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第三幕
第一章 1.散策と食事
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繁華街の喧騒に決まった時間帯はない。いつでも誰かが忙しくして、何かに追われている。それは、仕事だったり家の事とだったり、はたまた金貸しに本当に追われているかもしれない。揉めている者だっているだろう。人が集まれば自然と騒々しくなるものなのだ。
これは、ここでは当たり前の事であり、避けられないことでもある。静かな時間を過ごしたい者にとっては、行き場がないと思うかもしれないが、雪はこういう賑やかさが好きだ。
そんな色々な人間が集まる街の中を、雪は翠と共に歩いていた。今の雪は麻で出来た簡素な服を着た街娘。
“周りからは街を散歩している姉弟にしか見えないわね。”
「弟じゃない。」
「ここまで来ると、すごいを通り越して怖いわ。」
心を読まれて驚き返す雪に、翠は首をかしげている。
こんな変な会話をしていても、誰も雪たちの事を気になど止めない。そんな時間も余裕もないのだろう。今は昼時で一番の稼ぎ時だ。露店が並び、食事処も活気に溢れている。
「お腹空いたね。」
そんな食事処を見ながら言った雪の言葉に、翠は何か言いたそうな顔をする。
「さっきお団子を食べていましたよね。」
だけど答えは違うところから返ってくるので、雪は声の方を振り返った。
雪と翠の後ろを歩いているのは、笑顔が素敵なお兄さん的な雰囲気を出している青年。銀色の髪は絹のように美しく、黒の瞳はまるで夜空のような色合いで、吸い込まれるような感覚に襲われる。
「それはそれ。」
「そんなんで良いんですか?」
「良いじゃない。せっかく工西の首都まで来たのだから、何か食べましょうよ。李珀だってお腹空いたでしょう?」
「私は訓練を受けていますので、空腹にも耐えられますよ。」
「そういうことじゃなくてさ…」
「今日は監視がない。」
翠がボソリと口にする。それで、李珀は納得がいったように、うんうんと頷いた。
「綾がいませんからね。ですが、雪、太…」
「李珀?それ以上いったら、泣いて謝るまで食事抜きにするわよ。」
微笑んで見せると、李珀だけでなく翠まで雪の方を見て立ち止まる。ゴクリと生唾を飲み込んでいる。
「さっ、お店を探しましょう。」
続けた雪の言葉に異議を唱える者はいなくなり、静かに彼女のあとに続く。
「お嬢ちゃん、昼はまだかい?」
「ええ。今探しているところなの。良い店を知らないかしら?」
「それならうちが良いよ。何でもうまいし、値段も手頃だぜ。」
声をかけてきたのは、頭に布を巻いた中年の男。そんな男が指差す先に目を移せば、賑わった店が目に止まる。なかなかに繁盛している様子だった。
「何がおすすめかしら?」
「そりゃ、この辺りで名物ってもんは全部おすすめだぜ。お嬢ちゃんたちみたいな観光客にも人気な店さ。」
言われて雪は首をかしげた。
「なんで他国民って分かったの?」
「そりゃ、匂いだよ。」
男の言葉に自分が臭いのかと思って、雪は慌てて袖口を鼻に寄せて嗅ぐと男が楽しそうに笑った。
「アハハッ!心配しなくても臭いって意味じゃないよ。工西は工業が栄えているだろ?だから、そういう匂いがどうしても染みついちまうんだよ。でも、お嬢ちゃんたちからはそういった匂いがしなかったってことさ。」
「工西の人なら誰でも分かるの?」
雪の疑問に男は腕を組み首をゆっくりと左右に振った。
「いんや。だけど、長年この街にいる奴なら分かるんじゃないか。」
「そうなんだ。すごいね。」
「へへ…ところで食って行くかい?」
男の言葉に雪は頷くと、翠と李珀を引き連れて店へと入って行った。
店の中は確かに観光客やら旅人やらで賑わっていた。
だけど、決して工西の人間がいないかと言うと、そう言う訳でもない。
「色んな料理がある。…どうしよう?二人はたくさん食べられそう?」
「ええ、たくさん頂けそうです。」
李珀がそう答えて翠も頷く。
「じゃあ、適当に注文するね。」
雪は店の人を呼んで注文する。
運ばれてきた料理は工西の名物から一般的な料理までと様々あって、次々と運ばれてくる。こんなに食べられるだろうか?という量が運ばれてきてさすがに李珀が苦い顔をした。
「雪、頼み過ぎでは…」
「食べ盛りでしょ?たくさん食べて。」
雪がニコリと微笑めば笑顔を返す李珀だったが、その笑顔はひきつっていた。
「それで、欲しいものはありそう?これだけあれば選り取り見取りでしょ。」
「…そうですね。時間はたっぷりありますから。ゆっくり頂きますよ。」
雪たちが店を出たのは昼下り。結局あの量を全て食べきった男二人はお腹を押さえている。流石に注文し過ぎたかなと、雪は少々反省していた。
「これからどうしますか?」
