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新しい生活魔法
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起床後のステータス確認。
Lv23
体力:150/150
魔力:710/710
夕べの猪は夢じゃなかったのよねー・・・。
食欲が無かったので朝ご飯はバナナで終わった。
登録所へ売りに行くため、トートバックを肩にかけ、大八車に猪を乗せて街道に出る。
同じように猪を運んでいる人がいるので、魔獣が多い地域だと実感した。
登録所は何人か並んでいたので、少し待ち、受付をして暫く町中を歩く事にする。
色々名物や名産があるというので、買い物をする事にした。
まずは八丁味噌。バック(インベントリ)から保存瓶の蓋を外した状態で取り出し、洗浄をして味噌を詰めてもらって買う。
次に木綿布。夫と合流したら魔道具にしてほしい物があるので、金貨1枚分を購入。
石製品を見て、鍛冶物を見て、この辺は夫が好きそうだなと思いながら、合流したら一緒に巡ることを心にメモする。
食事処で淡雪豆腐を注文し、美味しくいただく。
お腹が満足したところで登録所に戻ると、並んでいる人はいなくなっていた上、解体作業も終わっていた。
魔石と魔獣肉の代金として銀貨3枚を受け取る。
この町は何度か来る予感がしているので、ここで浄化の魔道具は渡さない事に決め、大八車を引き取って登録所を後にする。
町を出たあとは焼き蛤が名物だという地域まで歩く予定だ。
困った事に往来する人や牛車、魔動車が多くてインベントリに大八車を収納できない上に姿が隠せない。
身体強化で引っ張るのも歩くのも苦じゃないから良いけれど・・・。
そんな事を思いながら歩いていたら、道の端で蹲っている親子がいた。
「どうかされましたか?」
聞いてみると、寺院参りのために歩いていたが、母親が体調を崩したという。
子供は女の子で10代のようだけれど、中学生くらいの子供にとって親御さんの体調不良はかなり不安な事だろう。
ご主人は建築関係であちらこちらに長期で仕事に行くため、滅多に家に帰らないのだとか。
丁度良いことに大八車を引っ張っていたので、乗り心地は悪いけれど、途中まで乗っていきませんか?と提案した。
娘さんも疲れているでしょうから一緒にどうぞと勧め、荷台に振動が響かないように防御魔法を施す。
乗ってもらう時に補助する態で親子にこっそり回復と治癒魔法もかけた。
2人を乗せて身体強化でぐいぐい引っ張って歩くと、子供は凄い!速い!と歓声を上げる。
母親は調子が上がってきた事もあって、驚きながらも微笑んでいた。
途中から子供が車を降りて隣に並んで歩く。
「小母ちゃん、これ、どうやって引っ張ってるの?」
好奇心いっぱいの目で聞かれたので『生活魔法よ』と答える。
「生活魔法だったら私にも出来る?」
「どうなんだろう?練習してみて出来る人もいれば出来ない人もいると言うけれど『身体強化』と唱えて練習する?」
本に書かれていた呪文が脳内からすっかり消えていたので、普段頭の中で意識する単語を言う。
発動しなければしないで、また別の人に習えばいいと思う。
「身体強化・・・まだ難しいなー・・・身体強化・・・身体強化」
「強化するとね、脚や腕、お腹や背中の肉が強くなって、力が出るの。筋肉っていう名前の肉なのよ」
筋肉はそれほど無いけれど、腕を曲げて力こぶを作って見せ、この硬くなるお肉ねと説明する。
鍛えていなくても魔法で補助出来るって凄い事だ。
筋トレは筋トレで大事だけどね。
「筋肉を使い過ぎたら痛くなるかもしれないから、その時は無理をしないでね」
筋肉痛の辛さを思い出しながらしみじみと伝える。
暫くして、せっせと足を動かしながら呟いていた子供が『あっ!』と小さく叫ぶ。
