2 / 36
1章 Run after me -若狼-
2.森を出る
しおりを挟む
空が白んできた。
三度目の月が薄れ、満月から三夜経ったので、日中は狼の姿に変化できなくなる。けれどまだ止まるわけにはいかない。
だって見たことのある木がある。知ってる匂いがする。
狩りの仕事を教わっているとき、野営しながら夜を七つ越えるほどの間、森を走り回ったことがあった。楽しかったし、その時のことはよく覚えているんだけど……まだそのとき覚えた匂いがするんだ。
ルウは郷で最も鼻や耳が利き、足が速くて持久力もある。獣の僅かな痕跡を見つけて狩り、遠くにある恵みを嗅ぎ分けて食物を取ってくるのだ。僅かでも痕跡があれば追ってくる。
優れたルウなら満月じゃなくても、三昼夜休まず走り続けることだってできるって聞いた。だから森で食物を求めることも川で水を飲むこともしていない。
まだダメだ、ここじゃ捕まる。連れ戻されてオメガだと言われる。あのアルファと番えと、それがつとめだと────
なるべく足を地につけないようにしながら木を伝い、川を越える。怒りから無限に湧いてくるエネルギーを貪り喰らうように進みつつ、ダラダラと流れる汗が目に入ったのをグイッと拭う。
「ふざけるな」
番以外と子作りするなんて、絶対にダメだ。
子狼はみんな見ていた。
唯一の番じゃない相手と子作りしたら、歪んで醜くなる。
失われた番を恋しがりながら他の雄と子作りした雌たちは、みんな歪んで心まで醜くなって老化が早い。あんな風にはなりたくない。だから俺たちは唯一だけを求める。
人狼は名前を持たない。子狼のうちは目の色と毛の色で呼ばれるし、成獣なら階位で、雌は番の階位で呼ばれる。だから匂いで固体を判別するのに、歪んだ雌は匂いが薄いというかおかしい。
本来は幼狼の間、二才までは父狼と母狼とそれぞれの棲まいで暮らすものだって聞いた。けど俺たちはみんな、自分を産んだ雌を知らないんだ。俺がオメガの仔だと分かったのだって、雌たちとかが噂してたからで、オメガが教えてくれたわけじゃない。
本能で親の匂いも分かるはずなんだけど、雌たちの匂いがおかしくて、俺たちには嗅ぎ分けられない。オメガの匂いも薄かった。
俺たちはみんな集会所で、兄弟みたいに育ってる。自分を産んだ雌ではなく、子作りできないまま老いた雌や、イプシロンなど残っていた雄たち育てられたんだ。
今の郷は番を探す旅に出てるやつが多くて、成獣があんまりいない。なんとなく、番のいる方向が分かる時があるんだって。憧れるよね。
俺と同じ年ごろは雄と雌が半々いるけど、少し上の連中、成人の議を越えた年ごろだと十匹のうち八匹くらいが雄だから、ほとんどが郷の中に番はいなくて、番を捜す旅に出る奴は後を絶たない。俺もあと少しで十八だから郷を出たいと頼むつもりだった。
だって、郷には俺の唯一がいない。
逆にひどく怖い奴がいる。
序列二番目、アルファの次に強いベータ。アルファとオメガの子。俺と同じオメガから産まれた同腹。一応兄になるんだろうけど、あいつは怖い。
子狼の頃、いきなりあいつに抱き上げられて、全身の毛が逆立ち、心臓がひどくドキドキしてものすごく汗が出て、俺は泣きわめいた。
本能があいつを敵だと認めたんだ。
それからなるべく近づかないようにしてた。
匂いがしなくてもゾクッとして振り返ると、遠くからこっちを見ていて、ひどく怖い顔してたからすごくイヤな感じで。
あいつも俺が嫌いなんだ。同じ腹から生まれた俺が目障りなんだ。
顔とかは、ほとんど見てないからよく分からない。知ってるのは毛の色と目の色。それと匂いや気配が、同世代の誰より強いというか濃い。それだけじゃなく、デカくて逞しくて、走るの早いしケンカも強い。
