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眠れない夜?
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「……あら?」
エメリーンたちが不在にしていた時間に、一体何が起こったのか、ルイの眠っていた位置が移動していた。
――トイレに行ったのかしら? いえ、それは良いのだけど……。
「何かあったのか?」
ルイに配慮したヒューバートが、エメリーンに囁くような小声で聞いてきたので、エメリーンは目線で状況を伝えてみた。
すでに室内にはヒューバートとエメリーン、そして気持ち良さそうな寝息を立てているルイだけだ。
「ああ、そっちのベッドに行ってしまったか」
ヒューバートにも、エメリーンの伝えたいことが明確に伝わったようだ。家族三人で過ごすことになった客室には、もともとキングサイズのベッド一つしかなかったのだが、使用人たちの配慮か、予備でシングルサイズのベッドが入れられていた。
あえて口には出していなかったが、エメリーンは自分がシングルベッドを使うのだろうと思っていたのだ。
――ルイ様と同じ部屋というだけでも嬉しいのに、同じベッドで眠るなんて、そんなの、眠れる気がしないわ。
そんなことを思っていたエメリーンは、予想外の事態に困惑している。
――ふふ、可愛い寝顔。でも、なぜルイ様がシングルベッドで眠っているのかしら?
辺境伯邸では、領地でも王都でもルイの部屋にあるのはキングサイズのベッドだ。この子爵邸でも、キングサイズのベッドで眠っていたルイだが、一度目覚めたときに、見慣れないシングルベッドが何だか面白いと思って、好奇心でそちらに潜り込んだが最後、そのまま夢の国に旅だったというのが真相だった。
だがヒューバートとエメリーンには、当然そんな経緯は分からなかった。
「ちょ、何をするんですか」
ルイに触れようと手を伸ばしたヒューバートの腕を、エメリーンが慌てて掴んだ。
「あちらのベッドに移動しようとしただけだ。君とルイが、あちらで寝ると良い」
「はっ? だ、ダメですよ。そんなの」
――ルイ様と同じベッドだなんて、そんなのダメよ。それに……。
「良く眠ってるのに、動かしたら可哀想ですよ」
「それはそうだが、仕方がないだろう」
馬車の中でも、ルイを楽な体勢にしてあげたいと思ったエメリーンが、ルイを少し動かしただけで、ルイが目を覚ましてしまうことが良くあった。このまま寝かせてあげた方が、きっと良いとエメリーンは思ったのだ。
「ええ、仕方ありません。私たちがあちらで寝ましょう」
「はっ? な、何を言っているんだ? こ、こんなときに、こんなところで」
「え? 広いベッドですから、端と端で眠れば良いでしょう?」
エメリーンの冷静な受け答えに、「ああ、そういうことか」と、何やら慌てていたヒューバートがスンと静かになった。
――旦那様は、何を慌てていたのかしら?
エメリーンは首を傾げながらもベッドに横になると、すぐに眠気に襲われて、ふわぁと欠伸が一つ漏れた。
――ああ、これなら良く眠れそう。
エメリーンがそう思ったのと、こてんと眠りに落ちたのは、ほぼ同時だった。
エメリーンたちが不在にしていた時間に、一体何が起こったのか、ルイの眠っていた位置が移動していた。
――トイレに行ったのかしら? いえ、それは良いのだけど……。
「何かあったのか?」
ルイに配慮したヒューバートが、エメリーンに囁くような小声で聞いてきたので、エメリーンは目線で状況を伝えてみた。
すでに室内にはヒューバートとエメリーン、そして気持ち良さそうな寝息を立てているルイだけだ。
「ああ、そっちのベッドに行ってしまったか」
ヒューバートにも、エメリーンの伝えたいことが明確に伝わったようだ。家族三人で過ごすことになった客室には、もともとキングサイズのベッド一つしかなかったのだが、使用人たちの配慮か、予備でシングルサイズのベッドが入れられていた。
あえて口には出していなかったが、エメリーンは自分がシングルベッドを使うのだろうと思っていたのだ。
――ルイ様と同じ部屋というだけでも嬉しいのに、同じベッドで眠るなんて、そんなの、眠れる気がしないわ。
そんなことを思っていたエメリーンは、予想外の事態に困惑している。
――ふふ、可愛い寝顔。でも、なぜルイ様がシングルベッドで眠っているのかしら?
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だがヒューバートとエメリーンには、当然そんな経緯は分からなかった。
「ちょ、何をするんですか」
ルイに触れようと手を伸ばしたヒューバートの腕を、エメリーンが慌てて掴んだ。
「あちらのベッドに移動しようとしただけだ。君とルイが、あちらで寝ると良い」
「はっ? だ、ダメですよ。そんなの」
――ルイ様と同じベッドだなんて、そんなのダメよ。それに……。
「良く眠ってるのに、動かしたら可哀想ですよ」
「それはそうだが、仕方がないだろう」
馬車の中でも、ルイを楽な体勢にしてあげたいと思ったエメリーンが、ルイを少し動かしただけで、ルイが目を覚ましてしまうことが良くあった。このまま寝かせてあげた方が、きっと良いとエメリーンは思ったのだ。
「ええ、仕方ありません。私たちがあちらで寝ましょう」
「はっ? な、何を言っているんだ? こ、こんなときに、こんなところで」
「え? 広いベッドですから、端と端で眠れば良いでしょう?」
エメリーンの冷静な受け答えに、「ああ、そういうことか」と、何やら慌てていたヒューバートがスンと静かになった。
――旦那様は、何を慌てていたのかしら?
エメリーンは首を傾げながらもベッドに横になると、すぐに眠気に襲われて、ふわぁと欠伸が一つ漏れた。
――ああ、これなら良く眠れそう。
エメリーンがそう思ったのと、こてんと眠りに落ちたのは、ほぼ同時だった。
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