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お金はいりません
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レドの微かな異変に気が付いたのか、ピクとブルが慌ててレドの元に向かってくる。通行人たちの視線が痛い。
——だめだ、この人たちってば派手すぎる……。
レドにブルにピク、三人に囲まれてナギはお手上げ状態だ。出来ることなら今すぐ走って逃げ出したいが、三人に悪意があるわけではないのでそんな怪しげなことは出来ない。
「ナギ、先日はウチの者が世話になったな」
「ああ、あなたがナギちゃん? たこ焼き、美味しかった。ナギちゃん、ありがとうー!」
レドとピクにはそれぞれ片手ずつ取られてお礼を言われたが、ブルは両腕を組んで横を向いた。
「……たこ焼きは旨かった」
——何だそれ、ツンデレ? いやいや、どうでも良い。知りたくない、関わりたくない……。
「いえいえ、気にしないで。美味しかったみたいでよかった。じゃ」
これ以上なく簡単に話を終わらせようとしたナギを、レドが掴んだままだった手を強く引くことで止めた。
「待て、ナギ。幼いお前にお金を出させたままというのは我としては心苦しい。お礼を用意したので、受け取ってくれ」
「はっ? え?」
レドがブルを振り返ると、ブルは頷いてスーツの内ポケットから封筒を取り出した。
「受け取れ」
「え? うわ、ちょ、ちょっと待って。お礼とか、すっごく迷惑」
「何?」
ぐいぐいと押しつけられそうになっている封筒から、ナギは身をかわした。ちらりと見えた1万円札もさることながら、その封筒の厚さが明らかにおかしくて怖かったのだ。
——さすがに王族はお金持ちなのね……。
「迷惑……?」
「礼を受け取らないだと?」
揃って愕然としているレドとブルの側で、ピクが困ったような顔で首を傾げた。
「ナギちゃん、どうして受け取ってくれないの?」
「たこ焼きのお礼なら、気持ちだけで充分だから。気持ちはもう受け取ったしね。イエーさんにもよろしく。じゃ、今度こそこれで」
「えええ?」
「すっごく、迷惑……?」と、まだ衝撃から立ち直れていないレドの声を聞きながら、ナギは目が合ったピクに軽く頭を下げて歩きだした。
——ああ、私もシュッと消えられたらいいのに。
去っていく後ろ姿をじっと見送られながら、ナギはだんだん小走りになりつつその場から去った。
残念ながらウィンドウショッピングも出来ず終いだが、サザミナのメンバーが追って来なかっただけで良かったとナギはホッとした。
——今日はもう、大人しく帰ろう。
思いがけず3人目と4人目のサザミナメンバーとも出会ってしまったナギは、これ以上の寄り道を諦めた。
ナギはその夜、久しぶりに自室に戻って過ごしたが、疲れたせいかシュテルンのことを思い出さずにぐっすりと眠ることが出来た。
——だめだ、この人たちってば派手すぎる……。
レドにブルにピク、三人に囲まれてナギはお手上げ状態だ。出来ることなら今すぐ走って逃げ出したいが、三人に悪意があるわけではないのでそんな怪しげなことは出来ない。
「ナギ、先日はウチの者が世話になったな」
「ああ、あなたがナギちゃん? たこ焼き、美味しかった。ナギちゃん、ありがとうー!」
レドとピクにはそれぞれ片手ずつ取られてお礼を言われたが、ブルは両腕を組んで横を向いた。
「……たこ焼きは旨かった」
——何だそれ、ツンデレ? いやいや、どうでも良い。知りたくない、関わりたくない……。
「いえいえ、気にしないで。美味しかったみたいでよかった。じゃ」
これ以上なく簡単に話を終わらせようとしたナギを、レドが掴んだままだった手を強く引くことで止めた。
「待て、ナギ。幼いお前にお金を出させたままというのは我としては心苦しい。お礼を用意したので、受け取ってくれ」
「はっ? え?」
レドがブルを振り返ると、ブルは頷いてスーツの内ポケットから封筒を取り出した。
「受け取れ」
「え? うわ、ちょ、ちょっと待って。お礼とか、すっごく迷惑」
「何?」
ぐいぐいと押しつけられそうになっている封筒から、ナギは身をかわした。ちらりと見えた1万円札もさることながら、その封筒の厚さが明らかにおかしくて怖かったのだ。
——さすがに王族はお金持ちなのね……。
「迷惑……?」
「礼を受け取らないだと?」
揃って愕然としているレドとブルの側で、ピクが困ったような顔で首を傾げた。
「ナギちゃん、どうして受け取ってくれないの?」
「たこ焼きのお礼なら、気持ちだけで充分だから。気持ちはもう受け取ったしね。イエーさんにもよろしく。じゃ、今度こそこれで」
「えええ?」
「すっごく、迷惑……?」と、まだ衝撃から立ち直れていないレドの声を聞きながら、ナギは目が合ったピクに軽く頭を下げて歩きだした。
——ああ、私もシュッと消えられたらいいのに。
去っていく後ろ姿をじっと見送られながら、ナギはだんだん小走りになりつつその場から去った。
残念ながらウィンドウショッピングも出来ず終いだが、サザミナのメンバーが追って来なかっただけで良かったとナギはホッとした。
——今日はもう、大人しく帰ろう。
思いがけず3人目と4人目のサザミナメンバーとも出会ってしまったナギは、これ以上の寄り道を諦めた。
ナギはその夜、久しぶりに自室に戻って過ごしたが、疲れたせいかシュテルンのことを思い出さずにぐっすりと眠ることが出来た。
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