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番外編など
子供でいるって難しい。初めて知ったこと。 <ライナス視点③>
しおりを挟む朝起きて昨日不思議に思ったことをミオン先生に聞いてみた。
先生は少しだけ考えてから口を開く。
「『精霊のいとし子』であっても色彩や顔立ちは両親から受け継ぐのが普通です。
リオン様もルイス様も、レイン様とよく似たお顔をなさっているでしょう? ライナス様も」
先生の言葉に頷く。
ルイ兄もリオ姉も母上によく似た顔をしていた。
僕も色は父上と同じだけど顔立ちは母上に似てるってよく言われる。
屋敷に古くからいる者は、僕もルイ兄もリオ姉も母上の小さい頃とそっくりだと言う。
だから僕も大きくなったらきっとルイ兄みたいに背が伸びてカッコよくなれると思うんだ。
色んな冒険をしてていつもすごい物を見せてくれる二人は自慢の兄上と姉上だった。
でもミオン先生から続けられたのは驚きの事実。
「リオン様、ルイス様の銀の髪と紫の瞳はお二人の父親からの遺伝です。
お二人の父親はイクスさんではありませんので」
驚きに頭がぐわんと音を立てた気がした。
ルイ兄とリオ姉の父親は父上じゃない?
じゃあ母上は父上の前に別の人と結婚してたってこと?
でも僕と兄上たちは兄弟で……。
頭が混乱してくる。
「兄上と姉上は父上の子じゃないの?」
だから僕とは色が似てないのかと納得する気持ちと、父上とは血が繋がってない衝撃にしばらく言葉がでなかった。
ミオン先生は僕の気持ちが落ち着いて言葉を発するのを待ってくれる。
「じゃあ兄上と姉上のお父様は?」
亡くなったのかな?と考えているとミオン先生は首を振った。
「生きておりますよ。
お二人に会うことは二度とないでしょうが」
家族なのに二度と会えないってなんでかな。
すごく遠くにいるとか?
疑問に思ったけどミオン先生は答えはくれなかった。
代わりに伯父上に聞いてみたらどうかと教えてくれる。
「ライナス様がレイン様に聞こうとなさらないのはレイン様のお気持ちを考えてのことでしょう?」
ミオン先生の問いに頷く。
ルイ兄とリオ姉のお父様のことは気になるけど、母上に聞いて悲しい顔をされたら嫌だ。
会うこともできない事情があるならルイ兄とリオ姉にも同じ気持ちで聞きづらい。
父上は……、あんなに母上のことが大好きな父上に母上の前の結婚相手のことなんて聞けないよね。
みんな聞けば答えてくれるとは思うけど、やっぱり悲しませたくないから。
思いを正直に話すとミオン先生の表情が柔らかくなった。
「ライナス様はお優しいですね。
そうして皆様のお気持ちを考えることはとても良いことです」
褒められた。珍しく頭を撫でられる。
ミオン先生が教えてくれない理由も話してくれた。
先生は僕が生まれた後にこの屋敷に来たからその前のことは人に聞いたことしか知らないんだって。
だから事情を全部知ってる伯父上に聞いた方が良いと教えてくれた。
「レイン様の元夫に対して思うところは旦那様も同じでしょうが、感情を混じえない客観的な情報を教えてくれると思いますよ」
「きゃっかんてきなじょうほう?」
「ええ、人が話すことにはその人の考えや思いが混じります。
後から事実を聞いても先に私情の混じった考えを耳にしていた場合、それに引きずられて偏った見方をしてしまうこともある。
それを防ぐためには客観的な事実を先に得ることです」
旦那様ならその方法を教えてくださいますよ、という教えに従って伯父上に聞いてみることにした。
どうしようかな、みんなには内緒で聞かないと。
伯父上が1人になるのはいつかな。
作戦を考えないとね。
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