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セレスタ 故郷編
助力要請 3
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アロイスさんの話を聞き終えて、横に立つヴォルフへ視線を投げる。
マリナの意思はほぼ決まっていた。マリナの視線を受けてヴォルフが口を開く。
「いいだろう。 手を貸す」
ヴォルフの返答を聞いてアロイスさんがマリナに視線を移す。
マリナは元から参加する気満々だった。
首肯して承諾を示すと浮かべた笑みをほっとしたものに変える。
「ありがとうございます。 お二人に力を貸していただけるなど、我々は幸運ですね」
「期待を裏切らぬよう力を尽くします」
旅の日程が延びないようにさっさと片付けたい。
その思いを隠して微笑む。
「今すぐに動けそうな人はどのくらいですか?」
意識がある人たちへの事情聴取はあらかた終わっているだろう。
今すぐ討伐に行くなんて無茶はしないけれど、場所は早めに把握しておきたい。
マリナとヴォルフだけで行動するのは避けた方がいいだろう。
土地勘もないので騎士団と連携して動くことになる。
「5、6人程であればすぐにでも」
アロイスさんの返事を聞いて窓から差し込む光を見る。
まだ昼には遠い。先に場所だけでも見ておきたい。
「かまいません、では用意ができたらすぐに出立しましょうか。
魔術の影響があるかないかだけでもすぐに確認したいので」
「かしこまりました。
ヨハン、頼む。 今日は第三と第五が非番だったな。
隊長に話をして適任者を選出してくれ」
「はいっ!」
返事をしてヨハンさんが走っていく。
ヨハンさんを見送ってアロイスさんは表情を引き締めた。
これほど早く行動に移すとは思わなかったのかもしれないけど、早いからこそいい。
この辺りでの仕事を終えるつもりなら姿を消す前に行動する必要がある。
「では具体的な話に参りましょうか。 盗賊団がいると目されている場所はこちらです」
切り替え早く次の段階に話が進む。
アロイスさんは地図を持ってくると、机に広げある場所を指す。
円を描くように指でなぞられた場所はそれほど広くない。
それでも一騎士団でしらみつぶしに当たるには少々骨の折れる範囲だった。
「なるほど。 これでは騎士団で包囲網を作りながら徐々に捜索範囲を狭めていく方法は取れないな」
地図を見ながらヴォルフが呟く。
「ええ。 本来でしたら近隣の騎士団から増援を頼むのですが、今は他の騎士団でも再編成が行われているのでそれも難しく……」
元々騎士団の異動は春と秋にある。
秋の異動は春よりも小規模ではあるけれど、幹部と言われる人たちが動くのは秋が多い。
そのため今は他の騎士団に助力を乞いづらいのだと言う。
半月からひと月あれば多少落ち着いてくるのでその頃に増援を頼むつもりだったようだ。
タイミングが悪いというか……。深読みすればこの機会を窺っていたとも見えた。
ほどなく準備ができたとヨハンさんが呼びに来る。
流石はこの地方の要となる騎士団だ、準備が早い。
紹介された騎士は5人。
灰色の髪のフランツさん、金髪のクリストさん、黒髪のユリウスさん、薄茶色の髪のルーカスさんはアロイスさんの親戚だという。どうりで髪の色が似てる。
そして最年少だというラースさん。彼も黒髪だ。
一番年長者のフランツさんが代表して挨拶を述べる。
「フランツ・ノッカーと申します。
魔術師殿にご協力いただけること、感謝しております。
どうぞよろしくお願いします」
「マリナです。 彼はヴォルフ。
こちらこそよろしくお願いいたします」
短い挨拶を交わし、アロイスさんが彼らを呼んだ理由を説明する。
マリナたちの名前を聞いてフランツさん、クリストさん、ルーカスさんは僅かながら反応を見せた。彼らはヴォルフが誰か、その横にいる魔術師が誰なのか察したようだ。
表情の乏しいユリウスさんは気づいているのかどうかわからない。
最年少のラースさんは気づいてなさそうだ。
部外者が任務に加わるのが気に入らないのか、眼光鋭くマリナを見ている。
もしかしたら魔術師が嫌いなのかもしれない。
「では、これからすぐに出立でよろしいのですね」
「はい、こちらも準備はできておりますのですぐに出発できます」
フランツさんに答えてアロイスさんに視線を向ける。
「では、行ってきます。
戻りましたら報告に上がりますので」
「よろしくお願いいたします」
頭を下げるアロイスさんに驚きの表情を向けるのはラースさんだけ。
どうやらユリウスさんも知ってるとみてよさそうだった。
マリナの意思はほぼ決まっていた。マリナの視線を受けてヴォルフが口を開く。
「いいだろう。 手を貸す」
ヴォルフの返答を聞いてアロイスさんがマリナに視線を移す。
マリナは元から参加する気満々だった。
首肯して承諾を示すと浮かべた笑みをほっとしたものに変える。
「ありがとうございます。 お二人に力を貸していただけるなど、我々は幸運ですね」
「期待を裏切らぬよう力を尽くします」
旅の日程が延びないようにさっさと片付けたい。
その思いを隠して微笑む。
「今すぐに動けそうな人はどのくらいですか?」
意識がある人たちへの事情聴取はあらかた終わっているだろう。
今すぐ討伐に行くなんて無茶はしないけれど、場所は早めに把握しておきたい。
マリナとヴォルフだけで行動するのは避けた方がいいだろう。
土地勘もないので騎士団と連携して動くことになる。
「5、6人程であればすぐにでも」
アロイスさんの返事を聞いて窓から差し込む光を見る。
まだ昼には遠い。先に場所だけでも見ておきたい。
「かまいません、では用意ができたらすぐに出立しましょうか。
魔術の影響があるかないかだけでもすぐに確認したいので」
「かしこまりました。
ヨハン、頼む。 今日は第三と第五が非番だったな。
隊長に話をして適任者を選出してくれ」
「はいっ!」
返事をしてヨハンさんが走っていく。
ヨハンさんを見送ってアロイスさんは表情を引き締めた。
これほど早く行動に移すとは思わなかったのかもしれないけど、早いからこそいい。
この辺りでの仕事を終えるつもりなら姿を消す前に行動する必要がある。
「では具体的な話に参りましょうか。 盗賊団がいると目されている場所はこちらです」
切り替え早く次の段階に話が進む。
アロイスさんは地図を持ってくると、机に広げある場所を指す。
円を描くように指でなぞられた場所はそれほど広くない。
それでも一騎士団でしらみつぶしに当たるには少々骨の折れる範囲だった。
「なるほど。 これでは騎士団で包囲網を作りながら徐々に捜索範囲を狭めていく方法は取れないな」
地図を見ながらヴォルフが呟く。
「ええ。 本来でしたら近隣の騎士団から増援を頼むのですが、今は他の騎士団でも再編成が行われているのでそれも難しく……」
元々騎士団の異動は春と秋にある。
秋の異動は春よりも小規模ではあるけれど、幹部と言われる人たちが動くのは秋が多い。
そのため今は他の騎士団に助力を乞いづらいのだと言う。
半月からひと月あれば多少落ち着いてくるのでその頃に増援を頼むつもりだったようだ。
タイミングが悪いというか……。深読みすればこの機会を窺っていたとも見えた。
ほどなく準備ができたとヨハンさんが呼びに来る。
流石はこの地方の要となる騎士団だ、準備が早い。
紹介された騎士は5人。
灰色の髪のフランツさん、金髪のクリストさん、黒髪のユリウスさん、薄茶色の髪のルーカスさんはアロイスさんの親戚だという。どうりで髪の色が似てる。
そして最年少だというラースさん。彼も黒髪だ。
一番年長者のフランツさんが代表して挨拶を述べる。
「フランツ・ノッカーと申します。
魔術師殿にご協力いただけること、感謝しております。
どうぞよろしくお願いします」
「マリナです。 彼はヴォルフ。
こちらこそよろしくお願いいたします」
短い挨拶を交わし、アロイスさんが彼らを呼んだ理由を説明する。
マリナたちの名前を聞いてフランツさん、クリストさん、ルーカスさんは僅かながら反応を見せた。彼らはヴォルフが誰か、その横にいる魔術師が誰なのか察したようだ。
表情の乏しいユリウスさんは気づいているのかどうかわからない。
最年少のラースさんは気づいてなさそうだ。
部外者が任務に加わるのが気に入らないのか、眼光鋭くマリナを見ている。
もしかしたら魔術師が嫌いなのかもしれない。
「では、これからすぐに出立でよろしいのですね」
「はい、こちらも準備はできておりますのですぐに出発できます」
フランツさんに答えてアロイスさんに視線を向ける。
「では、行ってきます。
戻りましたら報告に上がりますので」
「よろしくお願いいたします」
頭を下げるアロイスさんに驚きの表情を向けるのはラースさんだけ。
どうやらユリウスさんも知ってるとみてよさそうだった。
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