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格好良いのは……?
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「ぎゃああああああああああ!!」
「お、お助け、ぐぎゃああああ!?」
まるで獣の咆哮のような叫び声を上げて、這うように逃げ出したアントスの下っ端二人だが、執事長がしたことと言えば、自身の顎に手を置いただけだ。先に食らっていた殺気も効いていたのか、執事長の手が上がっただけで、彼らの恐怖心は限界を迎えたのだろう。
「……騒がしい方たちでしたね」
執事長は振り返りざまにそう呟いたが、「おや」とエメリーンのドレスの裾に土が付いていることに気が付くと、そっと地面に片膝を付いてその土を丁寧に払った。どうやらエメリーンは、ルイの側にしゃがんだときに、うっかりドレスの裾を汚してしまっていたらしい。
とても紳士的な執事長の行動に、エメリーンは思わず笑みが溢れた。
「ありがとう。執事長」
「ありがとうございます」
エメリーンのお礼の言葉に、何故かルイも感謝の言葉を重ねた。
「ルイ様?」
「こどものようなおとなのひとたちから、まもってくれてありがとうございます。それと、エメリーンさまをきれいにしてくれて、ありがとうございます」
「まあ」とルイの言葉に感激しているエメリーンの前で、執事長はスッと立ち上がって「いいえ、私は何もしておりませんよ」と、二人に向かって少し照れ臭そうにはにかんだ。
そんな可愛らしさもある執事長の姿に、エメリーンとルイは見つめ合って微笑みを深めたのだった。
ーー不思議ね。本当に何もなかったような気がしてきたわ。
エメリーンはのんきにそんなことを考えており、ルイも同じような感覚だったのだが、執事長やバアルやセイディたちの内心は、そうではなかったらしい。
「では早速、次の目的地に向かいましょうか」
「少し、というかかなり注目されてしまいました。速やかに移動しましょう」
離れた位置で警戒していた兵士たちも、気が付けば全員エメリーンとルイの近くを護っている。通りの人たちの視線から、エメリーンとルイを隠してくれている配置だ。
「次のお店には、そのまま向かっても良いのかしら?」
「はい。ちょうど良いところですので、このまま向かいましょう」
「分かったわ」
兵士たちから緊張感を感じたエメリーンだったが、執事長の明確な答えに安堵した。
ーー大丈夫そうね。
「ルイ様。次のお店まで、私と手を繋いでいただけますか?」
エメリーンが差し出した手に、ルイがすぐに応えて手を重ねた。
「だいじょうぶですよ。エメリーンさま、しつじちょうやセイディたちだけじゃなく、ぼくもついてます」
「まあ、ルイ様。ありがとうございます。とても安心しましたわ」
エメリーンの手を引いて先導するルイを、執事長やバアル、セイディたちが温かく見守っている。兵士たちが隠してくれているからか、エメリーンの顔が緩みまくっていることについては、全員目を瞑ってくれるつもりらしい。
ぎゅっと自身の手を握るルイの手の温かさに、エメリーンは迷惑なアントスの下っ端たちに感謝しても良いと思うほど、幸福を感じたのだった。
「お、お助け、ぐぎゃああああ!?」
まるで獣の咆哮のような叫び声を上げて、這うように逃げ出したアントスの下っ端二人だが、執事長がしたことと言えば、自身の顎に手を置いただけだ。先に食らっていた殺気も効いていたのか、執事長の手が上がっただけで、彼らの恐怖心は限界を迎えたのだろう。
「……騒がしい方たちでしたね」
執事長は振り返りざまにそう呟いたが、「おや」とエメリーンのドレスの裾に土が付いていることに気が付くと、そっと地面に片膝を付いてその土を丁寧に払った。どうやらエメリーンは、ルイの側にしゃがんだときに、うっかりドレスの裾を汚してしまっていたらしい。
とても紳士的な執事長の行動に、エメリーンは思わず笑みが溢れた。
「ありがとう。執事長」
「ありがとうございます」
エメリーンのお礼の言葉に、何故かルイも感謝の言葉を重ねた。
「ルイ様?」
「こどものようなおとなのひとたちから、まもってくれてありがとうございます。それと、エメリーンさまをきれいにしてくれて、ありがとうございます」
「まあ」とルイの言葉に感激しているエメリーンの前で、執事長はスッと立ち上がって「いいえ、私は何もしておりませんよ」と、二人に向かって少し照れ臭そうにはにかんだ。
そんな可愛らしさもある執事長の姿に、エメリーンとルイは見つめ合って微笑みを深めたのだった。
ーー不思議ね。本当に何もなかったような気がしてきたわ。
エメリーンはのんきにそんなことを考えており、ルイも同じような感覚だったのだが、執事長やバアルやセイディたちの内心は、そうではなかったらしい。
「では早速、次の目的地に向かいましょうか」
「少し、というかかなり注目されてしまいました。速やかに移動しましょう」
離れた位置で警戒していた兵士たちも、気が付けば全員エメリーンとルイの近くを護っている。通りの人たちの視線から、エメリーンとルイを隠してくれている配置だ。
「次のお店には、そのまま向かっても良いのかしら?」
「はい。ちょうど良いところですので、このまま向かいましょう」
「分かったわ」
兵士たちから緊張感を感じたエメリーンだったが、執事長の明確な答えに安堵した。
ーー大丈夫そうね。
「ルイ様。次のお店まで、私と手を繋いでいただけますか?」
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「だいじょうぶですよ。エメリーンさま、しつじちょうやセイディたちだけじゃなく、ぼくもついてます」
「まあ、ルイ様。ありがとうございます。とても安心しましたわ」
エメリーンの手を引いて先導するルイを、執事長やバアル、セイディたちが温かく見守っている。兵士たちが隠してくれているからか、エメリーンの顔が緩みまくっていることについては、全員目を瞑ってくれるつもりらしい。
ぎゅっと自身の手を握るルイの手の温かさに、エメリーンは迷惑なアントスの下っ端たちに感謝しても良いと思うほど、幸福を感じたのだった。
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