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お互いの仕事
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その日の仕事終わり、少しだけ悩んだものの、ナギはシュテルンの部屋へ向かった。
——新メニューを考えているうちにドカーンと爆発とか、絶対嫌だし。
もやもやと考えていたアレコレは、とりあえず横に置いた。色恋よりも、ナギにはどうしても優先すべきことがある。
——何が何でも、私は生き残らなきゃならないのよ……。
シュテルンの部屋の前に着いて、ナギはその扉を挑むように睨み付けた。
「…………クズ。っ!!」
ナギが思わず息を飲んだのは、ナギが不穏なことを呟いた途端、思いがけず扉が開いて、険しい表情をした軍服姿のシュテルンが顔を出したからだ。
「何だ、猫か……」
「えっ? わあっ?」
シュテルンはナギの脇の下に手を入れて軽々と持ち上げると、シュテルンの部屋の中に降ろした。入れ替わりに廊下に出たシュテルンが、ナギの頭に雑に手を置く。
「出掛けてくる。先に寝てろ」
「え?」
「緊急招集だ。アリギノ国がサザミナの連中と手を組もうとしているらしい。ちょっと行ってアリギノの奴ら、蹴散らしてくる」
「え? え? だ、大丈夫、なの?」
「あん? 大丈夫に決まっているだろうが。俺を誰だと思っている」
フッと鼻で笑ったシュテルンに、そんな場合でもないのにナギの胸がトクリと跳ねた。
「そ、そう。私もまだ仕事が残ってるから寝ないわ……いつまで起きてるかは分かんないけど」
「そうか。まあ好きにしろ。猫は構われすぎるのを嫌う、気ままな生き物なんだろう?」
「っ! す、好きにするわよっ!」
ニヤリと口角を上げて笑ったシュテルンの軍服の胸ぐらを掴んで引き寄せて、ナギはシュテルンの下唇に噛み付いた。
もちろんナギだけの力でそんなことが出来るはずもない。シュテルンがナギの力に合わせて自ら屈んだのだ。
「何だ。腹が減ってるのか、猫。じゃあ早く帰って、エサをやらないとな」
「……そうして」
かわいげのないナギの言葉にくつりと笑って、シュテルンはナギに背を向けた。振り返ることもなくあっという間に小さくなった背中を、ナギは最後まで見送ることはせずに部屋に入った。
重い音を立てて閉じた扉に背中を預け、ナギは2回深呼吸をした。
シュテルンは本当に大丈夫だろうか。レドがほのめかしていたのはアリギノ国とラオン国との同盟のことだったのだろうか。シュテルンは今日これから一体何人を殺めるのだろう。考え出すとキリがない上に、どれもナギにどうにか出来ることではない、とてつもないことばかりだ。
だからナギは、それらについて悩まないことを選択する。
——うん、私は私の仕事をしようっと。
——新メニューを考えているうちにドカーンと爆発とか、絶対嫌だし。
もやもやと考えていたアレコレは、とりあえず横に置いた。色恋よりも、ナギにはどうしても優先すべきことがある。
——何が何でも、私は生き残らなきゃならないのよ……。
シュテルンの部屋の前に着いて、ナギはその扉を挑むように睨み付けた。
「…………クズ。っ!!」
ナギが思わず息を飲んだのは、ナギが不穏なことを呟いた途端、思いがけず扉が開いて、険しい表情をした軍服姿のシュテルンが顔を出したからだ。
「何だ、猫か……」
「えっ? わあっ?」
シュテルンはナギの脇の下に手を入れて軽々と持ち上げると、シュテルンの部屋の中に降ろした。入れ替わりに廊下に出たシュテルンが、ナギの頭に雑に手を置く。
「出掛けてくる。先に寝てろ」
「え?」
「緊急招集だ。アリギノ国がサザミナの連中と手を組もうとしているらしい。ちょっと行ってアリギノの奴ら、蹴散らしてくる」
「え? え? だ、大丈夫、なの?」
「あん? 大丈夫に決まっているだろうが。俺を誰だと思っている」
フッと鼻で笑ったシュテルンに、そんな場合でもないのにナギの胸がトクリと跳ねた。
「そ、そう。私もまだ仕事が残ってるから寝ないわ……いつまで起きてるかは分かんないけど」
「そうか。まあ好きにしろ。猫は構われすぎるのを嫌う、気ままな生き物なんだろう?」
「っ! す、好きにするわよっ!」
ニヤリと口角を上げて笑ったシュテルンの軍服の胸ぐらを掴んで引き寄せて、ナギはシュテルンの下唇に噛み付いた。
もちろんナギだけの力でそんなことが出来るはずもない。シュテルンがナギの力に合わせて自ら屈んだのだ。
「何だ。腹が減ってるのか、猫。じゃあ早く帰って、エサをやらないとな」
「……そうして」
かわいげのないナギの言葉にくつりと笑って、シュテルンはナギに背を向けた。振り返ることもなくあっという間に小さくなった背中を、ナギは最後まで見送ることはせずに部屋に入った。
重い音を立てて閉じた扉に背中を預け、ナギは2回深呼吸をした。
シュテルンは本当に大丈夫だろうか。レドがほのめかしていたのはアリギノ国とラオン国との同盟のことだったのだろうか。シュテルンは今日これから一体何人を殺めるのだろう。考え出すとキリがない上に、どれもナギにどうにか出来ることではない、とてつもないことばかりだ。
だからナギは、それらについて悩まないことを選択する。
——うん、私は私の仕事をしようっと。
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