくいと恵淑は思っていた。彼には一目を置いていたのだ。だからそう簡単に失敗するとは考えられなかった。
それに、ちょうど良く流行った疫病を利用したのだ。勅任官は疫病で死んだと思われているばす。まさか疫病で死んだかも知れない家の中に入るような、酔狂はいないだろう。そんなことをして、病にかかって死んだら馬鹿みたいじゃないか。と、恵淑は思う。
実際、死んだ勅任官が殺されたと言う噂も上がってないし、羅芯や東刃の兵士が聴取に来たとも聞かない。暗殺が明るみに出た訳ではなさそうだった。では、何故、自分の推挙の話が来ないのか。恵淑はそれが不思議でならなかった。
そこに壁を叩く音が四度、等間隔でニ回叩かれる。
「何があった?」
恵淑の声に長身の男が姿を表す。
「…。」
恵淑の声にも答えず、男は手簡を差し出した。恵淑はそれに少しだけ気に食わない顔をするが、礼をしたまま手簡を差し出す男は微動だにしない。恵淑はフンと鼻を鳴らして手簡を受け取る。
机に広げて読み始めた恵淑は、そこに書かれていた内容に目を見張った。
「ふむ。」
恵淑はニヤリと笑みを溢すと、それを隠すように顎に手を当てる。
そこに書かれていたのは、羅芯での状況と使える駒の数。そして、隆盛の暗殺計画だった。どうやら東刃で勅任官を暗殺した隠密が、隆盛に保護されたようだった。隆盛はそれが隠密だとは気付いていないようなのだ。こんな好都合な話があるだろうかと、恵淑は笑わずにはいられない。
一番欲しい自分の推挙の話ではなかったが、隆盛が死に遠文が王になれば羅芯の親任官も夢ではない。こんな四国のひとつではなく、それを束ねる羅芯の親任官になれる可能性を見つけたのだ。
さらに嬉しいことに、隆盛がこの槍郡にやって来るという知らせも書かれていた。何と都合の良いことだと、恵淑はニヤケ顔が止まらない。彼は隆盛に取り入る事も考えていた。これは担保だ。万が一、遠文が失敗しても、自分の疑いを晴らせるようにと、うまく取り入って、出世の道を作れるようにしておく必要があったのだ。
これは、遠文にも気付かれないように行わなくては行けなかったので、こんな絶好の機会が訪れる自分の強運に身体が震える程だった。
「遠文様に東刃の菓子を用意させよう。…お前はもう下がって良い。」
恵淑の言葉を聞いて、控えていた男は一度礼を取ると姿を消す。
すると、恵淑の押し殺した笑い声が薄気味悪く部屋に響き渡るのだった。
―隆盛が突然、東刃の槍郡に行くと言い出した。
今度は連れていってくれると言うので雪は飛んで喜んで、今は嬉しい気持ちに心を踊らせながら、翠と一緒に馬車に乗って見える景色の説明をしていた。
「綾さん、カンカンだったね。」
「うん?あ、ああ。いつものことだろう。」
御者台で馬を操っていた隆盛に、景色の説明を終えた雪が声をかける。何か考え事をしていた様子の隆盛だったが、雪の声に後ろを振り向いた。よそ見していいのだろうか?と、雪は疑問に思うが、隆盛は気にした様子もない。
「…それより、久しぶりの外だろ。何かやりたい事は無いか?」
「え?」
隆盛の言葉に雪と翠は顔を見合わせる。すると、隆盛はつまらなさそうな声でつづけた。
「なんだ、お前たち…せっかく外出られるのに、やりたいこともないのか?」
「え…だってお忍びだよね?綾さんに怒られてまで清めの日にして、槍郡の調査なんじゃないの?」
「ああ、そうだ。」
「なら…」
お忍びで調査なのだから、余計にまずいんじゃないかと再び翠を見ると、彼も呆れた顔をしているように見える。
「少しくらいなら大丈夫だ。せっかくなんだから、息抜きも必要だぞ。」
そういうものなのだろうか…雪が疑問に思っていると、翠が小さく首を左右に振っていた。やはり、普通ではないようだ。
「翠は何かないのか?」
「…ない。雪に任せる。」
逃げた翠をジト目で見ると、フイっとそっぽを向かれてしまう。
「まぁ、槍郡までまだ時間はあるから、それまでに何か考えておけよ。」