どうしたの?と横を見ると、にこにこと嬉しそうにして手を出す。
「小母ちゃん、私にも引かせて?」
「え?もしかして出来るようになった?」
「たぶん・・・」
一旦止まり、持ち手を渡して引っ張る様子を見る。
しっかりした足取りで、母親が乗った大八車をぐんぐん引いて行った。
乗っていた母親は目を見開いて驚いている。
「おおー出来たねぇー」
「うん!小母ちゃん教えてくれてありがとう!」
あっさり身体強化を覚えた子供の様子を見て、母親も何か感じたのか、台の上でぶつぶつと呟きだした。
私の目的地が近くなった頃、母親が台車を降りるというので、立ち止まる。
体調を確認すると問題無いというので安心した。
町まで行きましょうかと歩き出そうとしたら、今度は母親が引っ張りたいと言い出す。
「えっ、もしかして・・・」
「ふふっ」
持ち手を握って軽快に歩く母親に、子供も私も目を丸くする。
「お母さんも出来るようになったんだね。やったぁー!」
手を叩いて喜ぶ子供を見て目を細める母親。
「乗せてもらった上に、魔法も教えていただいてありがとうございました。これでお参りの往復の心配が減りました」
親子は丁寧に頭を下げて去って行った。
「気を付けていってらっしゃい」と手を振って別れる。
お参りが終わって帰宅した親子は、周囲の人に身体強化の事を話した。
その地域では今までの異国の言葉ではなく、現地の言葉で呪文を唱えて強化する方法が広がったのは少し先の事。
もちろん父親の仕事に大いに役立ち、職人の間にも広まったのだった。
炊き蛤が有名だという町に入り、持ち帰りで購入してからバック(インベントリ)に入れて町を出る。
少し先に山があったので、そこで大八車を収納し、人型結界で姿を隠して街道を外れ、別のルートに進む。
山に近い小さな町に入り、登録所に行って魔石を購入したいと話し、見せてもらう。
「ネズミやモグラの駆除と魔獣狩りをしたから沢山あるよ。 どれにする?」
「そうですね・・・では、大きめの魔石を3個と小さい魔石を5個でおいくらになりますか?」
「両方で銀貨3枚と小銀貨8枚だ。もっと買ってくれるならちょっとまけるぜ」
ふむふむ。
「では、大きいのを5個と小さいのが10個でしたらおいくらに?」
「それなら銀貨6枚と小銀貨3枚それに銅貨5枚だが、銅貨の分をまけて銀貨6枚と小銀貨3枚だな」
うーんと考えながらバックの中に手を入れ、手のひらに乗る滑らかな箱型の魔道具を取り出す。
「これ、魔石の浄化をする魔道具なのですけれど、これを代金にすることも出来ますか?」
「なっ!なんだって?そんな道具があるのか!見せてくれ」
どうぞと手渡すと、店主は鑑定の魔法を使って確かめる。
「これがあれば魔道具を作るやつらが魔石を買いやすくなるな。よし!さっき言った魔石は銀貨3枚でどうだ?」
「ではそれでお願いします」
そう言うと、袋に大きい魔石6個と小さい魔石15個を入れてくれたので驚いた。
「これだけ便利な魔道具は滅多にお目にかからないからな、色を付けるよ」
バチンっと片目を閉じる店主だった。
お礼を言って店を出て、そのまま町も出て山に向かう。
大きな湖があると聞いていた方向に向かって山の中を歩き、野営場所を決める。
焼き蛤とかば焼きと、茹で野菜の夕食を摂り、暗くなってから最初の教会がある町の入口へ転移する。
内側の壁に誰もいない事を確認し、結界を張って防音。
壁の補修魔道具を使って結界の魔道具を取り付けた、そっとその場を去る。
野営場所に戻ると全ての魔石を浄化し、コンロの魔石を増やしておく。
それから買ってきた布を裁断し、スカーフのように仕上げていく。
個人で使える冷暖房のアイテムにしたい。
ピン(魔石)部分を色んなデザインにしたら、おしゃれになるんじゃないかな?
