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ショッピングフロアで正義の味方と出会う
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——よし、今日は小道を徹底的に捜索しよう。
どこかに外に繋がるドアがあるのではないかと、ナギは目を皿のようにしながらショッピングモールの小道を歩く。
ウィンドウショッピングをしているフリをしていたつもりが、ついつい着心地の良さそうなトップスを購入してしまったのは、思いのほか早く支払われた給料が、とんでもなく破格だったせいだ。
ちなみに流通通貨が円で、物価も自分が知るものとそう変わらないと分かったナギは、ゲーム設定のずさんさを大いに喜び、小躍りした。
——メランガ、潤ってるぅ。手取り100万円とか、あり得ないからっ! ああ、爆発さえしなければ、ずっとメランガに居たっていい。
知らず知らず鼻歌を歌いながら歩いていたナギは、たこ焼き屋の横の小道で座り込んでいる男と目が合った。
——あ、どっかで見た、な。
灰色の短髪に澄んだ薄紫色の瞳。薄幸の美青年という表現が似合うその男を、ナギは確かに知っていた。
——うわぁ、サザミナのレドだ。
ラオン国の第2王子、レド。正義の味方の中心人物が、どうしてメランガの内部にいるのか。ゲームの中ではいつも白い軍服を着ていたレドが、白のアンクルパンツに白黒ボーダーカットソー、7分丈の水色リネンシャツなんて爽やかな格好で、さらに変装のためかフレームなしの眼鏡まで掛けている。
——いやいや、変装なのか普段着なのかは知らないけど、目立ちすぎなんですけど。っていうか、なんでそんな隙間で膝を揃えてしゃがんでるのよ……?
「何か用か?」
凛とした澄んだ声で話しかけられて初めて、ナギは自分が立ち止まってしまっていることに気が付いた。
「あー、いや、なんでそんなところに座っているのかな、と」
「……少し、ショックだっただけだ」
「は? ショック?」
思ってもみなかった答えにナギが首を傾げると、確かにレドは傷付いたような顔をしていた。
「お前、鼻歌なんて歌って、楽しそうだったな」
「はあ、まあ」
確かに、つい先ほどまでのナギは楽しかったので頷いて答える。四六時中、爆発に怯えているわけにもいかない。
「……メランガキャッスルの住人は、みんな幸せそうだ」
——あー、メランガキャッスル……ね。
メランガを一つの国とは認めていない、主にサザミナの人間が使うメランガの呼び方に、ナギは内心で苦笑いを零す。
「まあ潤ってるからね、っと」
不用意なナギの発言に、レドが険しい表情を向けてきた。その意味も分かってしまうナギは、そっと視線を逸らした。
メランガが潤っているのは、アゴーレの魔力のお陰もあるが、それ以上にメランガの犠牲になっているラオン国の人たちが多くいるからだ。
「……いや、すまない。メランガキャッスルが潤っているのは、お前のせいではないのに」
「は、いや、まあ」
メランガに住まう一般住民に、突然ガン飛ばしてきたヤバい男。ナギがレドの正体を知らなければ、そんな状態だ。しかも相手は、キラキラの王子様風。
——あ、この人、本物の王子様だっけ。いまさらだけど、タメ口はまずい、かも?
「で、デハ、ワタシハコレデ」
相手が気軽に日常会話を楽しんで良い人ではないことに気が付いて、ナギは早々にレドに背を向けた。
どこかに外に繋がるドアがあるのではないかと、ナギは目を皿のようにしながらショッピングモールの小道を歩く。
ウィンドウショッピングをしているフリをしていたつもりが、ついつい着心地の良さそうなトップスを購入してしまったのは、思いのほか早く支払われた給料が、とんでもなく破格だったせいだ。
ちなみに流通通貨が円で、物価も自分が知るものとそう変わらないと分かったナギは、ゲーム設定のずさんさを大いに喜び、小躍りした。
——メランガ、潤ってるぅ。手取り100万円とか、あり得ないからっ! ああ、爆発さえしなければ、ずっとメランガに居たっていい。
知らず知らず鼻歌を歌いながら歩いていたナギは、たこ焼き屋の横の小道で座り込んでいる男と目が合った。
——あ、どっかで見た、な。
灰色の短髪に澄んだ薄紫色の瞳。薄幸の美青年という表現が似合うその男を、ナギは確かに知っていた。
——うわぁ、サザミナのレドだ。
ラオン国の第2王子、レド。正義の味方の中心人物が、どうしてメランガの内部にいるのか。ゲームの中ではいつも白い軍服を着ていたレドが、白のアンクルパンツに白黒ボーダーカットソー、7分丈の水色リネンシャツなんて爽やかな格好で、さらに変装のためかフレームなしの眼鏡まで掛けている。
——いやいや、変装なのか普段着なのかは知らないけど、目立ちすぎなんですけど。っていうか、なんでそんな隙間で膝を揃えてしゃがんでるのよ……?
「何か用か?」
凛とした澄んだ声で話しかけられて初めて、ナギは自分が立ち止まってしまっていることに気が付いた。
「あー、いや、なんでそんなところに座っているのかな、と」
「……少し、ショックだっただけだ」
「は? ショック?」
思ってもみなかった答えにナギが首を傾げると、確かにレドは傷付いたような顔をしていた。
「お前、鼻歌なんて歌って、楽しそうだったな」
「はあ、まあ」
確かに、つい先ほどまでのナギは楽しかったので頷いて答える。四六時中、爆発に怯えているわけにもいかない。
「……メランガキャッスルの住人は、みんな幸せそうだ」
——あー、メランガキャッスル……ね。
メランガを一つの国とは認めていない、主にサザミナの人間が使うメランガの呼び方に、ナギは内心で苦笑いを零す。
「まあ潤ってるからね、っと」
不用意なナギの発言に、レドが険しい表情を向けてきた。その意味も分かってしまうナギは、そっと視線を逸らした。
メランガが潤っているのは、アゴーレの魔力のお陰もあるが、それ以上にメランガの犠牲になっているラオン国の人たちが多くいるからだ。
「……いや、すまない。メランガキャッスルが潤っているのは、お前のせいではないのに」
「は、いや、まあ」
メランガに住まう一般住民に、突然ガン飛ばしてきたヤバい男。ナギがレドの正体を知らなければ、そんな状態だ。しかも相手は、キラキラの王子様風。
——あ、この人、本物の王子様だっけ。いまさらだけど、タメ口はまずい、かも?
「で、デハ、ワタシハコレデ」
相手が気軽に日常会話を楽しんで良い人ではないことに気が付いて、ナギは早々にレドに背を向けた。
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