そう言って隆盛は前に視線を戻した。
それに安堵したのは、雪の前に座っている李珀だった。隆盛がずっと目を離して馬を走らせるから、気が気じゃない様子だった。
今走っているのは一本道。だから、余程のことがなければ大丈夫だろうが、周りは森なので何が飛び出してきてもおかしくはない。
雪はもう慣れてしまったので気にもしていなかったが、李珀はそうもいかないのだろう。
「李珀、大丈夫?」
「え、ええ。」
困ったように笑って答える李珀。そんな彼は雪にとってお兄さんのような存在だった。本来は隆盛付きの隠密なのだが、隆盛に言われて色々なことをさせられていると、雪は綾から聞いていた。いつもニコニコと笑っているような表情をしていて、のんびりとして穏やかな性格に思えるのだが、隠密らしい一面もしっかりとある。
雪と出会ってすぐの頃は、警戒されていたようでずっとニコニコと笑っていてそれ以外の顔を見せることがなかったのだが、最近では隆盛に怒る姿も見せていた。
何故か翠には警戒心がないのか初めから普通の態度で接していて、雪が少し嫉妬するほどだった。
「御者…私が代わりたいところなのですが…」
そう言って彼は隆盛の方を見るが、隆盛は聞こえているのかいないのか無反応。
「外に出るといつもですね。」
「はい…。どうしても、馬を操りたいようです。全く、困ったお方です。」
「李珀、聞こえているぞ。」
「聞こえるように言っているので、問題ないです。」
しれっと返す李珀に隆盛は肩をすくめた。
それから馬車は走り続けて、槍郡に着いたのは四日後の陽が暮れ始めた頃。その日は適当な宿に入り食事をして、久しぶりの湯船につかって旅の疲れを取る。
部屋は大きな部屋を一つ借りて雑魚寝することにした。
「やりたいこと決まったか?」
「え?…うーん…剣舞が有名なんでしょ。どこかでそれを見たいかな。」
「剣舞か。色々あるんだが…そうだな…よしっ!じゃあ、明日見るか。」
「うん!」
雪が嬉しそうにするのと対照的に、部屋の隅に控えている李珀がため息をついたのが見えた。雪はそれを見てまずかったかなと不安に思うと、再び李珀はため息をついて苦笑する。
「雪様はお気になさらないでください。」
「何か含みのある言い方だな。」
「当たり前じゃないですか。あなたはもっと立場を考えてください。」
「やっぱりお前、綾に似て来たな。」
隆盛は部屋の端で酒を煽りながら、ジト目で見る李珀を見た。
「お前も飲むか?」
「結構です。任務中ですので。」
「固いなぁ。そんなんじゃ異性に好かれないぞ。」
「構いません。あなたの様になりたくありませんので。」
「何だお前、男に興味が…」
「なんでそうなるんですかッ!」
怒る李珀を余所に、隆盛は酒を片手に翠の方へ近寄る。
「翠、気を付けろよ。寝込みを襲われるかも…って、どこ行くんだよ。」
「…。」
何も言わず出ていく翠。それを追いかけたのは雪。
後から李珀が追って来るかと雪は思ったが、追ってくる者も止める者もいなかった。流石に羅芯ではない場所で王を一人にすることはできないのだろう。
雪は翠に追いつくと、少し後ろをついて歩く。翠は雪に気付いていたが、気にした様子もなく黙ったまま歩き続ける。
「…ついて来ても、面白くも何ともないぞ。」
翠がそう言ったのは、宿から離れてしばらく歩いた頃だった。
「い、今それ言うの?」
「道はまっすぐだから、戻れるだろ?」
そう言われて後ろを振り返ると、真っ暗で少し先しか見えない。道はまっすぐだと言うが、所々にある家の明かりが逆に怖さを増している。この時間は人も少なくて不気味な雰囲気がある道。
「こんな暗い道、一人じゃ無理だよ…。」
「お前、本当に怖がりだな。」
何か少し楽しそうに見えるのは、雪の気のせいだろうか。声も楽しそうな色が混ざっているように感じた。
「翠、人をからかって楽しんでない?」
「…気付いたか」
「あっ!気づいたって言った!」
「…お前地獄耳だな。」
