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01-孤高の白雪編

グレイブ店長

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 グレイブ店長-------------

 俺の通う学園の近辺で、甘味処を経営する大男のだ。

 俺が《白雪》本人であると知る唯一の人物で、本名不詳、経歴・年齢不明の謎の大男だ。

 実際、この店長の名前、俺、知らないし…………。

 一応は、敬意を込めて、《店長》と呼ぶようにしてはいるが-------------普段、矢鱈と、俺に面倒ごとを押し付けてくる節がある。

 今回もきっと、この大男は、こう言うのだろう。


「はい。これが、今回のミッションねぇ~」

「……………………」


 有無を言わせず、差し出して来た一枚の用紙。

 そこに書かれてあった内容は、予想通り、あの傍迷惑な騎士と戦い、勝利せよ。

 そんな事が書かれている。


「……………どういうつもりだ…………?」

「ん? 何がぁ~?」

 
 この後に及んで、惚けるか。


「とりあえず、これは前払いねぇ~」

「ちっ…………」


 そんで、いつもの如く、人の話を聞かずに、報酬を一方的に、差し出して来る。

 俺が、断る-------------なんて、選択を取らない事が分かっての対応だ。

 しかも、その後、幾ら問い詰めても、はぐらかされては、俺が求める答えなんか、一切、返って来ない。

 それが余計に、俺を苛立たせる。


「じゃあ、よろしくねぇ~」

「……………………」


 ほんと、ムカつく人だ。

 この様子だと、それ相応の報酬を受け取った後だな…………。

 そっちが、その気なら、こっちにだって、考えはある。

 俺は無言で、前金を受け取るなり、店を後にした。

 そんな俺の背を見つめて、店長が怪しく微笑んでいるとも知らずに-------------

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