七つ前の冬。
あいつは成人の議を越えて、ベータに選ばれ、すぐにベータ筆頭になった。アルファの次に強い雄と認められたんだ。
成獣になると匂いや気配が変わる。俺はそれを覚えて、やっぱり避けていた。
今がチャンスだと思ったのは、郷にいるベータがあいつと三席だけだからだ。
アルファがいたなら、成人前の若狼が郷を出ることなど絶対に許さない。けどベータ次席を連れて他の群れとの会合に出かけてる今なら。
ベータ筆頭は俺を嫌っているから絶対に追ってこない。三席は成人の議を越えたばかりで、あいつなら俺でも逃げられる。だから今だと思ったんだ。
俺は、アルファにバカなことを言われてから仕事に出るなんてできなくて、集会場の自分の寝床に潜り込んでたから、逃げたことに気付かれるまでしばらくかかるはず。アルファは郷の人狼をすべて把握してるというけど、郷から離れてる今なら分からないだろう。戻る前に群れの範囲から抜ければ、さらに一夜も走れば、きっと逃げ切れる。
そう信じて足を止めずに進み続け、ようやく森を出たとき、四度目の月が出ていた。遠回りしたから時間かかったけど、街道に出れば群れのテリトリーから抜ける。でもまだ油断できない。ルウの足の速さなら、どこから出たか分かったら一夜分なんてすぐ追いつかれてしまう。
郷を出たことは無いけれど、語り部や『商人』に周囲のことは教わっていた。『商人』は郷に色んなものを持ってきてくれて、いろんな話をしてくれる。俺は商人の話を聞くのが好きだったし、ひと族のことも他の人狼より少し詳しい。
ここら辺はひと族が少ないんだ。
もしひと族が郷からこのあたりまで来るなら、一旦森を出て迂回しなければならなくて、馬車を使うとだいたい夜を七つ超えるくらいかかるらしい。一番近い里から他のひと里には馬車で三夜、ひと族が歩いたなら七夜くらいかかる。もちろん人狼ならもっと早い。
けど俺は成人前だし、いくら満月でも四つ夜を越える間、道なき道を走り続けるなんて誰も想像しないだろう。だからわざと痕跡を残し、郷から近いひと里へ向かっているように見せておいて、木に登って梢近いところを伝い、痕跡と匂いを消しながらこっちへ向かった。
ひと族が移動するときは、街道を使う。馬車でも通れるように平らに均されている道だと学んだけど、実際歩いてみたら思ったほど平らじゃなく、窪みとかあるし石ころがゴロゴロ転がってる。ときおり森と言えない程度木の生えた場所があるけど、ずっと見通せるような草原も多い。
ひと里らしきものはまだ見えない。ひと族は夜、外に出ないというから、ひと形のまま急いで走っても大丈夫だろう。街道は森の中よりは歩きやすいけど、見通しが良いというか、遠くからでもすぐ見つかりそうで心地悪い。
周りに森が無いと、なんとなく心細い感じがする。
追う人狼の気配は感じない。ホッとした。
少し安心したからかな、疲労がどっときて、足を交互に前へ出すのもやっとになってきた。いくら人狼でも飲まず食わず眠らずの四夜はきつい。
とにかく、ひどく喉が渇いて腹が減った。危険な気配はしないし、追っ手もいない。ひと族は夜の間は出歩かない。今なら、少しの間足を止めるくらい、大丈夫だろう。うん、たぶん。
ちょうど街道から少し離れたところに木がまとまって生えてるところがあり、その手前くらいから水の匂いがしてる。きっと川があるんだ。
なんとか足を進め、街道沿いに流れる小川があったので、屈み込んで水を飲む。
ひどく旨い。ごくごく飲んでるうちに、ものすごく眠くなった。起き上がって歩くなんて無理。
「……もう、大丈夫だよな。少しくらい」
久し振りに出した声が掠れてた、……てことだけは、なんとか覚えてる。