翠は楽しそうに笑っている。いじめられたと頬を膨らまして雪が怒ると、翠は声を上げて笑った。
「もぉ、私、怒ってるんだよー!」
「ごめん、ごめんって。」
「むぅ…。」
雪がため息をつくと、翠が雪の手を取る。その手を引いて歩き出せば、薄気味悪い道もどうってことなかった。
気持ちが明るくなって、よく家を見ればおかしなことに気付く。家は続けて並んでおらず、何もない土地だけが広がる場所があるのだ。普通家はある程度の区画に分けられて建てられているのだが、その家は並んでいることの方が多い。なのに、ここはそのつくりとは違っていた。そんな土地だけが広がる場所の一つで翠が立ち止まる。
「こ、ここは…なに?」
雪はよく分からず翠に訪ねてみると、その土地を寂しそうな瞳で見つめながら翠は答える。
「俺が隆盛に拾われた場所だよ。」
「えっ?ここ?屋敷は…」
と、言いかけて翠の言葉の意味を理解して雪は口を閉ざす。
疫病だ。
確か屋敷の者は疫病で死んでいたと、聞いていたのだと雪は思い出した。
翠は屋敷があった場所に硬貨を一枚置いた。これは亡くなった人を弔う時に行う海羅島の習わしなのだ。
雪も慌てて、硬貨を一枚取り出して隣に置く。
「知ってる人だったの?」
「まぁな。…行くぞ。」
そう言うと翠は雪の手を再び取り、宿に戻るための暗い道をしばらく歩いた。これのために出掛けなのかなと雪が思っていると、その途中で道を曲がってしまう。舗装された道ではない背の高い草の中に入って行く翠に、雪は手を引かれるままにしばらく歩く。いつまで続くのだろうかと少し不安に感じ始めた頃、道が開けた。
雪は息を飲んでいた。
「…すごい。」
出てくるのは感嘆の言葉だけ。
二人の目の前に広がるのは水辺だった。湖か池なのか…かなりの広さがある。そこ真っ暗の空間に淡い光が数多の星のように輝いているのだ。それはまるで星空の中にいるような錯覚にさせる。
初めて見る景色に、雪はしばらく言葉を忘れていた。
「…ここはよく来る場所だったの?」
「いや、にん…たまたまこの辺りに用事があって、その時に見つけたんだ。」
「綺麗なところね。この光は?初めて見るわ。」
「光苔。」
「苔なの?浮いてるよね?」
「この時期だけ水面に花を咲かせて、種を飛ばすんだ。それが発光して、この景色をつくる。」
「へぇ…初めて聞いたわ。本にも載ってなかった。」
「だろうな。これは槍郡にしかない珍しい植物なんだよ。」
「詳しいのね。」
と、雪が顔を覗き込めば翠は少し照れ臭そうにして頬を掻いた。
雪が水辺を眺めれば、口を開くものはいなくなり静かな時間が流れる。虫の音色が美しく、さらに幻想的な雰囲気に包まれる。
「あのさ…」
珍しく翠から声をかけてくるのに雪は少しだけ驚いたが、真剣な彼の様子を見て言葉を待った。
「もし、自分にとって大事な人が、大切にしているものを、壊さなきゃいけなくなったら…雪ならどうする?」
「そうね…誰かに相談するわ。」
「誰にも相談できないことだったら?」
「誰にも相談できない?」
「あ、ああ。」
「うーん、それは違うんじゃない?」
「違う?」
翠は分からない、と言った表情を見せる。きっと翠は真面目すぎるのだろう。どうも、自分で抱え込み過ぎている気がするのだ。自分もそうだが、翠もまだ子供なのだ。分からないことは、誰かに頼れば良い。それが正しいかは分からないが、少なくとも雪はそう思って今は生きている。
だけど、翠は違う。人を信用していなさ過ぎるのだ。だから何でも自分だけで抱え込んでしまう。
「それは、誰にも相談できないんじゃなくて、しようとしないんでしょ?」
案の定そんな風に考えたことがないのだろう。翠は虚をつかれた顔をしていた。
「だ、誰かに見張られてて、相談できない状態なら?」
「隙を作れば良いじゃない。翠はそういうの得意そうだけど…」
「…。」
翠は何かを考えている様子だった。これ以上は、彼が決めることだと、雪は一度口を閉ざす。
