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第二章
その話少しですまないやつだよ
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「よくやってくれたな。ハーク、スズメ」
自警団支部に戻って報告を終えると、ロムは労いの言葉を口にした。口元に笑みを湛えて、机の上で両手を組んでいる。自警団と密約を交わしていたマフィアをぶっ潰してきたと言っても少しも驚いていないその様子に、スズメは不審な目を向ける。
「まさか初めから私が勝手な行動でマフィアに手を出すって分かってました?」
「スズメは正義感が強いし、実力もある。遅かれ早かれマフィアの悪事と遭遇して対処してくれると思っていたよ」
「そこまで分かってたなら教えて欲しかったんですけど」
不貞腐れるスズメに、ロムは僅かに口角を上げた。
「まぁいいじゃないか。これでハークにも君の優秀さが伝わっただろう? 自警団としても目の上のたんこぶだったマフィアが壊滅して大助かりさ」
「なんか手のひらの上で転がされてる気がする・・・・・・」
落ち込むスズメの背中を隣に立っていたハークがばしっと叩く。そして何も言わずにその場を去って行った。
「な、何なんですか! あれ・・・・・・」
「ハークがあなたを認めるって。そういう意味よ」
「はい、お茶」と湯呑みを差し出してきたのは、同じ自警団で働くコマドリという人だ。
長い空色の髪を編み込んで、その所々には花が差してある。首に金と瞳の色と同じオレンジ色の宝石で出来たチョーカーをつけ、オレンジのショールを巻いて、白い服に先が丸まった青いズボンを履いていた。自警団の制服ではない服装に、スズメは首を傾げる。
「コマドリさんはどうして自警団の制服じゃないんですか?」
「あら、私、自警団員じゃないのよ?」
「ええ!?」
驚いて声を上げるスズメにコマドリはクスクスと可愛らしく笑った。
「私、ハークのお手伝いをしたくてくっついてきたの。名目上は自警団を手助けするボランティアみたいなものかな」
「ハークさんを? どうしてそこまで・・・・・・」
「ふふふ。そうね。あなたにはハークの良いところを知ってもらいたいし少しお話ししましょうか」
そう言ってコマドリはスズメに椅子を勧めた。
「その話少しですまないやつだよ。気を付けてね、スズメ」
「え」
ロムに書類でぽんと頭を叩かれて慌てて振り返ると、ロムはもう執務室を出るところだった。
「ハークとコマドリの長ーいラブロマンスを聞かされるから。東方支部名物だよ」
「あら、支部長は意地悪ね」
「本当のことでしょ。僕は上に報告してくる」
ごゆっくりと付け加えてロムはぱたりと扉を閉めて行ってしまった。執務室に残るのはスズメとコマドリ二人きり。どうやら長い話に付き合わないといけないらしい。
スズメは仕方なく木製の椅子に腰掛けた。コマドリもその向かいにゆったりと座る。そしてハークとコマドリの馴れ初めを語り始めた。
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