召喚されたけれど、夫を捜しに出奔します

秋の叶

文字の大きさ
24 / 29

魔獣褒美制度~公一視点~

しおりを挟む
 ここ数日の習慣になりつつある、目覚めと共にステータスを確認。
 
Lv12
体力:160/160
魔力:400/400

 穴に落とした猪の分が追加されていた。
 
 妻からの手紙を読むと、なかなかハードな日だったようで、落ち込んでいる様子が書かれていたが、追記として自分に浄化をかける事を勧められた。
 たしかに、異世界モードだと元の世界と認識が違ってストレス過多になりそうだ。
 鈍化したり、慣れた方がいいのか、元の感覚のままが良いのかは分からない。
 魔石の付与も順調に出来ているようなので、こちらも次々と魔道具を仕上げたい。
 
 朝のうちに結界の魔道具を2つ仕上げ、塀の魔道具も作る。

『結界の魔道具(特大):聖の魔力を付与した魔石が使われている。魔石の魔力効率は十分』
『塀の加工魔道具:土の魔力を付与した魔石が使われている。魔石の魔力効率は十分』

完成したものにメモを貼り付けてインベントリに入れる。

 トーストにマッシュポテトとカレーを添えて朝ご飯を食べてから出発した。
 まずは昨夜埋め込んだ魔道具を確認するために町に入る。
 塀のそばに人が集まっていたが、既に情報が回っているのか、担当者がついて魔力を入れる住民を並ばせている。
「やはり情報が伝達しているんだな・・・」
 情報の速さと正確さはどこの世界でも大事だ。
 そして妻が召喚者だと知られてはいけないという事でもある。
 一応俺もか?
 
 茶屋があったので、そこでお茶を飲みながら話し声に耳を傾ける。
 魔獣の被害が酷い事、塀に取り付けられた魔道具の事、土産物の話、魔動車と道の話が出ていた。
 塩が名産だというので、飲み終わった後に買いに行く。
 布の肩掛け鞄(インベントリ)からどんぶりを取り出し、小銀貨2枚分支払い、量り売りしてもらう。
 
 町の外に出て山の中に入り、先ほど購入した塩を保存袋に移す。
 そこからは一気に歩き進める事にしたのだが、山が多い。とにかく多い。
 そんな山の中のある村で、魔獣捕獲大作戦が決行されていた。
 村中の男衆だけじゃなく、攻撃魔法を使う女性も含めて集まっているようだ。
 捕まえた魔獣は食料になるだけじゃなく、周辺を取りまとめている上役(代官?領主?)から褒美も出ると言うから相当なものだ。
 どれだけいるんだよ魔獣。

 話を聞くと鹿も猪もどちらも褒美の対象で、猪の方がちょっと多く貰えるらしい。
 魔獣を放置したら食料が無くなるばかりだけれど、駆除する上に褒美がもらえるなら、この賑わいも納得だ。
 この催しの後には被害が減って、安定した生産が出来る事を願うばかりだ。

 村の前の方で盛り上がっている人達とは別に、奥の方で不安そうにしている人達もいる。
 小さな子供だったり、高齢者だったり、狩りをしない男女だ。
 元気な村人が出払った後の魔獣の被害が怖いという。
 そりゃそうだ、下手をすると戦う術のない自分たちが踏まれたり襲われる危険があるんだもんな。
 
 村人とちょっと話をして、塀を作っても良いか聞く。
 他の住人も来たので説明し直し、通りすがりだけれど、残る村人のための安全策として、村の一部を囲うように、くの字型の塀を作る事にした。
 手慣れた塀作りを数十メートル行い、せめて1人は戦える人をこの場に残してもらう事で同意。
 大きな穴と、しっかりした壁に少し顔色が良くなった村人達に手を振って別れ、4日後、俺は京都付近に到着した。
 
 この日の壁作りで一気にLvが上がって驚く事を、この日の俺は知らなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~

みつまめ つぼみ
ファンタジー
 17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。  記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。  そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。 「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」  恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~

夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。 「聖女なんてやってられないわよ!」 勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。 そのまま意識を失う。 意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。 そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。 そしてさらには、チート級の力を手に入れる。 目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。 その言葉に、マリアは大歓喜。 (国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!) そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。 外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。 一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます

なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。 過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。 魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。 そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。 これはシナリオなのかバグなのか? その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。 【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

悪役女王アウラの休日 ~処刑した女王が名君だったかもなんて、もう遅い~

オレンジ方解石
ファンタジー
 恋人に裏切られ、嘘の噂を立てられ、契約も打ち切られた二十七歳の派遣社員、雨井桜子。  世界に絶望した彼女は、むかし読んだ少女漫画『聖なる乙女の祈りの伝説』の悪役女王アウラと魂が入れ替わる。  アウラは二年後に処刑されるキャラ。  桜子は処刑を回避して、今度こそ幸せになろうと奮闘するが、その時は迫りーーーー

神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>

ラララキヲ
ファンタジー
 フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。  それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。  彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。  そしてフライアルド聖国の歴史は動く。  『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……  神「プンスコ(`3´)」 !!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!! ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇ちょっと【恋愛】もあるよ! ◇なろうにも上げてます。

処理中です...