「ねぇ、私も聞きたいことがあるのだけど…翠、遠文様を知っているわね。」
そう雪が口を開けば、翠は首を左右に振って否定する。
だが、雪は見逃さなかった。
彼が一瞬だけピクリと指が動いて反応をしていたのを。
しばらくどちらも口を開くことなく、静かな湖を眺めていたが、あまり遅くなっても隆盛たちを心配させてしまうと、雪が翠の手を引いて帰路に着いたのだった。
宿に戻ると、何故か李珀が酔いつぶれており、隆盛が一人で酒を飲んでいた。
「戻ったか。」
「遅くなっちゃった。」
「楽しかったか?槍郡の湖を見て来たんだろう?」
「え?」
「違うのか?」
「合ってるけど…よく分かったね。」
「そりゃあ、有名な場所だからな。今はまだ疫病の残痕で、観光をしている者はほとんどいないだろうけどな。」
そうなのかと、翠を見れば彼も頷いたから、名所だということを知っていたのだろう。
「さぁ、もう遅いから子供は寝なさい。」
「はーい。」
雪は隆盛に言われるままに、敷かれた布団に横になった。いつもと違い固い布団だったが、皆同じ部屋なのが嬉しくて、良い気持ちで眠りにつけそうだ。
翠は座ると壁にもたれ掛かり、目を閉じている。雪はそれを見てから、翠に倣って目を閉じたのだった。
―月が天に昇る頃。翠は目を開いた。
夜に慣れた目は少しの月明かりでも十分によく見える。雪は布団の中で寝息を立てており、その隣では李珀が仰向けで大の字になって眠っていた。
部屋は広いので問題はないが、いびきは少々うるさく感じるなと翠が李珀を見る。だが、あれはしばらくの間絶対に起きないだろうなと思い、隆盛の方に視線を向けた。
手から盃が落ち、床に転がっている。寝息も聞こえた。翠は音もなく立ち上がると、彼の前に立ち暗器に手をかけて動きを止めた。
雪の言葉が思い起こされる。
だが、遠文は頭のきれる男だ。誰かに相談したところで、何かが変わるとは思えない。再び動き出す翠は小刀を抜くと、隆盛の首もとに狙いを定めた。
「俺を殺すか?」
声に驚き翠は飛び退く。小刀を構えて警戒すると、隆盛はクスリと笑った。
「…気付いていたのか。」
「おっ、本当にしゃべるんだな。安心したぞ。」
「茶化すな。」
「真面目だねぇ…。そうだと言ったら?殺すか?」
「…。」
動けないでいる翠に、やれやれと隆盛はため息をついてから続ける。
「お前がただ者じゃないことは、気づいてたさ。」
「いつから?」
「初めからだよ。」
表情が動かないが驚いているのだろうなと、隆盛は感じた。だから、彼の答えを待たずに続ける。
「怪しいと思ったから、お前がいた勅任官の屋敷を、確認したんだ。」
「疫病だったら…って、奴隷でも使って確認させたのか。」
「俺を他の官吏と、同じにしないで欲しいね。自分で確認したよ。全員、毒で殺されてたな。病死に見せかけるつもりだったんだろうけど、詰めが甘かったな。俺なら、素肌の出てる首や手などではなく、服の中に毒針を刺しただろうな。その方が万が一にも見つからないだろう。」
隠密として忠告まで受けて、少しだけ翠は不愉快に思う。
「…なら何故、俺を連れて帰った?」
「雪の友達になってくれると、思ったからだ。」
はぁ?と、今度は翠が呆れた顔を隆盛に向けた。
「俺の感は当たるんだよ。ただ、思っていたより仲良さそうで、ちと妬けるけどな。」
隆盛は苦笑して、寝息を立てている雪を見る。だが、その視線はすぐに翠に向けられる。
「で、どうするんだ?俺を殺すか?今なら、可能かもな。李珀は本気で潰れてるし、剣も手元にはない。」
さあどうぞ。と、言わんばかりに手を広げて、おどけて見せる隆盛に、翠は躊躇いを見せた。
何かを悩んでいる様子の翠に、隆盛は彼の答えが出るのを待っている。
「…じゃあ、殺される前に聞いてくれないか?」
翠の言葉に隆盛は苦笑してから、何でもどうぞと答えたのだった。
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