烏木の使いと守護騎士の誓いを破るなんてとんでもない

時雨

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第36話

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「信じられないかもしれないけど、オレは……多分この世界の人間じゃない」


 否定も肯定もせずただ無言でオレの話を聞くヴィルヘルムの表情を窺ってから、続けて話し始めた。

「ヴィルヘルムと初めて会ったあの日、オレは仕事に行く途中で猫を助けようとしたんだ」

「あっそうだ猫っていうのはこう……膝に乗るくらいの動物で、こっちの世界では精霊の泉で一度見ただけなんだけど」
 早速話が脱線しそうになったが、特にヴィルヘルムも気にした様子がないので気を取り直して話す。

「昔飼ってたからかな、気が付いたら車の前に飛び出しててさ」
 車の説明も必要かとも思ったが話の流れから意味は伝わりそうなので、これ以上話の腰を折らないように続けた。

「それで轢かれて、多分ほぼ即死で……痛かったのは一瞬だったんだけど、そのまま気を失って……気が付いたらあの最初にヴィルヘルムと会った道端に倒れてたんだ」

「……今まで黙っててごめん。オレがもし逆の立場で同じ事を言われても、信じられるか自信がなかったんだ」
 ヴィルヘルムの事を信じられなかったのではないと言外に滲ませたが、直後にこれもまた言い訳だなと自嘲した。

「友達からの手紙にも“もう墓参りには行かなくて良いな”って書いてあったから、確かに元の世界では死んでるんだ」

 向こうにはちゃんと遺体もあって葬式を上げられたのかと思うと、かなり妙な気持ちだが分からない事をこれ以上考えても仕方ない……。
 ヴィルヘルムに聞かれて答えられなかった質問に、正確に答える事にした。

「だからオレの事を捜している人なんていないし、帰りたいとも思ってない」
「オレはこの世界で生きていきたいと思ってる」


「そうか……身体は痛めなかったのか?」

 まず気になるのがそこなのが本当に彼らしいなと思いながら、頷いて両手を振って元気である事をアピールした。

「破れたはずの服とか脱げた靴まで元通りだったから、身体も本当に痕もないよ」
 まぁこちらの世界では大きな姿見が少ないから全身を確認した訳ではないが、痛みも無かったのできっと傷痕すらないだろう。

「すまない、辛い事を話させてしまって」
 申し訳なさそうに言うヴィルヘルムに、こちらこそと頭を振った。
「そんな話すのも辛かった訳じゃないんだ、ただ信じてもらえるか自信がなかっただけで……」
 少し気不味い空気になりかけたが、ヴィルヘルムが笑った気配がして顔を上げた。

「ありがとう、この世界で生きたいと思ってくれて」

 穏やかに笑った彼の表情に、抱きしめられた時とは別の意味で胸の辺りがじんわりと熱くなった。

 身体は冷え切っているのでこの熱が全身に伝われば良いのになと思う。
 オレがこの世界で生きていきたいと思ったのは、ヴィルヘルムのような人もいる世界だからそう思えたのだが、きっとそんな事までは伝わっていないのだろうなと思った。




 身を寄せ合って肩や腕が触れる距離で夜明けを待つ。

 虫の音と少し遠くなった川が流れる水音以外には何も聞こえなかったが、徐々に隣のヴィルヘルムの呼吸音と触れた身体の温度が上がっている気がして、隣の彼の様子を窺った。


 ヴィルヘルムの顔を見上げると、彼は苦しそうに浅い呼吸を繰り返していた。
 苦しそうなその表情を見て慌てて額に手を当てると、やはり熱があるようだ。黙って話を聞いてくれていたのは、オレが話やすいようにかと思っていたが返事をするのも辛い状態であったなら気が付くのが遅れてしまった。

 少しでもヴィルヘルムに横になるよう、彼の後頭部を抱えて自分の膝の上に乗せて身体が伸ばせるように場所を作った。

 いつまでもこんな場所で傷の手当ても出来ず、濡れた服を着せたままではきっと体調は悪化する一方だ。夜が明けて朝になれば周りも見渡せて山を下りられるかと思っていたが、ヴィルヘルムがこんな状態ではそれも難しいかもしれない。



「朝になったら起こすから、このまま休んっ……」
 突然ヴィルヘルムの手によって口元を覆われ、オレは動きを止めて耳を澄ませた。
 それから数秒もしない内に確かにオレの耳にも草木を踏んで近付く足音が聞こえ、俄かに戦慄が走った。

