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セレスタ 波乱の婚約式編
セレスタへの帰還 1
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途中通信機へメッセージを送り、無事脱出できたことだけは伝えた。
このまま魔術師を含んだ部隊とは分かれてセレスタを目指すことになっている。
ついでに通信機が壊されたのでメッセージが受け取れないとも伝えると、向こうで何か言っているように激しく魔石の欠片が明滅していたが、当然マリナにはわからない。
ヴォルフに聞くとメルヒオールが片割れを持っているらしい。
戻ったときに文句を言われそうだが、不可抗力だ。
もしかしたら通信機を壊されて一番怒っているのはメルヒオールかもしれない。
うるさそうだけど、作り方を教えたら文句も言わなくなるだろう。
メルヒオールのことはしばらく忘れることにした。
疲れるまで飛ぼうかと思ったけど、途中でヴォルフに止められる。
今日は無理をしないで適当な街で休むことにするそうだ。
まあ当然か。魔法で飛んで行ってもセレスタまで一日で帰るとか無理だものね。
他国の頭上を飛ぶっていうのもあんまりよくないし。
適当な場所で降りて街に入る。
「服を買えるお店ってどこかしらね。 着替えたいんだけど」
マールアで与えられた衣装のままなのでまずは着替えたい。
すぐに見つかったのでお店で着替えて着ていた衣装は買取してもらう。
ずいぶん良い布を使っていたみたいでおつりの方が多い。
勝手に売ることを一瞬だけ躊躇したけど返せと言われるはずもないので気にしないことにする。
ラムゼスに壊された魔石の方が断然高いし。
あれに魔道具としての価値を含めたら一国の王子といえど、ぽんと払える金額じゃない。
「通信機壊されちゃった」
空しさと悔しさに呟くとヴォルフが合点がいったと頷いた。
「メルヒオールが通信機の反応が見られないと言っていたが、壊れてたのが原因か」
「そうね、効果範囲を広げる魔術の部分が欠損したから」
本当に、一つの魔石を割って作ったのは正解だった。
そうでなければ多分マリナの居場所を突き止めるのは簡単にいかなかっただろう。
通信機を作ったときはこんなことになるなんて全く予想もしてなかったんだけど。
何が幸いするかわからないものだ。
「そういえばミリアム様から手紙は届いた?」
「ああ、マールアの関与はわかっていたんだが、彼女が持ってきてくれた手紙が決め手になったな」
ミリアム様に出した手紙は有効だったらしい。
ミリアム様は込められた意味もちゃんとわかって王子やヴォルフに知らせてくれたという。
さすがミリアム様。察しが良い。
「帰ったらお礼の手紙出さないと」
本当は直接お礼が言いたいけれど、すぐには難しい。
「そうだな、それがいい。 心配しているだろうからな」
フレスに嫁いだミリアム様に心配や迷惑をかけるとも思ったけどあの時はそれ以外に方法がなかった。
応えてくれたミリアム様には感謝している。
木の実色の瞳を思い出しているとヴォルフがマールアの目的を聞いてきた。
「マールアがお前を攫った理由はやはり魔術が目的か?」
「えっと……」
そう思うのが当然だ。マリナも理由を聞いたときは耳を疑った。
言い淀んでいると訝しんだヴォルフの眼光が鋭くなっていく。
別に隠すことじゃないんだけど言いにくい。
セレスタに戻ったらどうせ話すことになるんだからと素直に話すことにした。
このまま魔術師を含んだ部隊とは分かれてセレスタを目指すことになっている。
ついでに通信機が壊されたのでメッセージが受け取れないとも伝えると、向こうで何か言っているように激しく魔石の欠片が明滅していたが、当然マリナにはわからない。
ヴォルフに聞くとメルヒオールが片割れを持っているらしい。
戻ったときに文句を言われそうだが、不可抗力だ。
もしかしたら通信機を壊されて一番怒っているのはメルヒオールかもしれない。
うるさそうだけど、作り方を教えたら文句も言わなくなるだろう。
メルヒオールのことはしばらく忘れることにした。
疲れるまで飛ぼうかと思ったけど、途中でヴォルフに止められる。
今日は無理をしないで適当な街で休むことにするそうだ。
まあ当然か。魔法で飛んで行ってもセレスタまで一日で帰るとか無理だものね。
他国の頭上を飛ぶっていうのもあんまりよくないし。
適当な場所で降りて街に入る。
「服を買えるお店ってどこかしらね。 着替えたいんだけど」
マールアで与えられた衣装のままなのでまずは着替えたい。
すぐに見つかったのでお店で着替えて着ていた衣装は買取してもらう。
ずいぶん良い布を使っていたみたいでおつりの方が多い。
勝手に売ることを一瞬だけ躊躇したけど返せと言われるはずもないので気にしないことにする。
ラムゼスに壊された魔石の方が断然高いし。
あれに魔道具としての価値を含めたら一国の王子といえど、ぽんと払える金額じゃない。
「通信機壊されちゃった」
空しさと悔しさに呟くとヴォルフが合点がいったと頷いた。
「メルヒオールが通信機の反応が見られないと言っていたが、壊れてたのが原因か」
「そうね、効果範囲を広げる魔術の部分が欠損したから」
本当に、一つの魔石を割って作ったのは正解だった。
そうでなければ多分マリナの居場所を突き止めるのは簡単にいかなかっただろう。
通信機を作ったときはこんなことになるなんて全く予想もしてなかったんだけど。
何が幸いするかわからないものだ。
「そういえばミリアム様から手紙は届いた?」
「ああ、マールアの関与はわかっていたんだが、彼女が持ってきてくれた手紙が決め手になったな」
ミリアム様に出した手紙は有効だったらしい。
ミリアム様は込められた意味もちゃんとわかって王子やヴォルフに知らせてくれたという。
さすがミリアム様。察しが良い。
「帰ったらお礼の手紙出さないと」
本当は直接お礼が言いたいけれど、すぐには難しい。
「そうだな、それがいい。 心配しているだろうからな」
フレスに嫁いだミリアム様に心配や迷惑をかけるとも思ったけどあの時はそれ以外に方法がなかった。
応えてくれたミリアム様には感謝している。
木の実色の瞳を思い出しているとヴォルフがマールアの目的を聞いてきた。
「マールアがお前を攫った理由はやはり魔術が目的か?」
「えっと……」
そう思うのが当然だ。マリナも理由を聞いたときは耳を疑った。
言い淀んでいると訝しんだヴォルフの眼光が鋭くなっていく。
別に隠すことじゃないんだけど言いにくい。
セレスタに戻ったらどうせ話すことになるんだからと素直に話すことにした。
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