三度目の月が薄れ、満月から三夜経ったので、日中は狼の姿に変化できなくなる。けれどまだ止まるわけにはいかない。
だって見たことのある木がある。知ってる匂いがする。
狩りの仕事を教わっているとき、野営しながら夜を七つ越えるほどの間、森を走り回ったことがあった。楽しかったし、その時のことはよく覚えているんだけど……まだそのとき覚えた匂いがするんだ。
ルウは郷で最も鼻や耳が利き、足が速くて持久力もある。獣の僅かな痕跡を見つけて狩り、遠くにある恵みを嗅ぎ分けて食物を取ってくるのだ。僅かでも痕跡があれば追ってくる。
優れたルウなら満月じゃなくても、三昼夜休まず走り続けることだってできるって聞いた。だから森で食物を求めることも川で水を飲むこともしていない。
まだダメだ、ここじゃ捕まる。連れ戻されてオメガだと言われる。あのアルファと番えと、それがつとめだと────
なるべく足を地につけないようにしながら木を伝い、川を越える。怒りから無限に湧いてくるエネルギーを貪り喰らうように進みつつ、ダラダラと流れる汗が目に入ったのをグイッと拭う。
「ふざけるな」
番以外と子作りするなんて、絶対にダメだ。
子狼はみんな見ていた。
唯一の番じゃない相手と子作りしたら、歪んで醜くなる。
失われた番を恋しがりながら他の雄と子作りした雌たちは、みんな歪んで心まで醜くなって老化が早い。あんな風にはなりたくない。だから俺たちは唯一だけを求める。
人狼は名前を持たない。子狼のうちは目の色と毛の色で呼ばれるし、成獣なら階位で、雌は番の階位で呼ばれる。だから匂いで固体を判別するのに、歪んだ雌は匂いが薄いというかおかしい。
本来は幼狼の間、二才までは父狼と母狼とそれぞれの棲まいで暮らすものだって聞いた。けど俺たちはみんな、自分を産んだ雌を知らないんだ。俺がオメガの仔だと分かったのだって、雌たちとかが噂してたからで、オメガが教えてくれたわけじゃない。
本能で親の匂いも分かるはずなんだけど、雌たちの匂いがおかしくて、俺たちには嗅ぎ分けられない。オメガの匂いも薄かった。
俺たちはみんな集会所で、兄弟みたいに育ってる。自分を産んだ雌ではなく、子作りできないまま老いた雌や、イプシロンなど残っていた雄たち育てられたんだ。
今の郷は番を探す旅に出てるやつが多くて、成獣があんまりいない。なんとなく、番のいる方向が分かる時があるんだって。憧れるよね。
俺と同じ年ごろは雄と雌が半々いるけど、少し上の連中、成人の議を越えた年ごろだと十匹のうち八匹くらいが雄だから、ほとんどが郷の中に番はいなくて、番を捜す旅に出る奴は後を絶たない。俺もあと少しで十八だから郷を出たいと頼むつもりだった。
だって、郷には俺の唯一がいない。
逆にひどく怖い奴がいる。
序列二番目、アルファの次に強いベータ。アルファとオメガの子。俺と同じオメガから産まれた同腹。一応兄になるんだろうけど、あいつは怖い。
子狼の頃、いきなりあいつに抱き上げられて、全身の毛が逆立ち、心臓がひどくドキドキしてものすごく汗が出て、俺は泣きわめいた。
本能があいつを敵だと認めたんだ。
それからなるべく近づかないようにしてた。
匂いがしなくてもゾクッとして振り返ると、遠くからこっちを見ていて、ひどく怖い顔してたからすごくイヤな感じで。
あいつも俺が嫌いなんだ。同じ腹から生まれた俺が目障りなんだ。
顔とかは、ほとんど見てないからよく分からない。知ってるのは毛の色と目の色。それと匂いや気配が、同世代の誰より強いというか濃い。それだけじゃなく、デカくて逞しくて、走るの早いしケンカも強い。
七つ前の冬。
あいつは成人の議を越えて、ベータに選ばれ、すぐにベータ筆頭になった。アルファの次に強い雄と認められたんだ。