 岩壁に立てかけるように置いていた剣に手を伸ばし、なんとか頭を上げようとするヴィルヘルムを押し留めた。追手であれば応戦しようとする彼の意図を汲んで、静かに剣を抱えて立ち上がった。もちろん剣を振った経験も実戦の経験もないが、武器はないよりマシだろう。

 野生動物かなにかであってくれと願ったが、暗闇に少し慣れた目には10メートル程先に黒い人間大の影が見えた。木の陰に隠れようとしている事から明らかに動物ではなく人間のようだ。
 川を辿って歩いているような様子から明らかにオレ達を追って来たようで、足元を確認しながら徐々にこちらに歩を進めている。ずぶ濡れの人間2人が通った地面は、そう簡単に乾いてはいなかったかもしれない。足跡が残らないように落ち葉や草の生えた場所を歩いて来たつもりだったが、甘かったらしい。

 こちらの呼吸音すら聞き付けられてしまうのではないかと息を止め、別の方向へ向きを変えてくれないかと思うが真っ直ぐ此方に歩み寄って来る。



「ぐぁっ……!」

 聞いた事のない低く濁った男の叫び声が聞こえて、近寄って来ていた影がその場から突然消えた。

 一体なにが起きたのかと視界の利かない薄暗い闇を見渡していると、突然目の前に人影が現れてオレは渾身の力で鞘に入ったままの剣を振り被った。

「うわっ!」
 目の前の人影に振り上げた剣を軽々と奪われるのと、後ろから伸びてきたヴィルヘルムの腕によって腰から身体全身が後方へ引っ張られるのがほぼ同時だった。
 尻餅をつくようにヴィルヘルムの膝の上に乗り上げたが、後方の彼を心配するよりも目の前にいる人物に驚いた。

「っ団長さん!?」

「お~、無事かお前ら」
 そこにはオレの手から簡単に奪った剣を片手で軽く振るオスカー団長が立っていた。思い掛けない場所での団長さんの登場にオレは心底ほっとしたが、腰に回っていたヴィルヘルムの腕には一層力が入った。そうだ!団長さんの事も信用出来るかどうか分からないと言っていたじゃないか!

 すぐにオレの表情が強張った事が伝わったようで、一瞬和みそうになった空気がその瞬間冷たく張り詰めた。


「なんだ、怪我してるのか?ヴィルヘルム」
 不自然に微笑んだ団長さんが手にしていたヴィルヘルムの剣の鞘を持って、その刀身を静かに抜いた。今までオレを守ってくれた剣が、月夜を受けて青白く輝く光景に背筋を冷たい汗が流れた。

「“守護騎士”が守護対象者に守られるなんざ、いい笑いモンだよなぁ?」
 先程までオレが立ち向かおうとしていた事を言っているのだろうが、こんな状態の彼に守ってもらうほどオレは弱いままでいたくない。

「俺に大見得を切ってたんじゃなかったか?」
 笑った顔のまま剣先は真っ直ぐにオレの鼻先へ向けられたが、庇うようにヴィルヘルムの腕が間に入る。

「お前らの“覚悟”はそんなモノか?」
 斬りやすいよう剣を傾ける乾いた音がして思わず目を強く瞑るが、続けて聞こえてきたのはまたしてもここにいる筈の無い第三者の溜め息だった。

「おいオスカー、そんな事ばかりしているから部下から誤解されるんだ」

 目の前の男の肩を気安く叩く人物を見て驚いた。
「シュテファンさん!どうしてここに!?」
 団長さんと並ぶように立つシュテファンさんは心底呆れたといった表情を見せている。


「いやだってコイツら酷くないか!?俺はすげー傷付いている!!」
 大袈裟に嘆く団長さん曰く、オレ達に疑われ警戒された事がショックだったそうで、つい小芝居を打ったらしい……。心臓に悪過ぎる。

「すまない私が早く止めれば良かったよ。イツキ君、ヴィルヘルムもう大丈夫だ」
 オレに向かって立ち上がるよう手を差し伸べてくれたシュテファンさんの手を借り、いつの間にか拘束が解けていたヴィルヘルムの腕を下ろしてもらって立ち上がる。


「ありがとうございます、とにかく!まずヴィルヘルムの怪我を看てもらえませんか?」
 そう言って2人に懇願するとすぐにヴィルヘルムの傍に屈んだ団長さんとシュテファンさんは、彼の腕の傷の具合を確認してくれるようだ。
「さっきから熱も出てきたみたいで……え?なにしてるんですか!?」
 思わず声が裏返ってしまった、熱があると言っているのに2人がかりでヴィルヘルムの服を脱がしにかかっていて驚いたのだ。
 上半身は分かる、傷の具合を確認するのにオレも確かに服が邪魔だなと思ったから、でも何故ズボンまで脱がしているのか……?口をポカンと開けて様子を見守っていると、ヴィルヘルムから脱がした服を持った団長さんが川の方向へそのまま小走りで消えて行き、残ったシュテファンさんは手にしていた別の服をヴィルヘルムに着るように促している。

