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(な、なに…?)
いったい何が起きているのか、ロザリアにはさっぱり全然全く分からない。
ただ目の前で繰り広げられる信じられない光景に目を瞬くしか出来なかった。
「………………え?」
ぽかんと口を開けて放心してしまっていたが、我に返ると慌ててセインの腕を引く。
「ほんと、何なのこれ、ねぇ」
見上げたセインはロザリアみたいに動揺なんてまったくしていない。
持っている剣を一度も振るうそぶりさえ見せず、ロザリアをかばう位置に立っているだけだ。
「黙っていろ。終わったら説明するから」
「説明って…」
困惑した声をあげつつ、ロザリアはセインからまた目の前の騒ぎに視線を移した。
最初にセインとロザリアと対峙していた3人の男たちを、ジンを含むあとから来た男たち6人が蹴散らしている。なぜかどうしてか、敵であるはずのジン達がロザリアとセインを守っている。
「だっ、誰か来てくれ!」
屋敷の中へ向かってさらなる応援を呼ぶ彼らに、ジンはにっこりと笑って言う。
「屋敷の中の奴らは全部捕縛済み。あんたらで最後だよ」
「はぁ?!て、めぇら!裏切ったのかよ!!」
騒ぐ男たちに対する6人は、圧倒的な戦闘力で簡単にやられてしまう。
その剣裁きはロザリアの良く見知ったもので、よくよく観察してみると6人全員がロザリアの知った顔…王宮に仕える騎士の人間だ。。
薄暗い場所だから今までまったく気づきもしなかった。
そこでセインが後ろを振り返り、ロザリアの呑み込みのわるさに呆れたようなため息を吐く。
「潜入作戦ってやつだ」
「…は?」
「ロザリアには難しい単語だったか?砕いて言うと、仲間になった演技をして敵の懐に入り込む。それで情報を得たり罠を仕掛けたり強襲したりと、まぁそんな作戦だ」
「そっ…そこまで詳しく説明しなくても分かるけれど…」
意味は、さすがのロザリアでも理解できる。
けれどあまりに予想外な展開すぎて頭が付いて行かないのだ。
「ひっでぇ姫様。本気で俺が姫様を裏切ったって信じたわけ?」
そう言って、ジンが歯を見せて笑った。
ロザリアの良く知った明るくくったくのない豪快な笑い方だ。
冷たくて高い、背筋が凍るような怖い声音でもない、いつも通りのジンの姿。
しばらくの間を置いてやっと今の状況を理解すると、じわじわと来た安堵で目の奥が熱くなった。
「どっ…、ど…どうして教えてくれないのよー!」
月夜に照らされた空に、ロザリアの叫びが響く。
せめて一言くらい、ジンが味方であることを教えておいてくれればこんなに不安にならなかったのに。
そう涙ながらに訴えると、セインが当たり前のようにさらりと言う。
「ロザリアが秘密なんて無理だから」
「っ…」
言われたロザリアが口を噤んでしまうのは、図星だからだ。
(確かに、昔から隠し事とか嘘とかは苦手だったけど…)
もしロザリアにこの事実を話していたならば、ロザリアは隠しきれずに絶対に態度にだしてしまっていたのだろう。
自分のことは自分が一番わかっている。
「でも…たとえ話せなくても…内部に入り込んでいるなら、私がさらわれる前に留めてくれればよかったのに」
セインもジンも、他の騎士たちも、向こうの出方を何もかもを調査済みで、ロザリアを連れ去る計画さえ知っていたと言う。
だったらその誘拐計画を事前に防ぐのが道理ではないかと尋ねると、ジンは苦笑して髪を掻き揚げる。
「確実な証拠が入るまでもうちょーっと時間が必要だったんだよ。もちろんヤバそうなら助けるつもりだったぜ?大人しくしててって忠告までしたのに、姫様ってば窓からの脱走だもんなー。いや、姫様ならやるだろうなとは思ったけど」
「……主犯者の気が私に向いているのを利用して、せっせとガサ入れしていたのね」
「はっはっは」
ジンのわざとらしい乾いた笑い声が、月夜の空にやけに大きく響いた。