李珀の問いに、雪はニつの考えが浮かぶ。一つは早いけれど宿を探して休む。もう一つは腹ごなしにこの溶山を散策する。悩ましくて雪は二人に答えを求めた。
「休むか散策するか。二人はどっちが良い?」
「休みたいです。」「…どっちでも」
ほぼ同時に答える二人だが、言っていることは正反対で面白い。これで隠密の仕事は二人とも玄人なのだから不思議だと雪は思う。
「なら、今日は早いけど宿を取って休みましょうか。」
そう言って雪たちは宿を探すことにしたのだが、この選択をして良かったと後で思うことになるのだった。
「すみません、今日はもういっぱいなんですよ。」
これで断られたのは三件目だった。
「他に宿はありますかね?」
李珀が聞くと、店主は難しい顔をする。
「いやぁ、どこもいっぱいじゃないですかね。」
「そうですか…」
「ああ、でも高級旅館なら空いてるんじゃないかなぁ?まぁ、あんたらにそんな大金が出せるかって話だけどなぁ…」
店主の言葉は決して嫌みではなく、本当に高い旅館ということなのだろう。申し訳ないと言った顔をしている。
「なんでこんなに宿屋がいっぱいなんですか?お祭りとかが近いとか?」
「残念だけどお嬢ちゃん、そう言うんじゃないんだよ。どうも、地方から職人が呼ばれているみたいなんだよ。」
「職人さんが?」
「ああ、理由までは分からないんだけどね。」
そう言って困ったように頬を掻く店主。
「俺たちとしても観光客を泊めてやりたいんだけどよ。なかなかそうもいかなくてなぁ。」
それはそうだろうなと雪は心の中で頷く。宿屋や食事処にとったら観光客の方が収入になるだろう。家族や複数人での客は大抵一部屋で足りることが多い、食事処と併設している宿屋が多いので、そこで食べる人数の多い方が収入がより得られる。
だからと言って自国の人間を蔑ろにするわけにもいかないだろうから難しいのだろう。
雪たちは店主に礼を言って、その高級旅館とやらに行ってみることにした。
「わぁ…」
「これまた、豪勢な旅館だ。」
雪は言葉が出てこず感嘆の息が漏れる。隣で李珀は苦笑いをしていた。そんな中、翠だけが表情一つ変えずに、その豪華な作りをした旅館を眺めている。
「雪、お金足りる?」
李珀の心配そうな声に財布を取り出す。
羅芯に行けばいくらでもお金はあるのだが、旅先なのでそこまで持ち合わせはない。それに加えて、この高級旅館に来るために雪だけは服を買い直したので、さらに手持ちが少なくなっている。
「うーん、一部屋くらいなら借りられるとは思うけど…」
「それで良いんじゃない?広い部屋だろうから問題ないと思うよ。それに、俺たちはどこでも寝られるし。二晩だけだし。」
李珀の言葉に、雪はもう一度だけ財布を確認してから、二人を連れて金細工で彩られた門を潜った。
これは、ここでは当たり前の事であり、避けられないことでもある。静かな時間を過ごしたい者にとっては、行き場がないと思うかもしれないが、雪はこういう賑やかさが好きだ。
そんな色々な人間が集まる街の中を、雪は翠と共に歩いていた。今の雪は麻で出来た簡素な服を着た街娘。
“周りからは街を散歩している姉弟にしか見えないわね。”
「弟じゃない。」
「ここまで来ると、すごいを通り越して怖いわ。」
心を読まれて驚き返す雪に、翠は首をかしげている。
こんな変な会話をしていても、誰も雪たちの事を気になど止めない。そんな時間も余裕もないのだろう。今は昼時で一番の稼ぎ時だ。露店が並び、食事処も活気に溢れている。
「お腹空いたね。」
そんな食事処を見ながら言った雪の言葉に、翠は何か言いたそうな顔をする。
「さっきお団子を食べていましたよね。」
だけど答えは違うところから返ってくるので、雪は声の方を振り返った。
雪と翠の後ろを歩いているのは、笑顔が素敵なお兄さん的な雰囲気を出している青年。銀色の髪は絹のように美しく、黒の瞳はまるで夜空のような色合いで、吸い込まれるような感覚に襲われる。
「それはそれ。」
「そんなんで良いんですか?」
「良いじゃない。せっかく工西の首都まで来たのだから、何か食べましょうよ。李珀だってお腹空いたでしょう?」
「私は訓練を受けていますので、空腹にも耐えられますよ。」
「そういうことじゃなくてさ…」
「今日は監視がない。」
翠がボソリと口にする。それで、李珀は納得がいったように、うんうんと頷いた。
「綾がいませんからね。ですが、雪、太…」
「李珀?それ以上いったら、泣いて謝るまで食事抜きにするわよ。」
微笑んで見せると、李珀だけでなく翠まで雪の方を見て立ち止まる。ゴクリと生唾を飲み込んでいる。
「さっ、お店を探しましょう。」
続けた雪の言葉に異議を唱える者はいなくなり、静かに彼女のあとに続く。
「お嬢ちゃん、昼はまだかい?」
「ええ。今探しているところなの。良い店を知らないかしら?」
「それならうちが良いよ。何でもうまいし、値段も手頃だぜ。」