鼻歌を歌いながら生活魔法を使って裁縫し、夜が更けていく。
それから3日後、私は夫と再会した。
リビングで離ればなれになってから、約2週間ぶりの事である。
Lv23
体力:150/150
魔力:710/710
夕べの猪は夢じゃなかったのよねー・・・。
食欲が無かったので朝ご飯はバナナで終わった。
登録所へ売りに行くため、トートバックを肩にかけ、大八車に猪を乗せて街道に出る。
同じように猪を運んでいる人がいるので、魔獣が多い地域だと実感した。
登録所は何人か並んでいたので、少し待ち、受付をして暫く町中を歩く事にする。
色々名物や名産があるというので、買い物をする事にした。
まずは八丁味噌。バック(インベントリ)から保存瓶の蓋を外した状態で取り出し、洗浄をして味噌を詰めてもらって買う。
次に木綿布。夫と合流したら魔道具にしてほしい物があるので、金貨1枚分を購入。
石製品を見て、鍛冶物を見て、この辺は夫が好きそうだなと思いながら、合流したら一緒に巡ることを心にメモする。
食事処で淡雪豆腐を注文し、美味しくいただく。
お腹が満足したところで登録所に戻ると、並んでいる人はいなくなっていた上、解体作業も終わっていた。
魔石と魔獣肉の代金として銀貨3枚を受け取る。
この町は何度か来る予感がしているので、ここで浄化の魔道具は渡さない事に決め、大八車を引き取って登録所を後にする。
町を出たあとは焼き蛤が名物だという地域まで歩く予定だ。
困った事に往来する人や牛車、魔動車が多くてインベントリに大八車を収納できない上に姿が隠せない。
身体強化で引っ張るのも歩くのも苦じゃないから良いけれど・・・。
そんな事を思いながら歩いていたら、道の端で蹲っている親子がいた。
「どうかされましたか?」
聞いてみると、寺院参りのために歩いていたが、母親が体調を崩したという。
子供は女の子で10代のようだけれど、中学生くらいの子供にとって親御さんの体調不良はかなり不安な事だろう。
ご主人は建築関係であちらこちらに長期で仕事に行くため、滅多に家に帰らないのだとか。
丁度良いことに大八車を引っ張っていたので、乗り心地は悪いけれど、途中まで乗っていきませんか?と提案した。
娘さんも疲れているでしょうから一緒にどうぞと勧め、荷台に振動が響かないように防御魔法を施す。
乗ってもらう時に補助する態で親子にこっそり回復と治癒魔法もかけた。
2人を乗せて身体強化でぐいぐい引っ張って歩くと、子供は凄い!速い!と歓声を上げる。
母親は調子が上がってきた事もあって、驚きながらも微笑んでいた。
途中から子供が車を降りて隣に並んで歩く。
「小母ちゃん、これ、どうやって引っ張ってるの?」
好奇心いっぱいの目で聞かれたので『生活魔法よ』と答える。
「生活魔法だったら私にも出来る?」
「どうなんだろう?練習してみて出来る人もいれば出来ない人もいると言うけれど『身体強化』と唱えて練習する?」
本に書かれていた呪文が脳内からすっかり消えていたので、普段頭の中で意識する単語を言う。
発動しなければしないで、また別の人に習えばいいと思う。
「身体強化・・・まだ難しいなー・・・身体強化・・・身体強化」
「強化するとね、脚や腕、お腹や背中の肉が強くなって、力が出るの。筋肉っていう名前の肉なのよ」
筋肉はそれほど無いけれど、腕を曲げて力こぶを作って見せ、この硬くなるお肉ねと説明する。
鍛えていなくても魔法で補助出来るって凄い事だ。
筋トレは筋トレで大事だけどね。
「筋肉を使い過ぎたら痛くなるかもしれないから、その時は無理をしないでね」
筋肉痛の辛さを思い出しながらしみじみと伝える。
暫くして、せっせと足を動かしながら呟いていた子供が『あっ!』と小さく叫ぶ。
どうしたの?と横を見ると、にこにこと嬉しそうにして手を出す。
「小母ちゃん、私にも引かせて?」
「え?もしかして出来るようになった?」
