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君、愛し 恋し 扉
咲の卒業
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「いよっしゃー!!」
高校卒業を祝う藤臣家に咲の雄叫びが轟く。
女子高生の彼女が卒業するので、花束を持ってプロポーズをしようと、髪をオールバックにし、アルマーニを着て靴を履いた時に、家族に捕まった。
父親と兄達が
「女子高生だと?! うらやまけしからん!」
訳のわからない事を言い出して付いてきた。
藤臣家の面々は華やかで、母親は着物姿、咲ちゃんは袴を着付けている。
我が家の男性陣がボーッと見とれる中、咲ちゃんが僕の所に来て体温計を渡された。
「功君パパ! おめでとう!」
いや誤解を招くから。
「お前!パパと呼ばせてるのか?! 援交か!?」
兄達が騒がしい。
渡された体温計の文字盤は白地に赤い線が二本だった。
父親はそれを見た途端、顔色を変える。
僕は笑顔の咲ちゃんに
「卒業おめでとう! 結婚して下さい!」
体温計の意味は分からないが、当初の目的の花束とプロポーズを贈った。
跪く僕に咲ちゃんは熱烈なキスで返事をくれた。
父親が隣にしゃがみ込んで両手をワキワキしてきたので、咲ちゃんを抱き上げ距離をとった。
「可愛い……。連れて帰ろう」
危険を察知して長兄が父親を押さえ込み、次兄は母親を呼びに車で飛びだして行く。
押さえ込まれながらも手を伸ばす父親に藤臣家はドン引きだ。
咲ちゃんは楽しそうに僕の腕の中で脚をプラプラさせて可愛い。
「功君パパ! 楽しい~!」
ご満悦で何よりだ。
「おーやーじぃー! ノータッチだぁー!」
何となく長兄もおかしい。
混沌の中、佐藤さんが何とか立て直しにかかる。
「とりあえず家に入って頂きましょう?」
みんなに続いた兄が父親を引きずりながら家に入って行く。
僕は父親と距離を置きながら、咲ちゃんを抱いたまま靴を脱がして、手から降ろさずに咲ちゃんの家にお邪魔した。
やや落ち着いた頃に母親と次兄が到着。
「咲、赤ちゃんが出来たから功君は家にお婿さんに来て貰います!」
落ち着きを取り戻しつつあった両家に爆弾が投下された。
咲ちゃんが先ほど渡してきた体温計は、体温ではなく……。
妊娠検査の結果を示していたのか。
高校卒業を祝う藤臣家に咲の雄叫びが轟く。
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「女子高生だと?! うらやまけしからん!」
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いや誤解を招くから。
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渡された体温計の文字盤は白地に赤い線が二本だった。
父親はそれを見た途端、顔色を変える。
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跪く僕に咲ちゃんは熱烈なキスで返事をくれた。
父親が隣にしゃがみ込んで両手をワキワキしてきたので、咲ちゃんを抱き上げ距離をとった。
「可愛い……。連れて帰ろう」
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押さえ込まれながらも手を伸ばす父親に藤臣家はドン引きだ。
咲ちゃんは楽しそうに僕の腕の中で脚をプラプラさせて可愛い。
「功君パパ! 楽しい~!」
ご満悦で何よりだ。
「おーやーじぃー! ノータッチだぁー!」
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