いったい何が起きているのか、ロザリアにはさっぱり全然全く分からない。
ただ目の前で繰り広げられる信じられない光景に目を瞬くしか出来なかった。
「………………え?」
ぽかんと口を開けて放心してしまっていたが、我に返ると慌ててセインの腕を引く。
「ほんと、何なのこれ、ねぇ」
見上げたセインはロザリアみたいに動揺なんてまったくしていない。
持っている剣を一度も振るうそぶりさえ見せず、ロザリアをかばう位置に立っているだけだ。
「黙っていろ。終わったら説明するから」
「説明って…」
困惑した声をあげつつ、ロザリアはセインからまた目の前の騒ぎに視線を移した。
最初にセインとロザリアと対峙していた3人の男たちを、ジンを含むあとから来た男たち6人が蹴散らしている。なぜかどうしてか、敵であるはずのジン達がロザリアとセインを守っている。
「だっ、誰か来てくれ!」
屋敷の中へ向かってさらなる応援を呼ぶ彼らに、ジンはにっこりと笑って言う。
「屋敷の中の奴らは全部捕縛済み。あんたらで最後だよ」
「はぁ?!て、めぇら!裏切ったのかよ!!」
騒ぐ男たちに対する6人は、圧倒的な戦闘力で簡単にやられてしまう。
その剣裁きはロザリアの良く見知ったもので、よくよく観察してみると6人全員がロザリアの知った顔…王宮に仕える騎士の人間だ。。
薄暗い場所だから今までまったく気づきもしなかった。
そこでセインが後ろを振り返り、ロザリアの呑み込みのわるさに呆れたようなため息を吐く。
「潜入作戦ってやつだ」
「…は?」
「ロザリアには難しい単語だったか?砕いて言うと、仲間になった演技をして敵の懐に入り込む。それで情報を得たり罠を仕掛けたり強襲したりと、まぁそんな作戦だ」
「そっ…そこまで詳しく説明しなくても分かるけれど…」
意味は、さすがのロザリアでも理解できる。
けれどあまりに予想外な展開すぎて頭が付いて行かないのだ。
「ひっでぇ姫様。本気で俺が姫様を裏切ったって信じたわけ?」
そう言って、ジンが歯を見せて笑った。
ロザリアの良く知った明るくくったくのない豪快な笑い方だ。
冷たくて高い、背筋が凍るような怖い声音でもない、いつも通りのジンの姿。
しばらくの間を置いてやっと今の状況を理解すると、じわじわと来た安堵で目の奥が熱くなった。
「どっ…、ど…どうして教えてくれないのよー!」
月夜に照らされた空に、ロザリアの叫びが響く。
せめて一言くらい、ジンが味方であることを教えておいてくれればこんなに不安にならなかったのに。
そう涙ながらに訴えると、セインが当たり前のようにさらりと言う。
「ロザリアが秘密なんて無理だから」
「っ…」
言われたロザリアが口を噤んでしまうのは、図星だからだ。
(確かに、昔から隠し事とか嘘とかは苦手だったけど…)
もしロザリアにこの事実を話していたならば、ロザリアは隠しきれずに絶対に態度にだしてしまっていたのだろう。
自分のことは自分が一番わかっている。
「でも…たとえ話せなくても…内部に入り込んでいるなら、私がさらわれる前に留めてくれればよかったのに」
セインもジンも、他の騎士たちも、向こうの出方を何もかもを調査済みで、ロザリアを連れ去る計画さえ知っていたと言う。
だったらその誘拐計画を事前に防ぐのが道理ではないかと尋ねると、ジンは苦笑して髪を掻き揚げる。
「確実な証拠が入るまでもうちょーっと時間が必要だったんだよ。もちろんヤバそうなら助けるつもりだったぜ?大人しくしててって忠告までしたのに、姫様ってば窓からの脱走だもんなー。いや、姫様ならやるだろうなとは思ったけど」
「……主犯者の気が私に向いているのを利用して、せっせとガサ入れしていたのね」
「はっはっは」
ジンのわざとらしい乾いた笑い声が、月夜の空にやけに大きく響いた。
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