「たぶん・・・」
一旦止まり、持ち手を渡して引っ張る様子を見る。
しっかりした足取りで、母親が乗った大八車をぐんぐん引いて行った。
乗っていた母親は目を見開いて驚いている。
「おおー出来たねぇー」
「うん!小母ちゃん教えてくれてありがとう!」
あっさり身体強化を覚えた子供の様子を見て、母親も何か感じたのか、台の上でぶつぶつと呟きだした。
私の目的地が近くなった頃、母親が台車を降りるというので、立ち止まる。
体調を確認すると問題無いというので安心した。
町まで行きましょうかと歩き出そうとしたら、今度は母親が引っ張りたいと言い出す。
「えっ、もしかして・・・」
「ふふっ」
持ち手を握って軽快に歩く母親に、子供も私も目を丸くする。
「お母さんも出来るようになったんだね。やったぁー!」
手を叩いて喜ぶ子供を見て目を細める母親。
「乗せてもらった上に、魔法も教えていただいてありがとうございました。これでお参りの往復の心配が減りました」
親子は丁寧に頭を下げて去って行った。
「気を付けていってらっしゃい」と手を振って別れる。
お参りが終わって帰宅した親子は、周囲の人に身体強化の事を話した。
その地域では今までの異国の言葉ではなく、現地の言葉で呪文を唱えて強化する方法が広がったのは少し先の事。
もちろん父親の仕事に大いに役立ち、職人の間にも広まったのだった。
炊き蛤が有名だという町に入り、持ち帰りで購入してからバック(インベントリ)に入れて町を出る。
少し先に山があったので、そこで大八車を収納し、人型結界で姿を隠して街道を外れ、別のルートに進む。
山に近い小さな町に入り、登録所に行って魔石を購入したいと話し、見せてもらう。
「ネズミやモグラの駆除と魔獣狩りをしたから沢山あるよ。 どれにする?」
「そうですね・・・では、大きめの魔石を3個と小さい魔石を5個でおいくらになりますか?」
「両方で銀貨3枚と小銀貨8枚だ。もっと買ってくれるならちょっとまけるぜ」
ふむふむ。
「では、大きいのを5個と小さいのが10個でしたらおいくらに?」
「それなら銀貨6枚と小銀貨3枚それに銅貨5枚だが、銅貨の分をまけて銀貨6枚と小銀貨3枚だな」
うーんと考えながらバックの中に手を入れ、手のひらに乗る滑らかな箱型の魔道具を取り出す。
「これ、魔石の浄化をする魔道具なのですけれど、これを代金にすることも出来ますか?」
「なっ!なんだって?そんな道具があるのか!見せてくれ」
どうぞと手渡すと、店主は鑑定の魔法を使って確かめる。
「これがあれば魔道具を作るやつらが魔石を買いやすくなるな。よし!さっき言った魔石は銀貨3枚でどうだ?」
「ではそれでお願いします」
そう言うと、袋に大きい魔石6個と小さい魔石15個を入れてくれたので驚いた。
「これだけ便利な魔道具は滅多にお目にかからないからな、色を付けるよ」
バチンっと片目を閉じる店主だった。
お礼を言って店を出て、そのまま町も出て山に向かう。
大きな湖があると聞いていた方向に向かって山の中を歩き、野営場所を決める。
焼き蛤とかば焼きと、茹で野菜の夕食を摂り、暗くなってから最初の教会がある町の入口へ転移する。
内側の壁に誰もいない事を確認し、結界を張って防音。
壁の補修魔道具を使って結界の魔道具を取り付けた、そっとその場を去る。
野営場所に戻ると全ての魔石を浄化し、コンロの魔石を増やしておく。
それから買ってきた布を裁断し、スカーフのように仕上げていく。
個人で使える冷暖房のアイテムにしたい。
ピン(魔石)部分を色んなデザインにしたら、おしゃれになるんじゃないかな?
鼻歌を歌いながら生活魔法を使って裁縫し、夜が更けていく。
それから3日後、私は夫と再会した。
リビングで離ればなれになってから、約2週間ぶりの事である。
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