成獣になると匂いや気配が変わる。俺はそれを覚えて、やっぱり避けていた。
今がチャンスだと思ったのは、郷にいるベータがあいつと三席だけだからだ。
アルファがいたなら、成人前の若狼が郷を出ることなど絶対に許さない。けどベータ次席を連れて他の群れとの会合に出かけてる今なら。
ベータ筆頭は俺を嫌っているから絶対に追ってこない。三席は成人の議を越えたばかりで、あいつなら俺でも逃げられる。だから今だと思ったんだ。
俺は、アルファにバカなことを言われてから仕事に出るなんてできなくて、集会場の自分の寝床に潜り込んでたから、逃げたことに気付かれるまでしばらくかかるはず。アルファは郷の人狼をすべて把握してるというけど、郷から離れてる今なら分からないだろう。戻る前に群れの範囲から抜ければ、さらに一夜も走れば、きっと逃げ切れる。
そう信じて足を止めずに進み続け、ようやく森を出たとき、四度目の月が出ていた。遠回りしたから時間かかったけど、街道に出れば群れのテリトリーから抜ける。でもまだ油断できない。ルウの足の速さなら、どこから出たか分かったら一夜分なんてすぐ追いつかれてしまう。
郷を出たことは無いけれど、語り部や『商人』に周囲のことは教わっていた。『商人』は郷に色んなものを持ってきてくれて、いろんな話をしてくれる。俺は商人の話を聞くのが好きだったし、ひと族のことも他の人狼より少し詳しい。
ここら辺はひと族が少ないんだ。
もしひと族が郷からこのあたりまで来るなら、一旦森を出て迂回しなければならなくて、馬車を使うとだいたい夜を七つ超えるくらいかかるらしい。一番近い里から他のひと里には馬車で三夜、ひと族が歩いたなら七夜くらいかかる。もちろん人狼ならもっと早い。
けど俺は成人前だし、いくら満月でも四つ夜を越える間、道なき道を走り続けるなんて誰も想像しないだろう。だからわざと痕跡を残し、郷から近いひと里へ向かっているように見せておいて、木に登って梢近いところを伝い、痕跡と匂いを消しながらこっちへ向かった。
ひと族が移動するときは、街道を使う。馬車でも通れるように平らに均されている道だと学んだけど、実際歩いてみたら思ったほど平らじゃなく、窪みとかあるし石ころがゴロゴロ転がってる。ときおり森と言えない程度木の生えた場所があるけど、ずっと見通せるような草原も多い。
ひと里らしきものはまだ見えない。ひと族は夜、外に出ないというから、ひと形のまま急いで走っても大丈夫だろう。街道は森の中よりは歩きやすいけど、見通しが良いというか、遠くからでもすぐ見つかりそうで心地悪い。
周りに森が無いと、なんとなく心細い感じがする。
追う人狼の気配は感じない。ホッとした。
少し安心したからかな、疲労がどっときて、足を交互に前へ出すのもやっとになってきた。いくら人狼でも飲まず食わず眠らずの四夜はきつい。
とにかく、ひどく喉が渇いて腹が減った。危険な気配はしないし、追っ手もいない。ひと族は夜の間は出歩かない。今なら、少しの間足を止めるくらい、大丈夫だろう。うん、たぶん。
ちょうど街道から少し離れたところに木がまとまって生えてるところがあり、その手前くらいから水の匂いがしてる。きっと川があるんだ。
なんとか足を進め、街道沿いに流れる小川があったので、屈み込んで水を飲む。
ひどく旨い。ごくごく飲んでるうちに、ものすごく眠くなった。起き上がって歩くなんて無理。
「……もう、大丈夫だよな。少しくらい」
久し振りに出した声が掠れてた、……てことだけは、なんとか覚えてる。
0
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる