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第221話弱者であるお前に何ができる
しおりを挟むそしてルシファーはブラッドの疑問に答え、その答えを聞きブラッドはルシファーを見下す様にせせら笑う。
「……ポチ、貯まった蓄積カウンターを5個取り除くから……おいで。対象はあのバカ」
「そのポチを引っ込めてしまって良いのかな?これで貴様を殺しに行ける………ぐぅぅぅっ!?何だこれは……身体から生気が抜けて行く様だ……貴様ぁ、一体何を……がぁあっ!!このままでは、死んでしまう……この俺様が!?有り得ないぃぃい!!そんな事が有ってはならないんだよっ!!」
ブラッドと互角に渡り合っていた召喚獣をルシファーが何故か下がらせたのだが、これを千載一遇のチャンスと捉えたブラッドは一気にルシファーの方に距離を詰め寄ろうとするのだが、その途中ブラッドのは経験した事のない虚脱感を感じ自身の身体から生気が無くなって行っている事に絵も知れぬ恐怖を抱く。
「……ポチにエンチャントしていた闇魔術段位三【闇の恩恵】はエンチャントされた者が相手にダメージを与えるたびに蓄積カウンターを一つ蓄積して行く……そしてその蓄積カウンターを一つ取り除く事で相手の体力の最大数値から見た一割の数値を失うことが出来る……お前の能力は一度ダメージを受けてからそのダメージを軽減している事、そして【闇の恩恵】の能力はダメージではない為軽減され無い……クロ様がよく使う……ダメージ軽減系の相手に対す常套手段の一つ……そういう訳でもう五つカウンターをポチから取り除く」
ルシファーはそう言うとポチの周りに浮いている黒い球を更に五つ取り除いた。
その瞬間ブラッドの身体から目視でもはっきりとわかる程彼の生気が失われて行くのが分かる。
神の領域に生きており人間では到底到達出来ない頂に住んでいるあのブラッド・デイモンが今自分の目の前で瀕死の状態になっていた。
それでもなおブラッドの目は力強く殺意を込めルシファーを睨み付ける。
「この僕をここまでコケにして……タダで帰れると思っているのか?」
「瀕死状態の今のお前に……何が出来るの?弱いくせに……調子に乗るから……こうなる」
ブラッドの声には力無く、声を出し言葉を紡ぐのすら辛そうに思える声音である。
それでもなお未だ強気のブラッドを見下ろしルシファーがあのブラッドを弱者であるお前に何ができると言い返す。
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