声をかけてきたのは、頭に布を巻いた中年の男。そんな男が指差す先に目を移せば、賑わった店が目に止まる。なかなかに繁盛している様子だった。
「何がおすすめかしら?」
「そりゃ、この辺りで名物ってもんは全部おすすめだぜ。お嬢ちゃんたちみたいな観光客にも人気な店さ。」
言われて雪は首をかしげた。
「なんで他国民って分かったの?」
「そりゃ、匂いだよ。」
男の言葉に自分が臭いのかと思って、雪は慌てて袖口を鼻に寄せて嗅ぐと男が楽しそうに笑った。
「アハハッ!心配しなくても臭いって意味じゃないよ。工西は工業が栄えているだろ?だから、そういう匂いがどうしても染みついちまうんだよ。でも、お嬢ちゃんたちからはそういった匂いがしなかったってことさ。」
「工西の人なら誰でも分かるの?」
雪の疑問に男は腕を組み首をゆっくりと左右に振った。
「いんや。だけど、長年この街にいる奴なら分かるんじゃないか。」
「そうなんだ。すごいね。」
「へへ…ところで食って行くかい?」
男の言葉に雪は頷くと、翠と李珀を引き連れて店へと入って行った。
店の中は確かに観光客やら旅人やらで賑わっていた。
だけど、決して工西の人間がいないかと言うと、そう言う訳でもない。
「色んな料理がある。…どうしよう?二人はたくさん食べられそう?」
「ええ、たくさん頂けそうです。」
李珀がそう答えて翠も頷く。
「じゃあ、適当に注文するね。」
雪は店の人を呼んで注文する。
運ばれてきた料理は工西の名物から一般的な料理までと様々あって、次々と運ばれてくる。こんなに食べられるだろうか?という量が運ばれてきてさすがに李珀が苦い顔をした。
「雪、頼み過ぎでは…」
「食べ盛りでしょ?たくさん食べて。」
雪がニコリと微笑めば笑顔を返す李珀だったが、その笑顔はひきつっていた。
「それで、欲しいものはありそう?これだけあれば選り取り見取りでしょ。」
「…そうですね。時間はたっぷりありますから。ゆっくり頂きますよ。」
雪たちが店を出たのは昼下り。結局あの量を全て食べきった男二人はお腹を押さえている。流石に注文し過ぎたかなと、雪は少々反省していた。
「これからどうしますか?」
李珀の問いに、雪はニつの考えが浮かぶ。一つは早いけれど宿を探して休む。もう一つは腹ごなしにこの溶山を散策する。悩ましくて雪は二人に答えを求めた。
「休むか散策するか。二人はどっちが良い?」
「休みたいです。」「…どっちでも」
ほぼ同時に答える二人だが、言っていることは正反対で面白い。これで隠密の仕事は二人とも玄人なのだから不思議だと雪は思う。
「なら、今日は早いけど宿を取って休みましょうか。」
そう言って雪たちは宿を探すことにしたのだが、この選択をして良かったと後で思うことになるのだった。
「すみません、今日はもういっぱいなんですよ。」
これで断られたのは三件目だった。
「他に宿はありますかね?」
李珀が聞くと、店主は難しい顔をする。
「いやぁ、どこもいっぱいじゃないですかね。」
「そうですか…」
「ああ、でも高級旅館なら空いてるんじゃないかなぁ?まぁ、あんたらにそんな大金が出せるかって話だけどなぁ…」
店主の言葉は決して嫌みではなく、本当に高い旅館ということなのだろう。申し訳ないと言った顔をしている。
「なんでこんなに宿屋がいっぱいなんですか?お祭りとかが近いとか?」
「残念だけどお嬢ちゃん、そう言うんじゃないんだよ。どうも、地方から職人が呼ばれているみたいなんだよ。」
「職人さんが?」
「ああ、理由までは分からないんだけどね。」
そう言って困ったように頬を掻く店主。
「俺たちとしても観光客を泊めてやりたいんだけどよ。なかなかそうもいかなくてなぁ。」
それはそうだろうなと雪は心の中で頷く。宿屋や食事処にとったら観光客の方が収入になるだろう。家族や複数人での客は大抵一部屋で足りることが多い、食事処と併設している宿屋が多いので、そこで食べる人数の多い方が収入がより得られる。
だからと言って自国の人間を蔑ろにするわけにもいかないだろうから難しいのだろう。
雪たちは店主に礼を言って、その高級旅館とやらに行ってみることにした。
「わぁ…」
「これまた、豪勢な旅館だ。」
雪は言葉が出てこず感嘆の息が漏れる。隣で李珀は苦笑いをしていた。そんな中、翠だけが表情一つ変えずに、その豪華な作りをした旅館を眺めている。
「雪、お金足りる?」
李珀の心配そうな声に財布を取り出す。
羅芯に行けばいくらでもお金はあるのだが、旅先なのでそこまで持ち合わせはない。それに加えて、この高級旅館に来るために雪だけは服を買い直したので、さらに手持ちが少なくなっている。
「うーん、一部屋くらいなら借りられるとは思うけど…」
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