 しんどそうなヴィルヘルムの様子を見て、彼の着替えを手伝った。ずぶ濡れだったので乾いた着替えは有り難かったが、お世辞にも綺麗とはいえず着古された彼にはサイズも合わない服だった。
 やっとヴィルヘルムの着替えが終わると、今度はシュテファンさんがオレに向き直った。

「次は君だ、早く脱いでくれ」
「いえ、オレはこのままでも……」
「話は後だ、早く!」
 鋭い声音で言ったシュテファンさんの言葉に急かされるように、オレは着ていたワンピースのような被り物の服と、下に履いていた丈の短いズボンを脱いだ。まさか森の中で下着姿になるとは思わずなんとも心許ない。

「その鬘と眼鏡もだ」
 オレと同じように服を脱いだシュテファンさんに促がされ、慌てて眼鏡を外し鬘を手早く外した。寒さに手で腕を擦ると、すぐにシュテファンさんがそれまで彼が着ていたローブのような服をオレに手渡した。今度は早くその服を着ろという意図を汲んで、まだ体温の残るその服に袖を通した。

 やっと濡れていない服を着られて嬉しいが、オレが脱いだびしょ濡れの服をシュテファンさんがそのまま着たのにはまた驚いた。オレの驚く様子など意に介さず素早く濡れた鬘と眼鏡までかけたシュテファンさんを見て、オレはやっと彼の意図を理解した。
 どうやったのかわからないが、シュテファンさんの肌の色も瞳の色も変装をしている時のオレそのもので、オレ達は見事に入れ替わってしまったのだ。身長も彼の方が少し高かったはずだが違和感が全くない。
 突然自分が2人に増えたような錯覚を覚えながら、彼が変装のプロだった事を思い出した。
 最後に靴も履き替えるように言われ、それまで履いていた軟らかい革の靴を彼のサンダルと履き替えた。


「イツキ君、君の顔をはっきり見た人間はどれ位いる?」
 恐らくあの廃墟での事だと分かり、正面からしっかり顔を見られたのは銀髪の若い男だけだと伝えた。
「あと捕まっているルノという少年とは町に来てすぐに知り合いましたが、変装した姿では会った事はありません」
「なるほど、気を付けるよ」
 微かに笑ったシュテファンさんの表情と台詞に、まさかと思いながら彼の仕事である“潜入捜査”という言葉が頭に浮かんだ。


 手ぶらで戻って来た団長さんがオレに変装したシュテファンさんを見て、上出来だと声を掛けた。
 そのままヴィルヘルムを抱えるように立たせて、オレを見た団長さんは顎で前方の暗闇を指した。

「よ~し下山するぞお前ら、ここはシュテファンに任せる」
 予想が当たって戸惑うオレに笑い掛けたシュテファンさんが、思い出したようにオレの手首に光る華奢な金のブレスレットを器用に外して自分の手首に回した。

「大丈夫だイツキ君、私はこれでも諜報部隊だからね」
「でも……、さっきは殺されそうになったんです!今戻ったら…!」
 なんとか危険だと伝えようとするが、シュテファンさんも団長さんも予想の範囲内とでもいうように全く動じない。
「あの場で殺されそうになったのは騎士だけだ、君にはまだ人質の価値がある」
「いや、そうかもしれませんけど……」
 確かに頭数がどうとは言っていたが、先程最後に見た男達の怒りの形相から逃げ出したオレを簡単に許すとは思えない。オレの考えを読んだかのように頷いたシュテファンさんは簡単に状況を説明してくれた。

「さっきこの近くまで来ていた追手の1人を殺した。ヴィルヘルムの服を着せて細工もしたからあの死体の傍で私を発見させ、騎士は死に証拠隠滅も問題無いと奴等を信じ込ませる」
 オレを安心させるように両肩に置かれた手の温かさに、思わず彼に抱きついた。

「ああ、せっかくの乾いた服が台無しじゃないか」

 冗談を言いながら笑って抱き返してくれたシュテファンさんに、場違いにも苦笑してしまった。

「どうか気を付けて」
「そちらもね」

 振り返ると団長さんが神妙な顔でシュテファンさんと頷き合って、改めてオレを見てから川とは反対の方向へ歩き出した。

 団長さんに従うように薄暗闇へと歩き出し、少し歩いた所で後ろを振り返ったがそこには既にシュテファンさんの姿はなかった。


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